一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2285  蜩の魂に耳預けをり  釣舟

2022年08月31日 | 

(ひぐらしの たましいにみみ あずけおり)

  YouTubeで音楽を聞くと、必ずCMが流れる。しかし、YouTubePremium に加入すればCMをカットすることができる。以前は、著作権の問題でインターネットで音楽を聞くことができなかったが、最近は視聴者が多いと、一回0,1~0,3円のギャラが入るシステムに変わった。従ってミュージシャンは、CDを売るより、YouTubeにUpして視聴してもらう方が利益が多くなったのだ。これは私達視聴者にとっても好都合で、今ではあらゆるジャンルの音楽が自由に聞けるようになった。

  更に、自分の好きな音楽のミックスリストを作る事ができる。例えば、ジャズやクラシックなどジャンル別にいくつも作る事ができる。

  以前から気になっていた「ワイヤレス骨伝導イヤホン」 人の中で迷惑をかけずに音楽を聞くのに良いのではないか?買ってみた。利点は

➀左右のイヤホンが繋がっているので紛失しにくい。

➁bluetoothなので、スマホとはコードレス

③耳を塞がないので、周りの音が不便なく聞こえる。

➃草刈りなど屋外の仕事をしながら、好きな音楽が聞ける。便利なのもができました。

 

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2284  夏雲とゆらゆら電車語りけり   翠風

2022年08月16日 | 

 線路を走るものに、汽車、電車、ディーゼル車、そして客車、貨車、列車などがあり、俳句ではどれを選択するか、定型に収めるのに悩むことがある。

 さてこの句、多分廃線になりそうな田舎の単線路を、一両の電車、実際は多分ディーゼル車であろう、がゆらゆら走っている。電車そのものが揺らめいているのだろうし、蜃気楼のように大地が暖められ、空気が膨張し光の屈折によっても揺らめいているのであろう。

 この雲と電車が語っているという。「語りけり」と断定されると、「何を語っているんでしょう」と真剣に考えさせるところが、この句の面白いところ。語るはずがないがないじゃないか、などと言ったら身も蓋もありません。

ミント

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2283  テラスで新聞昇りくる尺取虫  蠍

2022年08月08日 | 

 この句、「テラスで新聞/昇りくる尺取り虫」で分けるが自然。そこで第一に、尺取虫の登っているのが、新聞か近くのテーブルか椅子か、それとも植木鉢の枝や葉かどうかも分からない。尺取虫は、天敵の野鳥やカマキリなどの昆虫から身を守るため、木の枝とそっくりに擬態したり、襲われた時に糸を出して蜘蛛のようにぶら下がり、難を逃れることが知られている。

第二に、新聞を読んでいるのが本人か第三者か分からない。つまり、状況としての背景が曖昧なのである。ということは、我々読者は、それぞれ自由に解釈する余地を残してくれている、と解釈すべきであろう。この余地が多いほど解釈や共感も多くなるのではないだろうか。

 何でもかんでも説明したくなるのが私たちの常ではあるが、この句のように何かを省略することによって、俳句に深みや奥行を持たせることができるのではないかと思う。俳句は短詩「省略の文学」と言われる所以である。

ミソハギ(禊萩)

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2282  日向水乳房あらわに洗ひをり  釣舟

2022年08月06日 | 

 文明開化が始まった頃、アメリカ人が人力車に乗り町を通ると、人家の庭で女性が行水をしていた、という。驚いたアメリカ人は「日本人はなんと野蛮な人種だ」と思ったが、車夫も通行人も誰も女性を見つめなかった。つまり、「女性をじっと見つめ、卑猥な心を持ったアメリカ人である私が野蛮で、日本人こそ道徳的である」という結論になったそうである。

そういえば、昭和30年代の私の子供の頃、農家のお婆さんが通学路でお尻を出しておしっこをしているのを見かけたことがある。そんな光景がよく見られたのだから、昭和初期頃まで夜這いや遊郭など、性も開放的かつ道徳的だったのかもしれない。

キンミズヒキ(金水引)

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2281  第311回 岩戸句会

2022年08月03日 | 岩戸句会

テラスで新聞昇りくる尺取虫      蠍

カクテルにストロー二本夏の宿

 

尺取虫急ぎ足するボンネット      吠冲

ゆあんゆおん蝉時雨の風やハンモック 

 

夏雲とゆらゆら電車語りけり       翠風

桜島噴火尺取り虫避難

 

片陰の若き鼾や道路工         マープル

食べおえしスイカの皮の化粧水 

 

先行きのことはさておき心天      凛

雨上がる虹を渡っておいでませ     

 

青田風山里暮らしの頬撫でる      豊狂

カタカナの賢治のポエム夏夕焼

 

さーらりと解く夏帯香わしや      黒薔薇

ウスバカゲロウ羽広げ天使的

  

朝の道夕べの道も蝉しぐれ       信天翁

帯なして故郷の山夕焼けて       

 

あさがおに直哉の想いのせて観る    船山

走湯山社紋神紋わが家紋        

 

朝顔を数えて今日の始まれり      おぼこ

叱咤激励手つなぎ散歩夏の夕

 

生ビールプリプリ蛸に誘われて      心

「意気地なし」昭和の歌謡酷暑かな    〃

 

紫蘇湯掻く酢とお見合いで赤くなり    流水

冷酒や烏賊はあぶって裂いて喰い     〃

 

着る気なく捨てる気もなく藍浴衣     さくら

忍び入るバネ仕掛けめく尺取虫       〃

 

夏の夢二万年後の哺乳類         ルパン

蝉時雨仏とけ仏とけ五三八さん

   

白南風の波高なりて小舟舞う       歩智男

熱海では知らぬ人なしジャカランタ

  

赤トンボ命受け継ぎ悠々と        淡泊

どぜう喰いに出れば仲見世供養雨

 

閑けさや内耳に止まぬニイニイ蝉     釣舟

碧空に遊びて戻る土瓶割          〃

 

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2280  尺取虫急ぎ足するボンネット  吠冲

2022年08月02日 | 

 尺取虫は、天敵の野鳥やカマキリなどの昆虫から身を守るため、木の枝とそっくりに擬態したり、襲われた時に糸を出してぶら下がることが知られている。そこで、車のボンネットに落ちたらさあ大変。ボンネットが太陽に熱せられていたら、あっという間に干からびてしまうだろう。

 この句の場合、それほど熱くないようだからなんとかなりそうだが、とりあえず鉄板の上を急いで走る他に尺取虫に生き抜く術はない。しかし、これからどうやって近くの植物にたどり着くのだろうか。

人間の作り出した様々な構造物は、尺取虫のような小さな虫たちにとっては、地獄と死を意味している。

ハギ(萩)

 

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