一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1843   マンションの風鈴ひそと掠れ鳴る   さくら

2017年07月25日 | 

 この句、マンションの独居老人の侘しい生活を詠った句かと思ったが、実際は違っていた。作者の夫は元気だし、実際は・・・・・

 昼間は風鈴を鳴らしておくが、夜ともなればマンションの上下隣近所に気を使って、風鈴の短冊を吊るしている紐にくくりつけるのだそうである。それでも強い風が吹けば、かすれたように弱々しく鳴るというのだ。

 確かに、深夜に風鈴が鳴ったら、睡眠妨害の苦情が来そうだから、そういった気遣いは当然のことかもしれない。一軒家の山住みの私には、想像外の句であった。

キキョウ(桔梗)

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1842   睡蓮鉢うじゃうじゃ増えし目高の子

2017年07月24日 | 

 一ト月ほど前、10匹の黒メダカを買った。既にそれぞれの鉢にいた赤金(金魚)、緋メダカに黒メダカが加わったのだ。そして一週間ほど前、この黒メダカの子が数匹泳ぐのを見つけたのだが、驚いたことに今日は100匹以上に増えている。

 金魚もメダカも、産んだ卵や孵った稚魚を親が食べてしまうと言われている。実際放っておくと、生き残るのは1,2匹に過ぎないのだが、今年の黒メダカの子の数は、とにかく半端じゃない。

今年の山百合は、6本に43の花、ちなみに去年は4本に32の花、そろそろ分球するか?

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1841   梔子の白を盗みし女かな

2017年07月17日 | 

 窯焚きの7トンの薪が次第になくなっていく。窯の回りがすっからかんとなり、庭が見通せるようになった火止めの前の日。

 私達が、すぐ近くにいるにもかかわらず、何の断りもなく、バイクに乗ったまま梔子の枝を折って行った顔見知りの女性。咎めるつもりも泥棒扱いするつもりもないが、なんか淋しい。一声掛けてくれれば、鋏を貸して袋もあげたのにねえ。

ヒオウギ(檜扇)

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1840   蜂の巣と共に膨らむ恐れかな

2017年07月13日 | 

  二年前、二階の軒下に足長蜂が巣を作った。「足長蜂ならば」と思い、そのまま放っておいた。しかし、今年は同じ場所にスズメバチが巣を作り始めた。いくら何でも、スズメバチでは放っては置けない。その日の深夜、巣を竹の棒で叩き落とした。のは良かったのだが、翌日5,6メートル離れた別の場所に再び巣を作り始めたのだ。女王が生きているからだろう。

  そこで、ホームセンターに行って「スズメバチ専用」と書かれた数種類の中から強力殺虫剤を購入。そして深夜に数秒ずつ2回噴霧。驚いたことに、翌朝行ってみると、テラスの床に数匹のスズメバチが死に瀕していた。その効果にびっくり。

 「蜂が高いところに巣を作る年は、大きな台風が来る」という説を聞いたことがあるから、今年は、強力台風が多数上陸するのではないか、と懸念される。スズメバチより、台風の方が余程恐ろしい。

駆除後のスズメバチの巣

効果抜群、スズメバチ専用殺虫剤

足長蜂の巣

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1839   サングラス窯ぐれ女の頬被り

2017年07月10日 | 

 作品が入ってもいないのに、何年も窯焚きの手伝いに来る人がいる。男も女も、窯の炎の魅力にハマる人はハマるらしい。但し穴窯は珍しいし、通ってもここでは年2回しか焚かない。

50年近く前、川口松太郎の「窯ぐれ女」という小説を、フジテレビでドラマ化したらしい。内容は知らないが、「窯ぐれ」の「ぐれ」は、日々没頭する「暮れる」と「愚連隊」の「ぐれる」普通の道を外れること、その両方を言うのかもしれない。いづれにしても、「窯ぐれ女」とは、焼き物に夢中になっている女のことである。

 さて、九州では梅雨前線が刺激されて、局地的豪雨で河川が氾濫し、死者が出ている。一方、関東では梅雨明けのような日が続いている。このまま、梅雨が明けそうな雰囲気だ。梅雨で涼しいはずの窯焚きが、大型扇風機が大活躍の、暑くて熱くて大変な窯焚きになってしまった。

 

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1838 誰そ彼の初蜩や窯火燃ゆ

2017年07月07日 | 

(たそがれの はつひぐらしや かまびもゆ)

 昨日の朝9時、穴窯に92回目の火を入れた。3昼夜72時間の窯焚きである。そして夕暮の7時10分、初ヒグラシが鳴く。こんなことは、たぶん初めてだ。記録し始めてからまだ7年だが、温暖化の影響だろうか、確かに少し早まっている。

 ニイニイゼミが2,3日前から、そして昨日からヒグラシで、いよいよ本格的な夏の到来である。以下、7年間の初ヒグラシの鳴いた日 

2017、7、 6

2016、7、 4

2015、7、10

2014、7、10

2013、7、 7

2012、7,14

2011、7,13

ハギ(萩)

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1837   俎板も食器も白く更衣   洋子

2017年07月06日 | 

 更衣(ころもがえ)とは、字のごとく衣類を冬物から夏物に入れ替えることだが、その他の夏支度には色々ある。ちなみに「夏支度」という季語は、ないようだ。

 夏支度の中には、寝具、座布団の入れ替え、炬燵の片付け、最近は少ないだろうが襖の入れ替え、そして食器類がある。土鍋などを仕舞い、ガラス類を出し、作者は新しく白いプラスチックの俎板を買い替えたのであろう。

 最近の私は、百円ショップに売っている薄くペラペラの俎板を使っているが、実に安くて便利な「代物」である。

 

↑オカトラノ(岡虎の尾)        (ナデシコ(撫子)↓しっかり虫に食べられています

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1836   第250回  6月 岩戸句会

2017年07月05日 | 岩戸句会

父の日や本屋床屋と縄暖簾    豊春 

ビル谷間社を覆う夏木立

 

父の日の話も無くて八十路かな  侠心

ふうわりと鷺高く飛び梅雨真近

 

俎板も食器も白く更衣       洋子

美しき脚の増えゆく梅雨晴間

     

オリーブの花ほろほろと物忘れ  薪

雨降山威儀を正せる植田かな

  

梅雨晴間家中風の駆け抜ける   稱子 

天空の青より青し濃紫陽花

   

二百個のさくらんぼたべ姉逝かん 歩智

雨戸開くちょっと可愛い守宮落つ

    

パレットに額紫陽花を搾り出す  炎火

藪枯し鉄を手にした弥生人

      

サマードレス君の鎖骨に恋をして 海人

青嵐湖面に描く風の道

      

炎昼にうつらうつらと猫になる   清海

アジフライ美味しくなあれ小骨抜く

   

車窓より見える早苗に祖母思う  余白

幼柿保護色となり実り待つ    

 

山に住み都忘れの株増やす     雲水

伽羅蕗の黒きひかりや冷やし酒

シモツケ(下野)の紅白

オオバギボシ(大葉擬宝珠)

 

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