一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1715   合歓の花うれしき今日は花ざかり   舜臣

2016年07月29日 | 

 7月24日のNHK「日曜美術館」で、朝の連ドラ「とと姉ちゃん」の編集長のモデルになった「花森安治」を紹介していた。当時、花森安治の「暮しの手帖」の表紙絵に惹かれたという、終戦後の混乱に生きた少女・太田治子さんが登場した。

 彼女の書斎であろう、色紙に書かれた掲句が書棚に飾られていたのである。色紙は、中国人?とは思えない実に下手糞な字ではあり、俳句も平凡であったが、何か惹かれるものがあった。

 どんな嬉しいことがあったのか分からないが、俳句は、これでいい。勝手に推測すれば、太田治子さんは、「坪内譲治文学賞」を受賞しているから、その時に陳舜臣からその色紙を貰ったのかもしれない。

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1714   ただ歩くことの幸せ玉の汗   さくら

2016年07月28日 | 

 仏教では、人間には「生老病死」という四苦があるといわれているが、現代のように生活が豊かになり、物が溢れた飽食の時代になると、生を苦しみと感じないかもしれない。

 しかし、老いて病にでもなれば、今までのように目をそむけている訳にはいかない。死がすぐそこに差し迫っていると思うからだ。

 だからこそ、怪我や病気から回復したりすると、日常の何でもないことさえ、唯々有り難く幸せに感じることができるようになる。

老いたからこそ感じる幸せもある。ということは、老いも捨てたものではない。

ハス(蓮)

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1713   梅雨明けを初みんみんのファンファーレ

2016年07月25日 | 

  今日初めて秋の蝉ミンミンゼミが鳴いた。昔から「ミンミンゼミが鳴くと梅雨が明ける」と言われているそうである。立秋まであと12日なのだが、ようやく猛暑・炎天・油照り・熱帯夜がやって来る。そういう酷暑が来ないと、秋が来ないのだ。

私の所では、ミンミンゼミは、ツクツクホウシと共に秋の蝉の代表である。ヒグラシは、歳時記では秋の蝉になっているが、梅雨入り前後に鳴き始めるから、アブラゼミやクマゼミと共に、絶対に夏の蝉である。

 それにしても、過密都市「東京」の水ガメが渇水らしい。このまま梅雨が明けたらどうなるやら。新都知事の初仕事は、災害対策や待機児童、老人対策、オリンピックなどではなく、差し迫っている渇水対策かもしれない。

ヒオウギ(檜扇)のお母さん

数年前から、たった一株のヒオウギが毎年咲いている。

去年、種を採って撒いたら、3株芽が出てきた。その苗を今日植えた。

「お母さん、子供たちが三人も来ましたよ。」

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1712   霧雨の山に籠りて大暑の日

2016年07月22日 | 

 

今日は、二十四節気の一つ「大暑」。ところが、唯今の外気温は、17度。オホーツク海から湿った空気が流れ込んだ影響らしく、終日霧雨で梅雨寒どころではない。但し、最近でも2015年、2012年も同様だったから、特別驚くべきことではないだろう。

 こんな日は、NHKプレミアムで4月に放映した「レ・タンブル」の録音を聞くのが良い。古楽器のバイオリン、ビオラ・ダ・ガンバ、チェンバロ、オルガンのバロックアンサンブルが素晴らしく、特に、水内謙一君のリコーダーの音色が、私は好きだ。

クワの実

養蚕の桑の実は、別名「マルベリー」と呼ばれ、ラズベリーを思わせる赤や黒紫色をしており、甘みと酸味のバランスがよく体によい成分を含むそうです。

 

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1711   対岸は梅雨の明けない友の町

2016年07月19日 | 

  昨日、気象庁によると、「本日、平成28年7月18日、九州から東海地方にかけて梅雨が明けた」そうである。(平成と書いたのは、あと1,2年で元号が変わるかも知れないから・・・・・)

 さて、我が熱海市は静岡県であり、千歳川を隔てて神奈川県湯河原町と接している。つまり東海に属する熱海市は梅雨が明けたが、関東に属する湯河原町は開けていないことになる。

 そこで、友人に電話した。「俺んとこは梅雨が明けたぞ。お前んとこは、まだらしいな。」「目と鼻の距離なのにな」

 そして今日の「ひるおび」の森さんによると、関東の梅雨明けは、あと1週間ほど遅れる、という。

追記 19日の東海地方の梅雨明け宣言から、ずーっと雨が続いている。箱根、伊豆半島の東に位置する熱海は、やはり関東に入れるべきかもしれない。

ヤブカンゾウ(藪萱草)

