一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2271  今宵も雨ながめせしまの小町の忌  鯨児

2022年05月28日 | 

 (こよいもあめ ながめせしまの こまちのき) 

 世界三大美女に数えられている小野小町。平安時代9世紀の女流歌人としても有名であるが、出生、死亡等は一切不明である。しかしどういう訳か、旧暦3月18日が忌日とされている。日本各地に「小野小町」があり、それぞれ小町の出生地、生活した地、墓地(17か所)があり我が町こそ本命などと主張している。小町の代表歌

花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせし間に 『古今集』『小倉百人一首』

(桜の花が長雨に打たれて色褪せてしまったように、私の美貌もぼんやり暮らしているうちにみっともなく老けてしまった)

この歌からイメージされたのであろう。能や歌舞伎、ミュージカル、アニメの演目、小説の題材などに幅広く使われている。特に、死体が朽ちてゆく経過を9段階に分けて描いている「九相図、九想図」に「小野小町九相図」があり、現存している。

ノゲシ(野芥子)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2270  春眠や目覚めよ畑が待っている  洋子  

2022年05月27日 | 

  春の畑は、堆肥などの肥料の投入、春耕、種蒔き、苗作り、支柱立て等々、やるべきことが山ほどある。我が家の猫の額のような菜園でも、小松菜・チンゲン菜・ルッコラ、ニラなどの葉物野菜、アスパラ、ジャガイモ、キュウリ、トマト等の夏野菜、唐辛子、ししとう、ピーマンなどいずれも少量ながら多品種と欲ばっている。農家ではないとしても作者も同様であろう。

「春眠暁を覚えず」などとのんびり寝ている暇などないのだ、と思いつつも半覚醒の夢の中で、我が身を叱咤激励しているのであろう。

ヒナゲシ(雛罌粟)、虞美人草、ポピー、コクリコ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2269  戛々といくさ近づく春の果  雲水

2022年05月21日 | 

(かつかつと いくさちかづく はるのはて)

 いったい、これから世界はどうなるのか? 新型コロナ、医療逼迫、格差拡大、社会不安、デフレ、低賃金、自殺、子供たちの未来、人間社会の未来、ウクライナ、シリア、ミャンマー、アフガン、イエメン情勢、予期せぬ大洪水、首都直下地震、東南海地震などの自然災害、どれを取っても明るい材料はない。

 近代の人間は、生物兵器、原子爆弾、大陸間弾道ミサイル、戦車、AI、ドローンなど、様々な殺戮武器を開発してきた。しかし、そういう高度な科学技術を獲得しながら、戦争を回避する思想と方法には極めて無能無策である。

 最近の日本政府は、アメリカに加担し、ウクライナへの軍事援助やロシアへの経済制裁に協力している。又、中国、ロシア、北朝鮮を仮想敵国として、防衛予算を増やし、敵基地攻撃能力、防衛能力の強化に注力している。

 しかし日本は、中国やロシアと比べてあまりにも国土が小さいから、例えば日本の54基の原発にミサイルを落とされれば、あっという間に死の国土になってしまう。政権の無駄な計らいによって、戦争という亡国に近づいているような気がしてならない。

ハルジオン(春紫菀)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2268   第308回 4月 岩戸句会

2022年05月16日 | 岩戸句会

久かたの七尾の今朝の新樹道      凛

囀りやエリちゃんカズちゃんトモコちゃん

 

春眠や目覚めよ畑が待っている     洋子

秘めやかに山にとけこむ藤の花

 

光風や手から離れし赤風船       鯨児

今宵も雨ながめせしまの小町の忌   

 

薄氷に時流れゆく青き空        一煌

相模湾大きすぎたる春の月

 

ゾヨゾヨと覗いてるよな空豆の花    さくら

街並の朧々の小糠雨         

 

ミニスカの足の白さや春の果      豊春

目の前を過ぎる燕の白き腹 

 

寒戻る真白き峰と青空と        沙会

主なき家跡に散る桜かな       

 

ぶり返す寒さしのぐや中華そば     余白

街路樹と庭木の花の鑑賞会

 

こでまりや右へ左へ遊ぶ風       光子

れんげ草花かんむりのお姫様     

 

箱根山楚々としている豆桜       鞠

釈迦堂も摩崖仏にも花まつり     

 

夕ぐれて行く春慕う風の音       イヨ

常ならば山のあること春霞      

 

囀りや透き通った海に献茶       黄玉

東寺や夜桜心に光りけり    

 

クリームパンとろりと割れば春の果   薪 

二分の一カットキャベツの薹立ちぬ

 

ロキソニン腰に四枚山笑う       炎火 

往く春にハービーマンはいかが哉

  

海胆割って潮で洗ってスプーン     雲水

いつもの林道ふらふら歩き春惜しむ

コマツヨイグサ(小待宵草)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2267  囀りやエリちゃんカズちゃんトモコちゃん  凛

2022年05月13日 | 

 この句の上五の季語「囀り」は、春の子育て真っ最中の、様々なオスの野鳥たちの囀りである。しかし、エリちゃんもカズちゃんもトモコちゃんも、人間の女性であろう。

 ということは、野外ではオスの野鳥がやかましいくらい囀り、室内では女性三人がやかましく囀っている。ということになる。

 実は以前私は、「囀りやヤマちゃんシジュちゃんメジロちゃん  雲水」という句を作ったことがある。囀っているのは、あくまで本物の野鳥で、山雀、四十雀、目白のことであった。しかし人によっては、ヤマちゃんとシジュちゃんの意味は分からなかったかもしれない。

 そこで考えた。どちらが面白いだろうか。判断はそれぞれあるだろうが、私の軍配は、おふざけの上手いリンちゃんに上がった。

友人が日本蜜蜂の巣箱を持ってきた。

春になって、巣に新しい女王蜂が生まれると

母親の女王蜂は、半分の働き蜂を連れて巣から出てゆき

4~6月ごろ新しい巣を作るという。

入ってくれるといいなあ!?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする