一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1827   第249回 五月 岩戸句会

2017年05月31日 | 

雨蛙尿とばして田に帰る      鼓夢

渓谷の空より明けて山法師 

 

 

都市化するベッドタウンや雨蛙   炎火

風立ちて戦戦戦ぐ鯉幟

   

 

腕を組み悟りを開くか雨蛙     清海

はば海苔を干す手休めて道案内

 

 

寄せ返す悔いのごとしや赤潮は   薪

青蛙のぞいているよ子供部屋

 

 

朝凪や海神の町目覚めたる     海人

山若葉緑黄緑深緑

     

指先に雫の飾り雨蛙        美部

通り雨わらべ見守るアマガエル

 

はつかえるクックとのどを震わせて 歩智

ダービーや取らぬ狸の皮算用

    

病む脚を鍛え鍛えし樟落葉     豊春

百足追う小鳥戯れ舞跳ねる

   

野良着着て卯の花腐の合間待つ   洋子

ぱっちりと目を合せたり雨蛙

  

さぼてんの微醺一夜の命かな    侠心

いのち昇る高木の梢一葉まで 一

   

目に青葉雀飛び降るエサ台に    余白  

公園に箒目残し夏日待つ

 

烏城より望む家並桐の花      稱子

天空の青より青き濃紫陽花

 

バーボンの香り漂う青嵐      雲水

若葉影のこのこ狸とことこと

ニオイバンマツリ

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1826   古希近き甘夏を捥ぎカツサンド

2017年05月24日 | 

 蜜柑の木の寿命は80年くらいで、40年を過ぎると収穫量が減る、と言われている。今日の甘夏は、樹齢60年以上の大木で、実は沢山付いていたが、高さが5メートル以上あって、捥ぐのが大変だった。

 木に登って捥いで下に落とす男、高枝バサミで切る男、落ちた甘夏を拾い集める女達。高枝バサミの男が言った「お前は猿年か」木登りの男が答えた「いいえ、僕は虎年です」甘夏と木登りは同級生かもしれない。

ホオ(朴)の花

ハコネサンショウバラ(箱根山椒薔薇)

今日の収穫、甘夏

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1825   郭公や深き山にはあらねども

2017年05月21日 | 

 今朝、カッコーが鳴いた。ここに30年住んでいて初めての珍事である。中国では「郭公」、イギリスでは「cuckoo」、フランスでは「coucou」、ドイツでは「kuckuck」、オランダでは「koekoek」で、カッコーの名が鳴き声に由来するのは、世界共通のようだ。

 さて、カッコーは夏鳥で、5月頃大陸から飛来する。カッコ-は、体温調節ができず卵を温めることが苦手なので、オオヨシキリ、ホオジロ、モズ、オナガなどに托卵する。

また、カッコーがなぜカッコーと鳴くようになったのか・・・・・?

「あるとき母親が子供に「背中がかゆいので、かいてくれないか」と頼みました。子供は遊びに夢中で聞いてくれませんでした。母親はしかたなく川辺の岩で背中をこすっていましたが、あやまって川に落ち、死んでしまいました。子供はたいへんな親不孝をしたと悲しみ鳥になって、今も背中をかこう、かこう、カッコー、カッコーと鳴いている」という日本昔話があるそうです。

 コマドリと同様カッコーも、北へ移動する途中、ここに立ち寄っただけなのだろう。

クワ(桑)の花と実

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1824   忍び音や菜園日記付け始む

2017年05月18日 | 

  今日から我が家の菜園日記を付け始めた。もっと早く始めるべきだった。そこに、進軍ラッパのごとくホトトギスが鳴いた。今年のホトトギスの初鳴き(忍び音)を聞いたのである。

5月18日 黄菖蒲、ジャーマンアイリス、コウホネが咲き出した。  

紺のアヤメを花畑に、マムシグサをハナイカダのそばに植える。

ホスタジューン(ギボシ)を植木鉢から花畑に植える。

 ↑黄菖蒲(黄のアヤメはないそうです)

↑ジャーマンアイリス、↓コウホネ(河骨)

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1823   拾いたる青梅仕込み窯掃除

2017年05月16日 | 

  今日、窯焚きが近づいたので、穴窯を掃除していると、窯の中に黒々とした異様なものが・・・・・最初は二段目に発見、そして三段目に、なんと四段目にも・・・・これは絶対、昨日のタヌキの糞に違いない。三か所の糞は、柔らかく湿っているから最近のものに違いない。それにしても、量が半端ではない、すごい量なのだ。

