一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2163  草紅葉口紅つけぬ半年間     洋子

2020年10月23日 | 

  秋彼岸もとうに過ぎ、今日は二十四節気の霜降。霜が降りるにはちと早いが、いよいよ紅葉の季節が始まった。今年は、新型コロナウイルスに始まり、一年がコロナ・コロナで終わりそうだ。

 パンデミック、発熱、感染、PCR検査、擬陽性・偽陰性、マスク、アルコール消毒、三密、外出自粛、自宅待機、ソーシャルディスタンス、リモートワーク、テレワーク、休業要請、など様々な言葉が飛び交った。近頃は、go to travel 、go to eat、 go to 商店街、県別のgo to キャンペーンが花盛りだ。

 その中でも、典型的なものがマスクである。この句の、外出しないから口紅はいらない。外出してもマスクをするから口紅はいらないのである。

 紅葉の季節が始まり、作者は口紅をつけないこの半年間と言ったが、まだまだマスクは外せそうにない。これから冬に向かい、インフルエンザとコロナウィルスの混交感染が始まるからだ。

トウガラシ(唐辛子)

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2162  十月のさて鶯の狂い鳴き  雲水

2020年10月13日 | 

 この2,3日ウグイス(鶯)が、8月以来再び鳴いている。原因は、台風14号の接近に伴い、北風が吹いて、12~13度の低温が続いたのに、再び22~23度に上昇。だから鶯が「春が来た」と勘違いしたのではないだろうか。とても珍しい現象である。さすがに蝉は、死んでしまっているから鳴かない。

 そこで、草花はどうかと思い、庭を回ってみた。あった、あった、ハハコグサ(母子草)と白のシモツケ(下野)が可愛く咲いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑シモツケ(下野) ↓ハハコグサ(母子草)とホトトギス(杜鵑草)

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2161  雨の色陽の色加え初紅葉  雲水

2020年10月09日 | 

 今年の10月初旬、キブシ(木五倍子)の紅葉に気付いた。気付いたことも初めてのことである。桜や櫨よりも早く、キブシが紅葉したのだ。

 キブシは3月に、ヤシャブシ(夜叉五倍子)と共に、最も早く花が咲くから、とても目立つが、更に紅葉の楽しみも増えた。

 今年は梅雨が長く、その後の高温が長く続き、植物の生育がとても悪かったし、消滅したものも多かったから、得した気分である。

キブシ(木五倍子)、別名キフジ(木藤)とも

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2160  待つわなど軽く言ひしが秋の雨  さくら

2020年10月06日 | 

 秋彼岸が過ぎて、夏が終わった。これからは、一雨ごとに寒くなる。そして、室内の気温が18度を下回ると、薪ストーブを点けるのが、我が家の習わしである。

  それよりも、気掛かりなのが、昨日台風14号が発生したことだ。進路はまだ定かではないが、たぶん発達して関東方面に来るだろう。

 さてこの句、「1時間ほど遅れる」と言われ、何気なく「待つわ」と言ったものの、寒くさえ感じられる秋雨の中、どこで時間をつぶせば良いか、迷っている作者が目に浮かぶ。喫茶店とか図書館とか、デパート、まあ色々あるけれど、近くに適当なものがないのだろう。

タムラソウ(田村草)

 

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2159  ドーナツの穴から見える彼岸花  洋子  

2020年10月05日 | 

  人は見えないものを見るために、双眼鏡や天体望遠鏡、そして電子顕微鏡などを開発してきた。実際、遠方の銀河や極小のウィルスを見ることができたが、それは宇宙全体からすれば、ゼロに等しい。

 アメリカのトランプ、中国の習近平、ロシアのプーチン、トルコのエルドアン、北朝鮮の金正恩、ベラルーシのルカシェンコ・・・・・世界が良くなる可能性は、ゼロに等しい。

 さてこの句、お子さんか、お孫さんか、はたまたご本人か分からないが、ご本人だったら、猶更茶目っ気が感じられて可笑しい。観光地で顔を入れて写真を撮る、そんな光景も思い浮かぶ。

 ミスタードーナツ?のドーナツを、手に掲げてその穴から何かを見る。それが、彼岸花というのが実に可笑しい。記憶にはないが、私も子供の頃、そんなことをして親に叱られたことがあったかもしれない。食べ物で遊ぶことは、食べ物を粗末にしている、として叱責の理由になりそうだからである。 

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2158   第289回 岩戸句会 9月

2020年10月04日 | 岩戸句会

肴には古漬胡瓜月の庭       裕

山盛りの胡瓜漬け込む白き腕

 

草紅葉口紅つけぬ半年間      洋 子     

ドーナツの穴から見える彼岸花 

  

うろこ雲ガラスのビルをパッケージ 炎 火  

鶏頭の他にもいろいろ牛舎跡 

 

すれ違うたばこの香り鰯雲     余 白

神の手が水振りまいて秋はじめ

 

ガラス戸の逆さ懸垂いぼむしり   豊 春 

古鞄蟷螂這わす蚤の市

 

今年米片手でたりぬ配り先     歩 智

にぎやかにお墓の話敬老日

 

護摩をたく僧の緋ころも赤トンボ  稱 子

口笛の少年が吹く「里の秋」

 

翅畳み閑かな交尾秋の蝶      薪

谷筋に添う稔り田の黄金かな

 

松虫を夜風が闇に誘い入れ     沙 会

一望を一筆にする雨の秋

 

秋黴雨正体不明のもの怖し     凛

小鳥来る今も絵本の愛読者

 

待つわなど軽く言ひしが秋の雨   さくら

かと言って何事もなし敬老日

 

秋麗にFM熱海我が家から     一 煌 

敬老日孫の手型とひとり酒

 

朝は白徐徐に徐徐にと酔芙蓉    パ ピ

台風の目の中は静かだと言うが

 

菊活けて貴き一会とぞなりぬ    鞠

秋霖のこころ透きたることばかり

 

朝明の窓打つ風は秋の音      イ ヨ

雲の中見上げて寂し後の月

 

長雨が晴れて高まる秋の空     貴 美

秋霖や窓ふきその他あと回し

 

雨の色陽の色加え初紅葉      雲 水

イタリアンシェフ居酒屋で新さんま

ヤモリ(守宮、家守)

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2157  肴には古漬胡瓜月の庭  裕

2020年10月03日 | 

(さかなには ふるづけきゅうり つきのにわ) 

 肴(さかな)の語源は、室町時代にお酒のおかずを「酒菜(さかな)」と呼んだことに始まる。字だけが肴に変わった。あてがうが語源の「あて」、手でつまむが語源の「つまみ」と同義。

 「月の庭」は、中秋の名月の出ている庭のことで、夜とはいえ月光に照らされ秋草もはっきり見えるだろう。そんな庭のテーブルで、月を愛でながら酒を酌み交わすのである。

 この時期の肴には、芋名月とも呼ばれるから第一に里芋の衣被、芋茎(ずいき)、そして枝豆など。

魚は、秋刀魚、秋鯖、鰯、鮭などが旬である。ところが、作者はとりあえず古漬け胡瓜で一杯始めた。味のしっかり滲みた古漬け胡瓜は、歯ごたえもよろしく、実に美味い。

ツリガネニンジン(釣鐘人参)

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