一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

3060  第五百八回 多留男会   令和六年

2024年11月03日 | 多留男会

蔵に沿う一本道の桐一葉       紅 

奥入瀬の汀ゆるやか水の秋      〃

    

秋夕焼いまは一人となりにけり    心

悠々と二羽の白鷺刈田道       〃

 

大谷君の案山子稲田の黄金色     流水

降る雨やひと雨ごとに秋深む     〃 

    

秋雨や青ランドセル青き傘      豊狂

丹那路や黄金稲田に富士の傘     〃

 

窓越しの猫と目が合う秋日和     コトリ

秋晴れや逃げるトンビと追うカラス  〃 

   

銀杏降る微動だにせぬ西郷どん像   凛

蟷螂や影にも闘志あふれおり     〃

 

水澄みて川底笑う秋の川       信天翁       

川音に離れず揺るる紅葉狩      〃

 

境内に異臭立ち込め秋を知る     淡白

突然に茎伸び伸びて彼岸花      〃 

       

野良猫の窪みの温み枯落葉      釣舟

秋蒔きの畝を一本均しけり      〃 

タムラソウ(田村草)

    

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3058   第507回 令和六年九月 多留男会 

2024年11月02日 | 多留男会

金風や弥勒菩薩のお顔立ち     コトリ  

色の無き能登に吹く風声も出ず   〃        

    

雲の峰万次郎越す編隊機      豊狂

コスモスや鎮守の森の道案内    〃           

 

群青の海すべりゆく望の月     凛

灯さずにいましばらくは月の友   〃

    

寿ぎや儀式の接吻天高し      心

秋の雲行くあてあるか問われけり  〃

 

青柿もゆるり色づく秋分かな    流水

湯河原をやや遠ざけて秋夜かな   〃

 

夏過ぎて待ちわびし風ほほ流    信天翁 

川波の白きを岩へ秋はじめ     〃

 

稲光まだまだ序章かも知れず    紅

店頭の眼鏡洗い機秋日影      〃

   

燕去る辿り着けよと声欠ける    淡白 

思うように摘んで役満秋の空    〃

   

朝涼や目覚めて五体確かむる    釣舟

バカの壁また読み返す夜長かな   〃

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3057  第506回 多留男会

2024年09月12日 | 多留男会

年とらぬ老人ばかり盆踊り     流水   

かりそめの熱き吐息や藍浴衣    〃

           

ひぐらしや無人の街の赤信号    豊狂

秋茜伊豆の山々舞い遊ぶ      〃

 

庭仕事蚊取線香虫スプレー    コトリ

東京の空から見えぬ天の川     〃

           

新生姜香りほどけて朝の風    信天翁

音立てて小玉スイカ真っ二つ    〃

 

盆踊り炭坑節で輪の中へ      心

白桃を供えて愛を確かめて     〃

 

快晴の終戦記念日水美味し     淡白

五輪見てストレスたまる原爆忌   〃

 

熱帯魚指揮するもののいるように  紅

拾わんとすれば落蝉泣き喚く    〃

 

蜩や木霊にのりて谷巡る      凛

ヒロシマに夾竹桃の花咲けば    〃

 

ひぐらしは目覚まし時計山の家   釣舟

花木槿今日一日を仕舞いけり    〃

タマアジサイ(玉紫陽花)

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3047  501回 多留男会 令和6年3月句会

2024年04月22日 | 多留男会

あーでもないこうでもないとつるし雛 心

老梅を母の形見と言う老人      〃     

    

山笑うAIニュースの合成音    豊狂

山笑う卒園祝う胸のバラ       〃           

      

大空を国境もなく鳥帰る     黒薔薇

春の海ゆうらりゆらり観光船    〃

 

菜の花やみつ蜂遊び風遊び    信天翁

幕山の川音高し風光る       〃

 

採血の針ウロウロと春とおし   コトリ

眠れない雛人形の目が一杯     〃

 

ふるさとは雲形の頃遠い嶺     紅 

白木蓮夜の帳の仄明り       〃

 

まんまるに大きくふんわり朧月  流水

旅立の祝言葉や桜まじ       〃

 

背後から魔女の一撃春の雷     凛

朝の地震大島包み陽炎いぬ     〃

 

春の夢なつかしき人に出会う筋 伊豆山人

陽の光あびる草摘む散歩かな    〃

 

ゴジラ観る日比谷エリアは山笑う  淡白

カラスの巣除去ガザウクライナ   〃

 

野遊びや足裏の発条の心地よき   釣舟

西行に耳欹てし涅槃かな      〃

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3041  第五百回 多留男会 2月句会 2024、2,27

2024年03月03日 | 多留男会

雪舞ひて巷の明かり小踊りす   信天翁

春立つを群なす小鳥木から木へ   〃

    

晴れ渡り陽の匂ひ立つ蕗の薹   黒薔薇

桜貝メモリーそっと玉手箱     〃

    

一つだけ子に詫びたきや冬苺    紅 

リハビリやガラス戸越の春隣    〃

 

人去りて瀬音もどりし梅の径    凛  

もろともに齢重ねし梅なれば    〃

     

小鳥カフェメジロこぞって雨水かな  伊豆山人 

落椿地面にえがく万華鏡        〃

 

大山を冬靄包み空青し       流水

春雨に瞳も濡るる今宵かな     〃 

  

おっととつまずき喜寿の二月かな  心

春風やしとどの窟教えおり     〃

 

侘助や一つ手折って妻の元    コトリ 

蕗のとう揚げてビールと父の笑み  〃

       

春時雨傘ささぬ子等黙し行く    豊狂 

三輪車スケボー横に蕗の薹     〃

    

育休のパパ抱く吾子はホッカイロ  淡白 

寒暖差大きい時に足湯あり     〃  

 

大鬼が小鬼を抱いて節分会      釣舟

春冴ゆる眼耳鼻舌身第六感      〃

 

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