一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

3065  長き足折り曲げ潜む冬の蜘蛛  豊狂

2024年12月02日 | 

 蜘蛛は糸を出して網を張ると思われているが、実際は糸を張る蜘蛛と張らない蜘蛛はほぼ同数だそうである。この句の蜘蛛は、間違いなくアシダカグモ(足高蜘蛛)、又はコアシダカグモである。イエグモ、ヌスットコブ(盗人蜘蛛)、軍曹などとも呼ばれる。亜熱帯起源のこの蜘蛛は、日中は物陰などに潜み、夜になると隠れた場所から這い出る。そして天井・障子・壁などで脚を広げて静止し、接近してきた昆虫(ゴキブリ・ハエ・ガ・カ・ハサミムシなど)を捕食する。人間への攻撃性はなく、網で家屋を汚すなどの実害もないので、むしろ保護すべき小動物である。
 私も、母から「この蜘蛛は害虫を食べてくれるから、殺してはいけない」と言われていた。実際、薪の隙間など狭いところにこの蜘蛛を見つけると、まん丸に固まって動かない。いわゆる擬死(死んだふり)である。
 さて、作者に「蜘蛛俳句の豊狂」、という称号を贈りたいと思うが、迷惑だろうか。

ハクサイ(白菜)

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