一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

541  春荒れや尊徳永久に書を読める

2012年03月31日 | 

(はるあれや そんとくとわに しょをよめる) 

  二宮尊徳は、天明7年~安政3年の江戸幕府末期の人。全国には、二宮尊徳を祀るいくつかの神社があり、小中学校を中心に相当数の尊徳像がある。帝国主義の明治政府が、軍国少年少女を生産するための道具として全国にばらまいたのであろう。

 しかし太平洋戦争、敗戦後となっては、あんな銅像で子供たち全員に勉学の重要性を説くことは、到底できるはずがない。

 だからだろう、少年時の私は、書を読みながら歩く尊徳の像や大人の訓示的押し付けに、少なからず反感を感じた、と記憶している。 

 勉学に向く子は、ほっておいても勉学をするはずだし、向かない子はどんなことがあってもするはずがない。日本も早く画一的教育から、個性を見極めての個別教育に変えた方が良い。

レンギョウ(連翹) モクセイ科レンギョウ属

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540  百の窓ぽつりぽつりと春灯

2012年03月30日 | 

 (ひゃくのまど ぽつりぽつりと はるともし)

 ある時、日本の分譲型集合住宅をマンションと言ったところ、イギリス人女性から本来の意味について釘を刺されたことがあった。つまりイギリスやアメリカでは、広大な敷地に建つ大邸宅をマンションと言うのだそうである。

 日本人は、マンションやレジデンス、ハイツ、ビラ(別荘)、シャトー(大邸宅)などの外国語を無節操に平気で使う。名前で高級感を出そうという経済至上主義的下心から生まれていて、それが一般化してしまったのだ。日本人として恥ずかしい限りである。

 さて、熱海にはマンションが多い。ほとんどが別荘や投資目的らしく、土日でもほとんど使われていない。100戸のうち、せいぜい数戸の灯りがついているだけである。

 中古マンションの中には、バブル期に設定された高い管理費が払えないのか、タダ同然で売りに出されているものもあるとか。値下がりしている今が買い時だそうである。

先日、根府川の道端に咲いていました。

スミレでしょうか?

典型的なタチツボスミレでした

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539  朝桜なまあたたかき犬の糞

2012年03月29日 | 

(あさざくら なまあたたかき いぬのふん)

 街中に住む姉の家にしばらく遊んだ時、犬の散歩は私の日課となった。街中の散歩に欠かせないのは、ビニール袋である。糞の始末がマナーであるから。

 ビニール袋をひっくり返して手を入れ、湯気立っている犬の糞をつかむ。しかし、あの温度と柔らかさが、なんとも気持ち悪いのだ。

 私の場合はというと、犬は山を自由に走り回っているから、犬の糞は片付けずそのままである。犬は、アスファルトやコンクリートには糞をしない。必ず山中の草の上でするのであり、それが本来の犬の姿ではないかと、思う。

小田原市早川の「おかめ桜」です。

緋寒桜も色々あって、何がどうやら素人にはさっぱり分りません。

いくらバイオ技術があるからって、園芸家の皆さん、

お願いですからそんなにどんどん新品種を作らないでください。

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538  佐保姫はゆるり絵具を溶いてをり   流星

2012年03月28日 | 

(さほひめは ゆるりえのぐを といており)

 佐保姫とは、奈良・平城京の東の佐保山(現在の奈良県法華寺町法華町)に宿ると考えられている女神のこと。白く柔らかな春霞の衣をまとう若々しい女神と考えられているそうである。

冬の白黒の世界に、総天然色の色を描いてゆくのが、春の佐保姫。今まさに絵具を溶いて準備中という。

そして、先日からは、 佐保姫はゆるり絵具を散らしをり

そして今は、佐保姫は急ぎ絵具を撒いてをり

ちなみに、東・春の佐保姫、南・夏の筒姫、西・秋の竜田姫、北・冬のうつ田姫、の女神がそれぞれにおわすそうです。

キブシ(木五倍子)

 

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537  春の夜スカイツリーに大騒ぎ

2012年03月27日 | 

 5月開業に向けて、スカイツリーの点灯実験が行われたとか。それを喜び、感動している多くの人々。それはそれで、平和な光景ではある。科学技術の粋を集めた、日本の誇る塔かもしれない。

 しかし、よく考えてみれば、永久にスカイツリーが立ち続けるのはあり得ないのであって、いつか必ずゴミとなって廃棄しなければならないのである。

 私は、将来のスカイツリーが東日本大震災の瓦礫とイメージが重なってしまい、素直に喜ぶことができない。

 

