一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1874   たおやかに紫式部揺れるのみ    洋子

2017年10月29日 | 

 日々の平凡な生活の中にも、人には様々な楽しみや喜びがある一方、病気や老いなどの様々な苦しみや悩みもあるだろう。

 そういう人間の意識界の喜怒哀楽とは全く異なる、動植物の無意識界がある。花が開くとき蝶が舞うように、自然界は人間のように計らいがない。金も欲しがらないし、愛も妬みも、つまり喜怒哀楽もない。あるがままにひたすら生きているだけだ。

 人間界に生きている作者は、ムラサキシキブの美しい実が、風に揺れる様を見て、自然界のありのままの姿に感動しているに違いない。それは、下五の「のみ」に現われている。たおやか(嫋やか)とは、姿・形・動作がしなやかでやさしいさま。

 この句から、どういう訳か私は、ドイツの作家レマルクの小説『西部戦線異状なし』を思い出してしまった。

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1873   園丁の鋏にくづれ秋の薔薇   佳津

2017年10月26日 | 

 「園丁えんてい」とは、庭園の草木を管理する庭師。全国各地には、桜、梅を始め、菜の花、ツツジ、牡丹、藤、芝桜、バラ、カキツバタ、アジサイ、ヒマワリ、コスモス、チューリップなど、沢山の観光スポットがあって話題になっている。バラ園も人気の一つだ。

草花を数万本も植えた大庭園では、花が終わって色が悪くなると、美観を守るために大事な花摘み作業があるが、人手も多く必要だし手間のかかる大変な作業だ。

クサギ(臭木)

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1872   さやけしや八十路の坂をさっと越え   沙会

2017年10月24日 | 

 「さやけし」(清けし)は、「爽やか」と同様、気持ちよく清々しい気候や心もちをいう言葉で、秋の季語。又、「八十路」は、80才になったという意味で、80~89才の80代を指す言葉ではない。句会で、ほとんどが80代と勘違いしていた。

 つまり「八十路の坂を越える」とは、80年生きてきて80才になった、越えたという意味。最近の80代は、実に元気。「60代なんかは子供」と笑われてしまう。

サンショウ(山椒)の実

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1872   吹かれきし野分の蜂に刺されけり   立子

2017年10月22日 | 

 925から935hPaに気圧が多少上がったとはいえ、依然超大型で非常に強い台風21号。今夜にも静岡市から伊豆半島あたりに上陸する見込み。おーこわ。

  午後3時現在、どういう訳か風雨が治まっている。東風が南風に変わったせいのようだ。合羽を着て外に出てみると、庭は青落葉で地面が見えないくらい。

  それにしてもこの句。飛ばされて制御を失い驚いている蜂と、刺されて悲鳴を上げている作者が目に浮かぶ。こんなこともあるんだなあと、作者に同情しながらも妙に納得です。

ダイモンジソウ(大文字草)

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1871   報道と選挙台風危険です

2017年10月20日 | 

 台風21号が接近中。日曜から月曜に掛けて伊豆半島を通過する模様。今日は、嵐の前の静けさで、時々日も差している。嵐の前の静けさと言えば、北朝鮮。

 先日もテニスの合宿があったが、アメリカが攻撃するか、攻撃しないで意見が分かれた。あと三日と衆議院選挙の投票日が近いのに、選挙は一切話題に上らず。

 さて、衆議院選挙の投票率は、昭和42年73,99%から平成26年の52,66%と下がり続けている。マスコミも投票に行くように呼び掛けているが・・・・

 お前ら馬鹿か。お前らが出口調査や電話アンケートで全選挙区の当選予測をやるからじゃないか。外れればいいが、ほとんどの予測が当たってしまう。自民公明圧勝などとやられたら、「私の一票、どうせ行ったって、たった一票、焼け石に水でどうにもならない」と諦めてしまい、投票に行かなくなるからじゃないか。

 投票率を下げているのは、マスコミである。有権者が約1億人で、4800万人棄権させていることを自覚していないマスコミ連中の責任は大きい。法律で選挙予測を禁止すべきである。