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1710   屍の役で重なり汗匂ふ   醇子

2016年07月18日 | 

(しかばねの やくでかさなり あせにおう)

 近年、世界各地でテロが頻発しているが、先週のバングラデシュのダッカ、フランスのニースでのテロ事件は、世界中を震撼させた。又、イギリスのEU離脱も難民問題が大きく影響を与えている。

 IS(イスラム国)ができたのは、アメリカブッシュ大統領のイラク侵攻が根本原因である。地球の反対側まで行って、なんとか静かにしていたイラク・シリアをグチャグチャにした。武器を売りつけ、内戦を起こさせ、多くの難民を生みだしたのだ。

 アメリカやEU諸国が、ISを壊滅できたとしても、テロは絶対に無くならないだろう。家族を殺され、家を壊され、仕事を失った数百万人以上の憎しみがあるからだ。ニースの花火大会に大型トラックが突っ込むテロ殺戮など、日本でもいつ起きてもおかしくない事件なのだから。

さてこの句、実際の戦争ではなく、舞台の上の話で本当に良かった。

数輪残してほとんど開いた。香りがすごい。

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1709   かはたれの山百合確と開き初む

2016年07月15日 | 

(かはたれの やまゆりしかと ひらきそむ) 

 昨日の予測が当たって、早朝4時には、4輪が開き始めていた。山百合の4本にそれぞれ8輪の蕾があって、4本のそれぞれに1輪づつ開いていたというのが、実に面白い。山百合君は、実に律儀なのである。ヤマちゃんも、ほんとに有難う。

 かはたれ(彼は誰)は元々、彼が誰か訊かなければ判らない、薄暗い朝方や夕方を指していた。しかし、後には朝方に限定し、たそがれ(誰そ彼、黄昏)が夕方を指す、と区別して使われるようになった。(ウィキペディアより)

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1708   山雀が揺らす山百合開くかに

2016年07月14日 | 

 ヤマガラの嘴の下から胸のあたりの黒斑が、個体によって様々であることが分かって来た。形も大きさもそれぞれ。オスメスはまだ全く分からない。四角や三角、短冊形などがあり、煤けて黒くなったクロちゃんのように、黒斑のないのもいる。性格も、大胆な奴、臆病な奴と色々。

 写真に撮るのは至難の技だが、至近で撮れるようになって来たから、根気よく続ければ、かなり識別できそうだ。だからこのブログも、テラスの餌のすぐそばで打っている。十数羽の識別ができたら、楽しいだろうなあ。

さて、バッタの子供に新芽を齧られてはいるが、山百合がそろそろ開きそうである。

右側短冊

小三角

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒斑なし(クロちゃん)

左にも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中三角(大三角もいる)

 

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1707   来世はありやなしやの蝉の声

2016年07月12日 | 

 昨日、若い頃は美しかったであろう、上品なおばあさまの来客があった。85才というが、60才台にしか見えなかった。さて、彼女の言葉を要約すると、

 「私の夫は、35才で亡くなりました。病気で死を覚悟したらしく、真顔で『あの世で会おう』と言いました。あれから50年。二人の子もそれなりに暮らしていますから安心しています。私も、いよいよあの世に行く年齢に近づきました。死ぬのは怖くないけれど、あの世で夫に会えるかしら。会えたとしても、若い夫は、こんなおばあちゃんになった私に、がっかりしないかしら、と心配です。」

ハギ(萩)

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1706   朝焼けや薬缶沸き立つ時がきて

2016年07月11日 | 

 昨日、薪ストーブの煙突の中でガリガリ音がした。以前にも同じことがあったから、どうやら野鳥に間違いなかった。2階の屋根まで突き抜けた煙突は、直径15センチ、およそ7メートルある。しばらく音を聞いていたが、煙突に入り込んで出られなくなったらしい。そこで、全ての窓を開け放しておき、煙突を外して隙間を作り逃がした。黒く煤けたヤマガラだった。

  さて私は、一日一回必ず、ドクダミ、ヨモギ、ビワの葉、スギナ、アシタバの5種類入った野草茶を煎じる。沸騰してから、弱火で10分ほど煮出す。

  その沸かしている間に、ヤマガラに餌を上げるのが、最近の日課になった。その中に、今年生まれたらしい子供達が10羽ほどいて、その中で一番人を恐れないのが、なんと昨日ストーブに入って黒ずんだ例のヤマガラだったのである。私は、「クロちゃん」と名付けた。

