一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1152   お正月雑魚寝の中に猫二匹   炎火

2014年01月31日 | 

(おしょうがつ ざこねのなかに ねこにひき)

 本来の「雑魚寝」とは、大勢の男女が一堂に集まって,雑魚(ざこ)のように入りまじって寝る風習を言うそうである。年越しの夜,宵宮(よみや)や季節の変り目の行事におけるお籠りの際に行われた。有名な京都大原の雑魚寝は,江文神社の拝殿で、かつては節分の夜に行われたそうである。吉井勇の随筆「雑魚寝」が、失われてしまった雑魚寝の風習を語っていて面白い。

 この句の雑魚寝は、子供、孫たちが集まっての雑魚寝であろう。その中の猫二匹である。気になるのは、そろそろ猫発情の季節であるからだが、たぶん去勢避妊済みの猫で心配は御無用であろう。

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1151  懇ろに磨きし墓の注連飾り  歩智

2014年01月30日 | 新年

(ねんごろに みがきしはかの しめかざり)

 私は知らないが、「お墓に注連飾りを飾る」という風習は、少数だがあるらしい。中には、鏡餅を供えることもあるという。

 お墓は仏教、注連飾りは神道だが、まあ、あんまり細かいことを言わないで大まかに、大らかに行きましょう。何せ、外国の文化を何でも上手に取り入れて、自分のものに消化してしまう日本人ですから、神さま仏さまにキリストさま、そしてモハメッドさまも入れてあげて、仲良く暮らしたらよろしい。但し、自爆テロまで伝道されては困ります。

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1150  湯の町の路地は寂れて蜜柑売る    薪

2014年01月29日 | 

(ゆのまちの ろじはさびれて みかんうる)

  実際、日本中の町が、特に旧商店街が寂れている。原因は、郊外に続々と上場企業の大規模店舗ができているからだ。駐車場が広く、品揃いが豊富で、かつ値段が安いから、周辺の町からも人々が集まり、大盛況だ。

反対に、駅前商店街は閑散として客が来ないから、小売店は閉店に追い込まれている。いわゆるシャッター通りである。旧商店街の活性化に成功している例も報告されてはいるが、たぶん焼け石に水、時代の流れには逆らえない。

 温泉街も同様で、老舗旅館が次々と大手に買収されている。買収されるのはまだ良い方で、小旅館はそのまま空き家になって朽ちかけている。

 そんな路地に無人の200円蜜柑がビニールに入れられて売られている。ところが、聞くところによると、夕方回収に行ったら、コイン入れに全くお金がなくて、蜜柑も無くなっていることもしばしばらしい。

路地が寂れて、人の心も寂れている。うー、さびー。

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1149  第209回 1月 岩戸句会 

2014年01月28日 | 岩戸句会

寒林をけものの如く突き進む     豊春 

寒林を透けて現る大甍

 

湯の町の路地は寂れて蜜柑売る    薪

初買は遠近両用眼鏡かな

 

ねんごろにみがきし墓のしめかざり  歩智

きのうより長いぞ今朝の霜柱

 

お正月雑魚寝の中に猫二匹      炎火

正月やグローバル化のスポンサー

 

炭はぜる音に親しむ夕べかな     稱子

小春日や時計の音とまどろみと

 

掻かされし家内の背中大寒し     遊石

羽子板の音はすべてをぬぐいさり

 

元朝や仮なる命夢幻なり       章子

大寒や連れ戻したし魂を

 

冬椿活けるつめたさ寒の入      一煌

大寒やかげの花さく雪道に

 

北風吹くや表日本は真澄み空     洋子

大寒や凛と寄り添う盲導犬

 

特養の入居叶いて今朝の寒      余白

        

春を待つおいらは末期高齢者     雲水

大寒や胸を開けし観世音

 

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1148   寒林をけものの如く突き進む   豊春

2014年01月27日 | 

  「けもの」とは、「獣、毛物」と書く。「けだもの」も同義だが、時代や地域によって、意味が異なるようだ。ここでは、毛の生えている野生の哺乳動物、狐、狸、鹿などであるが、特に熊や猪ぐらいにしておく。兎や鼬(いたち)では、小さすぎて作者に申し訳ない。

 私の周りには、ほとんど毎日15キロ歩く女性がいる。又、毎朝数キロ歩く人々もいる。作者もその一人で、リハビリのために歩いているから、心の入れようが違う。だから、このような激しい句ができるのだろう。

 私も毎朝、犬に曳かれて歩いているが、怠け者だから、たぶん犬がいなければ歩かないだろう。しかし、どんなに寒い朝でも、帰ってくれば必ず汗を掻いている。だから、「散歩は、百薬の長」と言えるかもしれない。

