春一番坂ジグザグに郵便夫 鼓夢
光る風土留めの杭の新しさ
出席の返事すぐ出す春の虹 洋子
牡丹雪感激詩的俳句的
春耕や烟のように灰を撒く 薪
春の陽にふわり苗床蒸しあがる
忘れ癖互いに笑ふ日向ぼこ 稱子
漆黒の箱根連山春の月
武士の黒き具足に梅一枝 正太
慈母となれ狂気孕みし春の猫
古稀すぎてバレンタインのチョコ四つ 歩智
梅三分咲きましたよと見舞状
うかれ猫ハードロックの夕べ哉 炎火
梅の山ナップザックの色の列
石仏の眉に冬日やガンダーラ 侠心
薄氷割りて漱ぐや川の水
春めける女となりて座りをり 雲水
退屈な犬がをりけり百千鳥