歳時記に、「敷松葉」という季語はあるが、独立した「枯松葉」という季語はない。したがって、この句の季語は「枯」である。又、「名の木枯る」という季語があるが、よく知られている木の名を冠して、「欅枯る」などと使う。但し「枯れ松」などと使うと、「枯れてしまった松」になってしまうので注意が必要。
さて、私はこの句から、沼津の千本松原の道路を想像したが、芭蕉の「笈日記」に
ごを焼いて手拭あぶる寒さかな (注「ご」とは枯松葉のこと)
という季重ねの句があるが、芭蕉がこの句を聞いたら、きっと驚くだろうねえ。