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1147   大雪の空がこのまま抜けるかと   咲子

2014年01月25日 | 

「抜ける」という言葉は、用法が沢山あって結構難しい。この句の場合、「抜けるような青空」の用法とは、余程意味が違うだろう。

 たぶん「空が抜け落ちそうだ、落ちてきそうだ」と言う意味ではないのか。そうだとすれば、地球上には、全天に空があり、雨の空、曇り空、晴れの空、そして雪の空があるから、作者は、今私に降っている大雪の空だけが抜け落ちるのではないか、と表現したかったのだろう。

 つまり、読者に「地球上の全天のイメージ」が必要なのであって、ないと「抜けるかと」が理解できないかもしれない。「落ちるかと」より、余程面白い、と思う。

うっすらと、この冬初の冠雪でした

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1146  風花す一片の雲見えざるに    龍彦

2014年01月24日 | 

  風花(かざはな)とは、晴れて日に当たりながら風に乗って、ひらひら雪片が舞うこと。山の向こうに降っている雪が風に乗って、晴れているこちら側に飛ばされて来ることもあるそうな。

 単なる雪片を「風の花」と名付けた古代人?昔の人に乾杯。そう言えば、桜の花びらだって、近くに桜の木がないのに舞い落ちてくることがある。

 何?「札束が舞い落ちてこないか」だって? 美しい日本語の話をシテイル時に、何という下世話な話を・・・・・と上品ぶっても、札束が降ってきて欲しいのは、私も同じでござんす。

メジロとエナガ

 

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1145   IH火なき火加減おでん煮る   理恵

2014年01月22日 | 

陶器を作っていて、窯焚きの燃料費を安い順に言うと、灯油窯→ガス窯→電気窯→薪窯だと思っていた。

  しかし、家庭の煮炊き・風呂・冷暖房などの燃費は、IHクッキング、深夜電力のエコキュートが、どうやら一番安いらしい。これから先の燃費予測がどうなるのか不透明だが、今のところエコキュートが増えていることは確かだし、私のようなボケ予備軍の老人には、火災の心配がないからお勧めである。

 但し、IHの火のない鍋料理など、私には味気なくていくら安全ではあっても、当分は使う気になれないだろう。

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1144   春を待つあたしゃ末期高齢者   かつ

2014年01月21日 | 

「末期高齢者」なんて分類があるんですね、知らなかった。そこで、参考までに調べてみると

幼児0~5歳、児童6~18歳、少年6~20歳、青年18~40歳、壮年25~44歳、中年40~60歳、熟年45~65歳、前期高齢者65~74歳、後期高齢者75歳以上、末期高齢者85歳以上、超高齢者100歳以上

 いづれにしても、これらの年齢区分は曖昧で、日本人でもよく分からない。この句の作者がそこのところを分かっているのかどうか疑問ですが、「あたしゃ」と断言しているし、お名前からも85歳以上のお方と解釈して良さそうです。

 どうぞ、長生きして超高齢者になられるよう、お祈り致します。えっ、[美人薄命でそんなに長生きできそうにない]ですって???????

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1143   散骨の決意の鈍る冬怒涛   洋

2014年01月20日 | 

 お骨の埋葬方法として、するしないは別にして「海に散骨」は、第一人気かもしれない。墓石の代わりに木を植える「樹木葬」も散骨に近く、自然に帰るのだから人気があるらしい。お寺や霊園墓地の埋葬は、少子化による後継ぎ問題があって、たぶん減る一方だろう。

 まだ一般的ではない散骨を希望しても、解決すべき問題は沢山ある。まず第一に、具体的にどんな葬儀を出してもらいたいのかを決めねばならない。お寺との相談も必要だし、現在ある墓地をどうするのか。散骨するお骨をどこで粉砕するのか。誰に船を出してもらうのか。費用はどうなのか・・・・・

  決意した作者が、冬の怒涛を見て決意が揺らぐのは、そういった煩わしい問題を全て片づけねばならないからだ。決意は簡単だが、自分が葬儀を実行する訳ではないのだから尚更難しいのである。

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1142   御仏はみな甲高や冬木の芽   陽子

2014年01月19日 | 

(みほとけは みなこうだかや ふゆきのめ)

 「甲高」とは、①声が高音であること。②足の甲が高いこと。この句の場合は、②で、日本人は、欧米人より足の幅が広く、足の甲が高いそうである。だからと言って、甲が高すぎると(ハイアーチ)、タコやウオノメができやすいそうだからご注意を。

