俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々
蔵に沿う一本道の桐一葉 紅
奥入瀬の汀ゆるやか水の秋 〃
秋夕焼いまは一人となりにけり 心
悠々と二羽の白鷺刈田道 〃
大谷君の案山子稲田の黄金色 流水
降る雨やひと雨ごとに秋深む 〃
秋雨や青ランドセル青き傘 豊狂
丹那路や黄金稲田に富士の傘 〃
窓越しの猫と目が合う秋日和 コトリ
秋晴れや逃げるトンビと追うカラス 〃
銀杏降る微動だにせぬ西郷どん像 凛
蟷螂や影にも闘志あふれおり 〃
水澄みて川底笑う秋の川 信天翁
川音に離れず揺るる紅葉狩 〃
境内に異臭立ち込め秋を知る 淡白
突然に茎伸び伸びて彼岸花 〃
野良猫の窪みの温み枯落葉 釣舟
秋蒔きの畝を一本均しけり 〃
タムラソウ(田村草)
金風や弥勒菩薩のお顔立ち コトリ
色の無き能登に吹く風声も出ず 〃
雲の峰万次郎越す編隊機 豊狂
コスモスや鎮守の森の道案内 〃
群青の海すべりゆく望の月 凛
灯さずにいましばらくは月の友 〃
寿ぎや儀式の接吻天高し 心
秋の雲行くあてあるか問われけり 〃
青柿もゆるり色づく秋分かな 流水
湯河原をやや遠ざけて秋夜かな 〃
夏過ぎて待ちわびし風ほほ流 信天翁
川波の白きを岩へ秋はじめ 〃
稲光まだまだ序章かも知れず 紅
店頭の眼鏡洗い機秋日影 〃
燕去る辿り着けよと声欠ける 淡白
思うように摘んで役満秋の空 〃
朝涼や目覚めて五体確かむる 釣舟
バカの壁また読み返す夜長かな 〃
年とらぬ老人ばかり盆踊り 流水
かりそめの熱き吐息や藍浴衣 〃
ひぐらしや無人の街の赤信号 豊狂
秋茜伊豆の山々舞い遊ぶ 〃
庭仕事蚊取線香虫スプレー コトリ
東京の空から見えぬ天の川 〃
新生姜香りほどけて朝の風 信天翁
音立てて小玉スイカ真っ二つ 〃
盆踊り炭坑節で輪の中へ 心
白桃を供えて愛を確かめて 〃
快晴の終戦記念日水美味し 淡白
五輪見てストレスたまる原爆忌 〃
熱帯魚指揮するもののいるように 紅
拾わんとすれば落蝉泣き喚く 〃
蜩や木霊にのりて谷巡る 凛
ヒロシマに夾竹桃の花咲けば 〃
ひぐらしは目覚まし時計山の家 釣舟
花木槿今日一日を仕舞いけり 〃
タマアジサイ(玉紫陽花)
あーでもないこうでもないとつるし雛 心
老梅を母の形見と言う老人 〃
山笑うAIニュースの合成音 豊狂
山笑う卒園祝う胸のバラ 〃
大空を国境もなく鳥帰る 黒薔薇
春の海ゆうらりゆらり観光船 〃
菜の花やみつ蜂遊び風遊び 信天翁
幕山の川音高し風光る 〃
採血の針ウロウロと春とおし コトリ
眠れない雛人形の目が一杯 〃
ふるさとは雲形の頃遠い嶺 紅
白木蓮夜の帳の仄明り 〃
まんまるに大きくふんわり朧月 流水
旅立の祝言葉や桜まじ 〃
背後から魔女の一撃春の雷 凛
朝の地震大島包み陽炎いぬ 〃
春の夢なつかしき人に出会う筋 伊豆山人
陽の光あびる草摘む散歩かな 〃
ゴジラ観る日比谷エリアは山笑う 淡白
カラスの巣除去ガザウクライナ 〃
野遊びや足裏の発条の心地よき 釣舟
西行に耳欹てし涅槃かな 〃
雪舞ひて巷の明かり小踊りす 信天翁
春立つを群なす小鳥木から木へ 〃
晴れ渡り陽の匂ひ立つ蕗の薹 黒薔薇
桜貝メモリーそっと玉手箱 〃
一つだけ子に詫びたきや冬苺 紅
リハビリやガラス戸越の春隣 〃
人去りて瀬音もどりし梅の径 凛
もろともに齢重ねし梅なれば 〃
小鳥カフェメジロこぞって雨水かな 伊豆山人
落椿地面にえがく万華鏡 〃
大山を冬靄包み空青し 流水
春雨に瞳も濡るる今宵かな 〃
おっととつまずき喜寿の二月かな 心
春風やしとどの窟教えおり 〃
侘助や一つ手折って妻の元 コトリ
蕗のとう揚げてビールと父の笑み 〃
春時雨傘ささぬ子等黙し行く 豊狂
三輪車スケボー横に蕗の薹 〃
育休のパパ抱く吾子はホッカイロ 淡白
寒暖差大きい時に足湯あり 〃
大鬼が小鬼を抱いて節分会 釣舟
春冴ゆる眼耳鼻舌身第六感 〃