ネムノキ(合歓の木)

303回に書いた、脅しが効いて咲き出したネムノキが、見上げる大きさになりました。

大きすぎて、花が見えるのは、花が散った時。

 

 

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1705   夏の月昔骨壺今は蛸壷

2016年07月09日 | 

(なつのつき むかしこつつぼ いまはたこつぼ) 

 芭蕉の「笈の小文」に、「たこつぼやはかなき夢を夏の月」、という須磨を訪れた時の句がある。「 平家物語」の舞台でもあった須磨・明石に、人間と蛸の運命のはかなさを詠っている。

 さて、卑近であるが私の夢は、墓地を整理して、全ての骨を海に投げ入れ、たぶん蛸の住処になるであろう空になった骨壺も投げ入れることである。空しい夏の夢に終わるかもしれないが・・・・・さて、メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」でも、聞いてみるか・・・・・

ホタルブクロ(蛍袋)

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1704   詩も川も臍も胡瓜も曲りけり   閒石

2016年07月07日 | 

(しもかわも へそもきゅうりも まがりけり) 

 「菜園の胡瓜、どういう訳か皆曲がっている。このご時世、お前たちは世間では売り物にならないのだよ。無人スタンドで、まあ良くて一山100円だね。

 そういう私も、お前同様臍曲がりの人生だったなあ、勿論俳句も同様だった。俳句界に埋没するような月並みの句を嫌ったのさ。

 さて、塩もみ、酢漬け、一夜漬け。それとも、磨った大蒜と生姜、唐辛子をどっさり味噌に入れ、口がひん曲がるように辛くして、生噛りにでもするか。それが、お前と俺に一番ふさわしい」・・・・・と作者が言ったかどうか、私は知らない.

ハンゲショウ(半夏生、半化粧)、カタシログサ(片白草)とも

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1703   白玉の霧を捕らえし蜘蛛の網

2016年07月06日 | 

 どんな蜘蛛も必ず糸は出すが、およそ半々で網を張る蜘蛛と張らない蜘蛛がいるという。砂漠、高山、森林、草原、湿地、海岸どんな所にもいて、蜘蛛は実に生命力が強いらしい。網を張る沖縄のオオジョロウグモ(大女郎蜘蛛)は、なっなんと燕や山雀を捕食するそうですぞ。蜘蛛の巣を見て、「こいつら、いつ獲物にありつけるのか、可哀想に」などとついつい思ってしまうが、とんでもない。

 但し、霧の濃い日は、蜘蛛にとって最悪。張った網が、全て水滴で見えてしまうからだ。腹をすかせてじっと晴れるのを待つしかない。

↑キンシバイ(金糸梅)、ムラサキシキブ(紫式部)↓

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1702   声去りて初蜩の夢うつつ

2016年07月05日 | 

(こえさりて はつひぐらしの ゆめうつつ)

昨日の夕方、初蜩の声を聞く・・・・・今の声は、本当に蜩だっただろうか。「自信がない」が、私の確信である。

 ところで、1999年、新人の松坂(西武)が、イチロー(オリックス)との初対決で、いきなり3打席連続三振を奪った。19才の松坂は、ヒーローインタビューで「今日で自信が確信に変わりました」と言った。野球の才能もすごいが、文学的才能もすごい。「こいつに俳句をやらせたらきっとすごいだろう」と、私はその時思った。

追記、今朝、蜩の声を間違いなく、私は聞いた。確信となった。

以下、6年間の初蜩(初蝉でもある)を聞いた日。

2016、7、 4

2015、7、10

2014、7、10

2013、7、 7

2012、7,14

2011、7,13

オオバギボシ(大葉擬宝珠)

 

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1701   荒梅雨やゴキブリホイホイ建ち上がる   薪

2016年07月01日 | 

 アース製薬の「ゴキブリホイホイ」の年間売上高は、40億円もあるらしい。ゴキブリ対策には、他に「ブラックキャップ」やスプレータイプなど色々ある。

「ホイホイ」は簡単に組み立てできて、香りで引き寄せ、粘着剤で捕まえる。つまり、殺虫剤や毒薬を使っていないのが利点だろう。前にもブログにも書いたから、今回はゴキブリについては省略。

ショウブ(菖蒲)

 

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