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1870   水澄みて深きに籠る目高かな

2017年10月17日 | 

 今年も、ようやくトンボが飛ばなくなったので、目高鉢と金魚鉢の掃除をした。いやあ驚いた、いたいた、ヤゴ(水蠆)がなんと30匹余りも。放っておいたら目高が全滅するところだった。

 水がきれいになって、目高が深く潜り、物の陰に隠れるようになったのは、底に溜まっていた彼等の糞や汚物が無くなったからだが、敵に発見されないように警戒しているからでもある。

ツワブキ(石蕗、艶蕗)

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1869   そぞろ寒野良猫休む薪の上

2017年10月13日 | 

 寒波がシベリアから下りて来たらしい。我が家の外気温は、昨日の22度から、唯今12度に。勿論、ストーブを焚いている。

 朝、薪を取りに行ったら、猫が逃げて行った。最近現れた、まだ子供の野良猫である。たぶん捨てられて、山中で必死に生き延びて来たのだろう。オスメスが分からないし、人間を見ると逃げるから、飼う訳にもいかない。

 最も困るのは、ヒマワリの餌台に集まる山雀を狙うこと。うーむ、やはり居つかないように追い払うしかないようである。

ジョロウグモ(女郎蜘蛛)

庭を歩けば、女郎蜘蛛の巣に囚われるから、必ず竹を持って出かける。

ざっと2,30はあるが、邪魔になるところだけ巣を取ることにしている。

彼女達も必死に生きているのだ。

 

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1868   日本語の「レアアース」は俳句に埋まっているみたい  蛙声爺

2017年10月10日 | 投稿

秋は果物、読書、もの思い、恋、もしかして少しでも齧(かじ)った人なら俳句?今朝そんな感じで知り合いの俳人のブログを訪れました。

『白と黄の塩辛とんぼ臀呫飛ぶ』 (一韶)

 そこで最初に目に入ったのが「臀呫」という漢字でした。もちろんそのままでは爺も何と読むのか分かりませんでしたが、句の下に解説文があり、「となめ」とあって救われた次第です。トンボのオスとメスが交尾して輪を作り飛んでいる様子をいうのだとか。たしかに子どもの頃山野で何度も目にした光景です。「臀」がお尻なので何となく納得です。この「呫」は「なめる」では出てこない漢字で「ちょう」だと環境依存であらわれます。ちなみに漢和辞典にはちゃんと載っていました。

 それはさておき、この一句だけでかなりの時間、「あそべ」ました(^^♪

 で、あらためて思ったのです。俳句の世界には、美しい日本語、不思議な漢字、そしてクイズ並みの読み方など、言ってみれば「レアアース」的な言葉が埋まっていると。俳諧は基本的に特定の結社の中で育まれ、その中で競い合い、それぞれが味わう形になっているような気がします。そう理解すると、どんな当て字にも難読漢字にもフリガナが付かない不思議さにも納得がいきます。

 じつは爺も冒頭の彼の結社の会合に参加したことがあります。当時は4巻にも及ぶ「歳時記」まで買ったものです。しかしその奥深さに感動しておののき、短時日で小説だけのいまの世界に戻りました。

 俳句は、『言葉のデザイン』(彼)、そして「17文字の奇跡」(爺)です。 

 ただ、鑑賞の仕方は人それぞれでいいと思います。楽しみ方といってもいいですよね。爺はどうしても文字自体に興味が湧いてしまいます。句評はとてものこと無理だからです。

 次の一句でも遊ばせてもらいました。ただしこれは秋の花ではありません。

 『梔子の白を盗みし女かな』 (一韶)

 どんな女なのでしょう。解説によれば、作者が近くに居たのに、バイクで走ってきて断りもなしに手折って去ったという女です。

 わたしは「解説」を無視して「女」を想像したいと思いました。実際が何か寂しい、トゲトゲしい行為だからです。爺が好きな言葉があります。『花泥棒が許されるのは若くてきれいな女性だけである』、もちろん許すのは花の主です。裁判所的に面倒な言い方をしてみれば、「窃盗罪の構成要件に該当はするが、可罰的違法性がない」となりましょうか。