 こんな快便タヌキの糞。これで相当の運が付いたはずだから、ジャンボ宝くじを買うぞ。きっと当たる。

我が家にやって来た、ナガミヒナゲシ(長実雛芥子)

( 旺盛な繁殖力と、日本の在来植物の成長を阻害し、生態系を破壊する危険外来植物)

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1822   若葉影のこのこ狸とことこと

2017年05月15日 | 

 家庭菜園にトマト2本、キュウリ2本、ナス2本植えた次の日、菜園の土を掘り返した形跡があった。掘り方が浅いし、野菜をひっくり返してはいないから、イノシシではないと分かる。カラスだろうか・・・・

そして今日、菜園の方角から庭へタヌキが走って来て、私の足元をすり抜けて行った。走り方にスピード感がなく、動物にしてはのろまである。建物の壁と庭木のすき間に入って、じっと動かない。そんな動作が面白く、愛嬌や親しみを感じる。土を掘り返したのは、タヌキに間違いなさそうだ。

↑地エビネ(海老根)と 黄エビネ↓

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1821   バーボンの香りほのかに青嵐

2017年05月13日 | 

 今日、ひと月余りかかった穴窯の焚口と煙突の修理が、ようやく終わった。めでたし、めでたし。窯の前を掃除して、作品棚を組み立てた。一息付いていると、友人が湯河原の豆腐屋の湯葉を持って来た。ありがたや、ありがたや。

 4時から、湯葉、新玉のマリネ、スペインのワイン、サラミ、ピスタッチオで一杯始めております。あなたもどうぞお出かけください、一緒に一杯やりましょう。

勿論、バーボンもあります。

タツナミソウ(立浪草)

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1820   硫黄噴く大涌谷の花馬酔木   薪

2017年05月08日 | 

 二年前の五月に、大涌谷で小規模噴火があり、六月には噴火警戒レベルが3に引き上げられた。3.11以降、日本列島が、地震と噴火の活動期に入ったらしい、と言われている。

 大涌谷は、熱海からわずか直線距離で十二キロほどだから、大規模噴火になれば火山灰や噴石が飛んで来る可能性もあるだろう。しかし、幸いにもその後活動は沈静化し、噴火警戒レベルが1に引き下げられたが、火口周辺の立入規制は解除されず継続している。

 箱根には、馬酔木の群落が各所にある。馬酔木の名は、「馬」が葉を食べれば毒に当たり、「酔」うが如くにふらつくようになるからであるとされている。

↑ウノハナ(卯の花)とヤマツツジ(山躑躅)↓

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1819   第248回 4月 岩戸句会

2017年05月07日 | 

硫黄噴く大涌谷の花馬酔木     薪

筍を抱けば赤子の湿りかな

 

竹の秋霧雨烟る無職かな      豊春

喧嘩止むしじまの部屋や百千鳥

 

さくら・やなぎ枝垂競ひて水面まで 侠心

散る花を追いて水鳥北帰行

 

君見えぬ桜ことしも咲きました   美部

くつ眺めオール漕ぐ花筏乱れ

 

大手毬青ざめて咲く今が好き    洋子 

くるくるとコーヒーまぜて花筏

 

春の夢家族揃いて旅に出る     章子

大ぶりに活けるも淋し残る花 

 

葉桜や真白きべべの宮参り     海人

波を読み捩じり鉢巻若布刈人 

 

手も口も休めず老婆蕗を摘む    歩智

櫻散る子供にかえり酒を酌む

 

悦びのひとつ桜の故郷に住む    稱子

里山の著莪の群生風渡る

    

境内の水有る所花筏        炎火

宇宙から花見を兼ねて生命体

  

鳥の恋枝しなわせて追いかけっこ  清海

むせかえり目にも鮮やか菜の花や

 

楽し気にサクラ見下ろす阿波踊り  余白

桜とは咲きて愛でられ散りて好き

 

桜より色濃き自転車漕ぐ少女    雲水

後ろ手に子を見守るや花の下

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1818   青鳩や女三人釉薬掛け

2017年05月04日 | 

(あおばとや おんなさんにん くすりかけ)

 青鳩が鳴き出した。最近は、「やよー、いやよー」と聞こえるようになった。キスされそうになった若い女性が、本心ではなくかすかに恥ずかしそうに抵抗しているような・・・・ 実際、鳴いているのはオスなのだが「いやよいやよも好きのうち」という私の、下司の想像である。

スノードロップガランサス、マツユキソウ待雪草とも

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