(ひいちにち いちにちいちにち はるのやま)
眠っていた山は活動を始めている。山の木々は蕾を膨らませているし、草々も芽吹いている。麓では鶯も鳴き始めたようだし、囀りも始まった。
諸行無常というけれど、確かに世の中に「常なるもの」はない。常に変化している。「春一番」「春雨」「木の芽」「初音」などあらゆる季語は、この世の常ならざる季節の変化を言葉にしたものだ。
それをこの句のように、時間としてこれでもかと繰り返されると、「恐れ入りました」と脱帽せざるを得ない。「刻一刻一刻一刻」では、せわしない。
フウセントウワタ