 できれば想像どおりの女性で、若くして病死した妹さんが大好きだった花だった、とかね。妄想です。

 そうそう、ついでに見つけた言葉がきれいだったのでご紹介します。花つながりです。美人のまぶたを「花瞼」(かけん)というそうな。それこそ目から鱗(うろこ)でした。

 じつは爺、この「梔子」の読み「くちなし」を思い出すのに「なんだっけ?」と20秒以上かかってしまいました。脳に記銘する力だけではなく、思い出す力も弱っているのでした。かなりショックでした。 

 俳句に出てくる当て字のような漢字でも、たびたび出てくるとお馴染みさんになります。「蜩」(ひぐらし)、「百舌」(もず)、「土竜」(もぐら)、「土筆」(つくし)などです。そう考えると結社の中では、季語で毎年出てくるこれらの漢字について仮名を振る必要がないというのもうなずけます。「辛夷」(こぶし)、「柳葉魚」(ししゃも)なんかも、結社の人には軽いのではないでしょうか。

 秋ですから、俳句を自分で創ったり、人様の作品に触れたりしてみませんか。

ブログ「蛙声爺の言葉の楽園」より

 

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1868   月を待つ天に偽りなきものと

2017年10月08日 | 

 10月7日の夜、熱海市制80周年を記念して、 熱海芸術祭のイベントがサンビーチ、レインボーデッキで行われた 

①  舞踊 熱海芸妓組合、長唄一調一管 『仙境』、舞踊 常盤津 『四季の山姥』

能 『羽衣』、能舞 『月の道』

②  ジャズピアニスト山下洋輔カルテットのライブ

③  レーザー&スーパーライトショー

新南田ゆり(ソプラノ):フランス国際声楽コンクール優勝

田中拓也(アルトサックス):日本管打楽器コンクール第1位 

 今年の居待月は、時々雲間から垣間見るほどだったが、風もなく寒くも暑くもなく実に快適で、多くの市民と観光客で賑わった。

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1867   立話一抜け二抜け秋日影   さくら

2017年10月07日 | 

 10月7日の午後1時頃、ツクツクホウシが遠くで鳴いた。たぶん今年最後の蝉となるだろう。そして、木々の上では、アオマツムシが鳴いている。夜ともなれば、空から降るごとく大合唱だ。中国原産の外来種だから大迷惑と思っていたが、虫に難癖付けても仕方ないので受け入れることにした。

 先祖が中国でも、日本生まれの日本育ちなんだから、アオマツムシ君、どうぞ大いに鳴いて下さい。そして日本の秋を楽しんでください。私も楽しむことにします。

キチジョウソウ(吉祥草)

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1866   水流の梨に至りて滴れり   秋子

2017年10月06日 | 

 日本の梨の生産量は、31万t。1位千葉県4万t、2位茨城県3.2万t、3位福島県2.5万t、4位栃木県2万トン、と上位を関東が独占している。

 梨は、疲労回復、咳止め、解熱、消化促進、高血圧予防に良いとされている。水分が88パーセントで、ビタミン類は余り含まれていないとか。

 さて、梨を切って、滴る水の来し方を作者は想像する。雨が降り、せせらぎとなり、地下水となって、梨の木が水を吸い上げるのだ。ついでに行く末も想像すれば、食べて胃袋に入った水分は、川から海に注ぎ、大海の一滴となり、再び蒸発して雨になるのであろう。

スイフヨウ(酔芙蓉)

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1865   花野行く自然治癒力信じつつ    洋子

2017年10月05日 | 

 自然治癒力とは、人間・動物などの心身全体が生まれながらにして持っている、怪我や病気を治す力・機能を広くまとめて指す。手術を施したり、人工的な薬物を投与したりしなくても治る機能のこと。「自己治癒力」とも呼ばれる。(ウィキペディア)

  しかしながら、現代人は病気や怪我をすると、直ぐ病院に行き手術や薬に頼るが、野生動物は、じっとして自然治癒を待っている。私達も最後は、生物のもっている自然治癒力を信じることが、幸せにつながるのではないだろうか。 この句からは、そんな前向きの明るさと花野という美しい景色が見えてくる。