この句の作者によると、日本の仏像の足は、皆甲高だそうである。インドから中国,朝鮮から渡来した仏教と仏像彫刻。作者の「みな甲高や」という, 仏像研究の専門家でなければ絶対に気づかないであろう断定的表現に, 私は驚いたのである。

頼朝・政子の腰掛石(伊豆山神社)

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1141   木津川やほつたらかしのお茶の花   玉藻

2014年01月18日 | 

 お茶の産地ではなくとも、日本全国の農家の庭や畑の境界などには、お茶の木が植えられている。いわゆる自家消費のお茶の木である。

 ところが最近、我が家の近在でも、手入れされていないお茶の木が目立つようになってきた。この句の「木津川」は宇治に近く、高級茶となり得る地域での「ほったらかし」なのだ。

 お茶の木の年間管理の手間暇を考えると、結局買った方が安い・・・という結論になるのだろう。「危険」「汚い」「きつい」の3Kに「暗い」「臭い」が加わった5Kが、若者に嫌われている。更に農家の高齢化が加わり、人間に最も大事な、命を守る日本の農業が危ない。

 

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1140   寒の海一メートルの月出づる

2014年01月17日 | 

 昨日は、新暦の1月16日。旧暦の12月16日。ほぼ満月で、正に触るるばかりの月が水平線から上がって来た。上がりきってしばらくしてから「あの月、直径何センチに見える?」と、突然ある女が皆に言った。

 「月の直径はおよそ数千キロで、距離は数十万キロ離れているから、小さく見えるし、月の出の時大きく見えたり、空の真上で小さく見えたりするのは、大気によって光の屈折率が変化するからだし・・・・・」と言っている私は、全く無視されてしまった。

「三センチ!」「何言ってるんだ、50センチはあるよ」「私には1メートルに見えるわ」「いやー、15センチぐらいだ」

面白がって答えるみんなの数字の違いに驚き、一変に私の興味が移った。「彼らは一体、何を基準に答えているのだろうか」という問題である。

日頃、寸法に関わる仕事をしている例えば設計士のような人は、どう答えるだろうか。大きく答える人と小さく答える人と、性格的違いがあるのではないか。

 ところが、ここにいる10人の間では、性別や年齢の問題でも、性格の問題でも、職業の問題でもなさそうで、共通点を見つけたり分類はできそうもなかった。

これは、全国的に呼びかけて、データーを集める以外ない、という結論に達した。

そこでお願いですが、明日海から上がる月を見る会を催し、何センチに見えるか、なるべく沢山のデータを送ってください。是非是非お願い致します。

 

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1139  夜の地震に牛総立ちの寒牧舎   俊尾

2014年01月16日 | 

(よのないに  うしそうだちの かんぼくしゃ)

  犬が地震に敏感なのは知っていたが、あの大きな牛もそうなのだ。当然と言えば当然のこと。震度4以上の地震だろうが、大きな牛舎で2~300頭の牛が一斉に立ち上がったら、きっと地響きが起こるに違いない。たぶん牛舎は平屋建てで、大地震でも倒壊の心配はないだろうから、それがせめてもの救いだ。

 それにしても、震度7クラスの巨大地震がいつくるか。伊豆半島は地震の巣だし、万全の対策が必要なのだが・・・・・

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1138 新春参禅会のご案内

2014年01月15日 | 催しのお知らせ

  達磨大師から脈々と続く正しい法(真理)を、今に引き継ぐ総裁老師に、人間形成のための個人指導を受けます。まさに「禅」の醍醐味を味わうことが出来ます。新春、新たな気持ちで、さあ、あなたもご一緒に「禅」の世界を旅してみませんか。

日 程      2014年1月31日(金)19時 結制茶礼~ 2月2日(日)正午 円了茶礼

会  場  神奈川県三浦郡葉山町堀内1968    (イエズス孝女会葉山修道院 カンディダマリアハウス,(旧東伏見宮別邸) ( JR横須賀線逗子駅 山手回りバス 6っ目「向原」下車バス停隣)

参加費2000円、宿泊費500円(泊数に関わらず)、食事費300円(1食あたり)懇親会費3000円、講演会のみ参加1000円

 内 容    坐禅と参禅・(初心者に坐禅指導いたします)・楽しい懇親会

               講演会 2月1日(土)14時から 

          講師 大島龍穏氏(日蓮宗僧侶・元神奈川県警捜査一課刑事)

お申込み・問合せ 小林(☎080・5299・8511)又はmarin-kobayashi@ai.tnc.ne.jp

主 催  人間禅壮年部・京浜禅会

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