紅梅(湯河原幕山梅園)

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536  おぼろ月あれあのほらそのなんだっけ

2012年03月26日 | 

 年を取っても、ボケずに元気でいたい、と誰でも思うだろうが、どっこいそうは問屋が卸さない。どだい、人の名前が出て来ない。

 話が跳ぶと、何故この話をしていたのか、すぐ前に話していたことが、思い浮かばない。そんなこと、数え上げたら切りがないほどある。それで井戸端会議でやっているんだから。

 そこにお花見の酒でも入ったら、もう訳の分かんないドンチャン騒ぎです。

スズラン(鈴蘭)

 

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535  降ればこそ無闇矢鱈の春子かな

2012年03月25日 | 

(ふればこそ むやみやたらの はるごかな)

 山では、ヤシャブシ、キブシが咲き出した。ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、ナズナも咲いている。町に下りると、ユキヤナギも。今日は、旧暦の3月4日。桃が咲き出しても不思議ではない時候だ。

 さて、雨の少ない冬場に干乾びていた榾木が、先日の春雨に濡れて一気に椎茸が出て来た。雨が椎茸の成長を一挙に。秋の季語の椎茸だが、春の方が沢山出るようだ。春の椎茸を「春子・はるご」という。

クリスマスローズ

クリスマスに咲かず、今頃咲いている

 

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534  草萌や強く握れば冷たき手

2012年03月24日 | 

 テニスでは、試合終了後必ず握手するのがマナーである。大接戦で負けて、どんなに悔しくてぶんなぐりたくとも、ぐっとこらえて握手しなければならない。そんな時は、わざと強く握る。

 「issyoさんの手、冷たいね」と言われることがある。『心が熱いからね』

逆に、私よりも更に冷たい手の人もいる。勿論そのことは言わない。

 陶芸も手が冷たい方が良い。何故なら手の熱い人は、制作中の粘土が早く乾いてヒビが入ってしまうことがあるからだ。

バイモ(貝母)、アミガサユリ

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533  夜の梅ヘップバーンのムーンリバー

2012年03月23日 | 

  今朝のNHKラジオ深夜便で、フランク・シナトラが「ムーンリバー」を歌っていた。そして思い出した。シナトラより、映画の中で歌っていたオードリー・ヘップバーンの方が、はるかにうまい。

しばしば俳優の歌は、下手だけれどうまい。どういうわけか味がある。理由はさっぱり分からない。

 しかしながら、その映画の題名もストーリーも忘れてしまっているのに、彼女が、窓辺でギターを抱えて歌っているシーンだけは鮮明に覚えているのは、一体どういうわけだ。

 というわけで、3時に起きて、インターネットで調べたら、映画は、トルーマン・カポーティー原作、「ティファニーで朝食を」だった。歌は、ヘンリーマンシーニ作曲、ジョニー・マーサー作詞。チョー有名な映画でした。

オードリーのムーンリバー ←聞きたい方はクリックして下さい。

又、とてもいい解説がありましたので、以下をご覧下さい

http://blog.goo.ne.jp/wakorie/e/24d9bd4697c9f258856b34225193c25d

アンディ・ウィリアムスもサラ・ブライトマンも、映画の中で歌うオードリーにはかなわない。

 

ゼンマイも出始めました

ぜんまいののの字ばかりの寂光土  茅舎

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532  菜の花や沖行く船に明日は乗る

2012年03月22日 | 

 熱海から、見える島は、初島、大島、利島、新島である。初島は静岡県熱海市であるが、それ以外は、東京都だ。

 初島には、エクシブ初島という会員制のリゾートホテルがあって、会員のテニス仲間と時々利用する。

「明日から、しばらく海外旅行に行って来ます」

「えっ、いいなあ、どちらへ」

「はい、初島へ」

というわけです。車よりも船の方が、旅行気分に浸れるから、不思議ですね。  

アセビ(馬酔木)

 

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531  痩せ蛙にて合戦に挑みおり

2012年03月21日 | 

(やせがえるにて かっせんにいどみおり)

