「諦める」とは、明らかにすること。どんなに悲しいことでも、腹立たしいことでも、事実ならば事実として受容することである。諦観とは、物事の本質を見極めることであり、悟ることである。
冬銀河地球は塵の一つなり 海人
「盤石劫(ばんじゃくこう)」という言葉がある。本州くらいの大きな石を、百年に一度柔らかい布でこすって無くなるまでの時間が一劫。それが百千万憶劫あるという宇宙から見れば、地球なんて塵のごとし、正に人間の命なんて実に儚い。
寒卵割って朝から頑張るぞ 清海
だからこそ、今日の決して帰って来ない時間を、そして命を大事にしたいものである。今月、句友狭心さんが逝ってしまった。倒れてからわずか一ト月であった。ほとんど苦しまなかったようだし、羨ましいような良い死に方だった。悲しいし淋しいが、笑って送り出そうと思う。
狭心さん
憎めなき粋に洒脱に氏の逝けり 稱子
冬夕焼悟空となりて天を駆く 雲水