スイフヨウ(酔芙蓉)

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1864   イヤホンのパーシーフェイス今日の月   炎火

2017年10月04日 | 

 ムードミュージックのオーケストラを調べてみた。ムードミュージックは、弦楽器を中心にした音楽で「ストリングス」と呼ばれている。

パーシーフェイスをはじめ、マントバーニ、フランク・プールセル、レイモン・ルフェーブル、ポールモーリアなど、あるある。ピアノのリチャード・クレイダーマンなどを加えると、世界に有名なオーケストラは20はありそうだ。

 作者が、どんな曲を聞いていたか知らないが、「パーシーフェイス・ムーンリバー」で検索したらやはりあった。お陰で今、「ミックスリスト - Moon River - Percy Faith Orchestra全30曲」を聞いている。炎火さん有難う。お気に入りリストにもいれました。皆さんも、以下をクリックしてyoutubeで聞いてみて下さい。

パーシーフェイス・ムーンリバー

ちなみに、今日は十五夜だから月見で一杯。満月は2日後だから3日連続に・・・・・なりそう

 

イヌタデ(犬蓼)、(アカノママ、アカマンマとも)

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1862   第253回 9月 岩戸句会

2017年10月03日 | 岩戸句会

核怖し赤く尖って唐辛子      薪

癒え兆し爪切る音の秋天へ 

 

畑隅の自ずと生れし唐辛子     豊春

山霧の洋館前のワンピース

      

花野行く自然治癒力信じつつ    洋子

秋刀魚焼く母の晩年満ち足りて 

 

イヤホンのパーシーフェイス秋の月 炎火

目の子算十匹までの赤とんぼ

  

秋麗や三年振りのタキシード    海人

子の残す秋刀魚のわたの苦きこと

   

口にも降臨島とうがらし台風    美部

我ならん干からび光る唐辛子

  

鮮やかな赤にうつろう唐辛子    清海 

おろし添え小ぶりな身なり初秋刀魚

   

林立のクレーン串刺し秋の雲    歩智

秋雨や半島おもくなりにけり

 

終り無き鎮魂の夏や七十年     侠心

薬研堀その名残れる七味かな

 

とろどりのコスモス柔き風の中   稱子 

どんと買う秋の味覚や道の駅

 

住職も塔婆も変わり秋の暮     沙会

鳥の声物音までも秋澄めり

 

立話一抜け二抜け秋日影       さくら

家路へのメロディ沁みる秋時雨

 

ボトルより飲む名水や銀河濃し    貞次

心音の乱れ無き夜の鉦叩き

 

一滴のレモン汁効き今朝の秋     佳津

白木槿咲き継ぐ郷を思ひつつ

 

きりぎりす地蔵の鼻をつかみ鳴く  雲水

山雀の争う貌や秋の暮       〃

シュウメイギク(秋明菊)

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1861   核怖し赤く尖って唐辛子   薪

2017年10月02日 | 

 北朝鮮の核爆弾とミサイルの開発を進める暴力団組長金正恩の暴走が、日本の安全を脅かしている。不安以上の恐怖を感じる日本国民は、増々右傾化し軍備拡張を支持するようになるだろう。但し・・・

 アメリカは、第二次世界大戦以後も朝鮮半島・ベトナム・アフガニスタン・イラクなど次々と他国へ軍事介入し、殺戮を繰り返してきた。この歴史的事実を見れば、次が北朝鮮であるに違いない、と誰でも思うはずだ。

 日本に真珠湾攻撃をさせたのと同様、トランプとペンタゴンと軍需産業は、北朝鮮を挑発して暴走させ、国際社会から正義という大義を得て、北朝鮮軍を殲滅するまで攻撃するだろう。

 最悪の場合、韓国だけでなく、アメリカに加担する日本にも、何発かの核ミサイルが飛んできて、大きな被害が及ぶことを覚悟しなければならない。

ヨメナ(嫁菜)でしょうか?

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