(もずたかね こくほうりっしょう あんこくろん)
平清盛(1118~1181)が武士政権を起こし、朝廷にまで権勢を誇った平家時代は、壇ノ浦の戦いによって25年の短命に終わった。替わったのは、源頼朝の起こした鎌倉政権であったが、源氏も滅ぼされ、北条氏に取って替わられた。
鴨長明の「方丈記」によると、鎌倉幕府が成立するまでに、京都では様々な自然災害や大火があった。
1177年 京都の大火 (安元3年4月28日)
1180年 京都の竜巻 (治承4年)
1180年 福原遷都 (治承4年)
1181~1182年 養和の飢饉 (養和年間)
1185年 京都の地震 (元暦2年7月9日)
1185 頼朝により鎌倉幕府が開かれた。(文治元年)
そういった社会不安の中から鎌倉幕府が誕生し、「鎌倉新仏教」と称する仏教が勃興したのだ。法然(浄土宗)・親鸞(浄土真宗)・栄西(臨済宗)・道元(曹洞宗)・日蓮(日蓮宗)・一遍(時宗)によって始められた六宗である。
北条政権になってから、室町幕府が成立する1336年(建武3年)までの、鎌倉時代150年間も、地震・暴風雨・飢饉・疫病などの災害が相次いだ。当時鎌倉にいた日蓮は、執権北条時頼に「立正安国論」を提出した。しかし、時頼から「政治批判」と見なされて、翌年に日蓮は伊豆国に流罪となった。市川の中山法華経寺には、国宝の「立正安国論」がある。
鴨長明 1155~1216
親鸞 1173~1263
道元 1200~1253
日蓮 1222~1282
一遍 1234~1289
さて、現今の日本では、2025年問題などと、世界規模での危機意識を煽っている人々がいるようだが、自民党政権による政治の腐敗と堕落、日本の経済的没落のこの30年を鑑みると、あながち荒唐無稽とは言えない。
社会不安は第一に、(地震、風水害、気候変動、食糧危機)など、政府が関与しても修復できないような大規模な自然災害から始まるのが常である。社会の不安から混乱へ、治安が悪化し、内乱や戦争に発展する危機を孕んでいる。
食用菊(もってのほか)