 2,3日前に冬眠から覚めたばかりのガマガエルたち。正式にはヒキガエル(蟇蛙)。友人の池に大集合して交みあっていた。これを蛙合戦という。

 前足の指が4本、後ろ足の指が5本なのだが、交尾期にメスをしっかり捕まえるためのイボが後ろ足に出来るのを指が6本と勘違いして、油売りの口上にもあるが、「四六(しろく)のガマ」と呼んだそうである。オスに掴まれて身動きできず、溺れて死ぬ悲しいメスもいるそうである。

 組んず解れつ(くんずほぐれつ)という諺があるが、この場合は「組んで解れず」で、正に壮絶な命の戦いが行われていたのだ。そこで思い出すのが、

 痩せ蛙負けるな一茶ここにあり

一茶のおふざけが面白い。

ヒキガエル(蟇蛙)  只今合戦中

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530  はぐれたる車と電話花見行 

2012年03月20日 | 

 車2台以上で旅行に行くとなると、次の待ち合わせ場所をきちんと決めておかないと、はぐれたら探すのが大変。

  決めておいても慣れない旅先でのこと。うろうろ探して貴重な時間を無駄にする羽目になる。そこで、車のアンテナに赤いビニールテープをひらひらさせたりしているのをよく見かけた。

  しかし、それはもう昔のこと。今では、一人一台の携帯電話時代だから、目的地まで相手のことを気遣わず走ることができる。

 携帯どころか今ではカーナビなどというものまである。便利な時代になったものだ。

 現在の日本の携帯電話が1億2千万台だそうだ。赤ん坊や幼児が持っている訳がないから、不思議だ。

 携帯を2台以上持って、仕事用、プライベート用、家庭用、浮気用などと使い分けているのだろう。それ以外にも、カーナビ用、パソコン用など色々あるようだ。

中国の携帯が、なんと9億台を越えたそうだ。これも驚き。

菜の花

ナノハナという植物はないから、たぶんアブラナ?or西洋アブラナ?

他にも、黄色に咲くアブラナ科のものは、いろいろあるらしい。

 

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529  気に入らぬ茶碗売れけり菜種梅雨

2012年03月19日 | 

(きにいらぬ ちゃわんうれけり なたねつゆ)

  一窯で数百個焼けば、ヒビが入ったりして売り物にならないものも当然出る。また、傷はなくとも気に入らないものもある。

 ところが、そういう茶碗でお茶を出したら、どうしても欲しいと懇願されることがあるから、世の中面白い。喜ぶべきか悲しむべきか、この人は、「ひとめぼれ」と「あばたもえくぼ」が重なってしまったのだ。

  あとで返品されるのではないか、と心配になるが、今のところそういう例はない。つまりそれは、私が気に入らないだけのことなのだ。何事も好みは十人十色。

自分の好みや価値観ほど当てにならないものはない。

ジンチョウゲ(沈丁花)

 

 

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528  疎みたる母によく似て卒業す

2012年03月18日 | 

 (うとみたる ははによくにて そつぎょうす)

 NHKの連続ドラマ「カーネーション」もそろそろ終わりだ。尾野真千子ちゃんも良かったが、夏木マリの糸子を、あと半年くらい見てみたい気がする。

 さて、優子の娘里香が母親を嫌って、東京から糸子の岸和田にやってきた。親を疎ましいと思ったりするのは、反抗期と同様、成長期に見られる兆候で気にすることはない。こういう子は、将来立派に成長するはずだ。

 ところで、母親を嫌っている娘に向って、「そう言うけど、君はお母さんにそっくりだよ」なんて言ったら、娘はカンカンに怒って、もう二度と口を聞いてくれなくなるから、ここは俳句だけに留めておいた方が良いと思うよ。

クロッカス

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527  CDを買っては飽きて卒業す

2012年03月17日 | 

 先月、友人に頼まれたハワイアンのCDを買おうと、ガイドブックに載っているホノルルのCDショップを探したが、既に無くなっていた。

 つまり、レコードからテープへ、テープからCDへ、そして今やインターネットでダウンロードし、HDやSDカードに保存する時代になったからだ。そして、CDショップは販売不振になり、倒産したのだろう。早晩日本も、本屋同様CDショップもそのうち無くなるかもしれない。

 戦後の、この4,50年を見ていると、世界の音楽業界を支えてきたのは、たぶん20代を中心とした若者達だった。いつの時代も兎に角若者は、音楽をよく買うのである。

 「えっ、今でもよく買うんですか、AKB48ですって!!お若いですねえ」 

 

先日、河津桜を見に行って来ました。満開でした。

混むのを避けて、朝7時には着いたので、

ほとんど人がいませんでした。

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