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一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

484  住み慣れし小さき庭も枯野かな   稱子

2012年01月31日 | 

 お嫁に来て?十年・・・住み慣れた家の小さな庭の手入れは、作者の手に委ねられているのかもしれない。そこには、きっと作者の植えた草花が咲き誇っていたことだろう。しかしそれも秋までの話。今は・・・・・すっかり枯野である。

 

 この句の「住み慣れし」には、作者しか知らない作者の人生があり、庭先に佇めば様々な記憶が走馬燈のように巡ってくるのだろう。

 

 庭の草花を知り尽くしている作者が、そこまで来ている春の芽吹きや花に、期待を膨らませているに違いない。

 

 花か蕾かそれとも実か?

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483 2012年 岩戸句会  1月

2012年01月30日 | 岩戸句会

 住み慣れし小さき庭も枯野かな    稱子

空ッ風絵馬一斉に騒ぎ出す

 

水虫の薬ころがる炬燵かな      炎火

初売りや産地不明の加工食

 

コリコリと数の子を食み子を持たず  章子

脳細胞キーンと鳴れる寒さかな

 

好色な夢に目覚めし二日かな     遊石

「美容院」こたつの上の走り書き

 

梅まだき坂を見上げて腰伸ばす    静江

この辛さ異国で夢みた冬大根

 

藍瓶の冬日に醸す匂いかな      正太

埋み火の灰足してゆく初あかり

 

高層ビルの玄関に松飾り       豊春

ふっくらと幸せそうな初雀

 

大寒という字の中にある静寂     雲水

初手水娘は少しおとなびて

 

ホルスタインの隆々たる乳淑気満つ  薪

はや三日牛舎に痒きとこ掻くブラシ

 

食後薬飲み忘れては三が日      洋子

生前のままの表札冬旱 

 

この葉っぱは、たぶん40センチはありました(ハワイにて)

    

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482 ハワイ旅行

2012年01月29日 | 旅行

 1週間、と言っても57日ですが、ハワイ(オアフ島)に行ってきました。目的は、テニスとハワイアンと、ブログの写真を撮ることと・・・・いやまあ、単なる観光です。気温は、夜20度、昼25度といった感じでした(私の体感温度計による)

 

 俳句とブログのことは、一切考えませんでした、つまり脳の洗濯だったかも・・・いやいや、少々酒の飲み過ぎだったかも・・・・・そして、時差ボケで、かなり疲れてしまいました。

 

 帰ってみたら、テラスに雪が積もっていて、驚きです。なんというこの気候の違い・・・・・・

 

ロイヤルハワイアンショッピングセンターにて

 

ランも大きな壷も立派でした。

 

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481  この十年癌になっても風邪引かず   遊石

2012年01月22日 | 

(このじゅうねん がんになっても  かぜひかず)

 

食道癌の手術をして早7年、再発の危機はどうやら脱したようです。しかし、手足のしびれなどの後遺症に悩まされ、とても以前のようには戻ってはいないようです。

 

ですから、あんなに熱心だったテニスも陶芸も止めてしまったが、俳句だけはこうして続けているのは、実に有難いことです。

 

 作者は、未だに酒は飲むし煙草は吸うしで、自業自得とも言えるでしょう。勿論そんなこと、本人は、百も承知のようです。

 

 しかし、そんな辛い生活をしていても、手術後に一度も風邪を引いたことがない、というから驚きです。

 

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480  どんど焼いつか焼かるる我身かな

2012年01月21日 | 

(どんどやき いつかやかるる わがみかな)

 

どんど焼の起源は、鎌倉時代あたりまで遡るようだ。左義長ともいうが、こちらが本家のようである。

 

 私の子供の頃は、小学生だけで年明けごろから近くの河原で準備を始めた。まず、中心に孟宗竹を藁縄を張って立てる。回りを箱根竹など細い竹で囲み、中の空間にリヤカーで集めたのお飾りを詰め、達磨を吊るす。完成すると、隣から壊しに来ることもあるので、泊まり込みで守るのが、子供たちの楽しみでもあった。当日は、朝4時ごろから起きて、中を「燃すぞー、燃すぞー」と触れ回るのである。

 

 焼き物を生業としている私が窯焚きではなく、あの明け方の闇の中に赤々と燃え盛るどんど焼きと火葬とにイメージをだぶらせるのは、不思議でもなんでもない、当然のことである。

 

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479  大寒という字の中にある静寂

2012年01月20日 | 

(だいかんという じのなかにある しじま)

 

「じーっと漢字を見つめていると、突然その字が何の字か分からなくなる」というようなことを漱石が言っていた。確かに、私にもたまにそんなことがある。

 

そんな時は、一旦その字から、できれば書くことから離れるに限る。つまり原因は、脳味噌が少々疲れているからではないかと思う。精神病的要素もあるかもしれない。

 

 又、ある漢字から、体験から得た色や音、雰囲気や気分などが瞬時に感じることもある。それは、人によって色々だろう。

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478  雪を待つこころもありて窯詰めす

2012年01月19日 | 

 (ゆきをまつ こころのありて かまづめす)

太平洋側の表日本で、最も雪の降るのは1月末から2月にかけてである。低気圧が太平洋沿岸を西から東へ通過する時だ。

 

 豪雪地帯の方々には申し訳ないが、こころのどこかで私達は雪を待っている、心待ちにしている。今週末は、どうやらそんな天気予報である。

 

 雪が降れば、坂道の道路は通行止めになるし、除雪もしなければならないし、大変ではあるのだが・・・・・

 

 

ジョウビタキの♀

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477  薪割れば寒の鉄砲虫白し

2012年01月18日 | 

(まきわれば かんのてっぽうむし しろし)

 

テッポウムシ(鉄砲虫)は、カミキリムシ(紙切り虫、天牛)の幼虫である。しかし、インターネットで鉄砲虫を検索しても、ほとんど資料がない。つまり、だーれもほとんど知らないらしい。

 

成虫のカミキリムシは、日本で800種あるそうだから、研究し尽くされているようだが、幼虫の鉄砲虫となると、そのほとんどの生態は知られていないらしい。なにせ、木の中で暮らしているんだから、知りようがないのだろう。

 しかし、私は昨日、一日赤松を割っていた。枯れた赤松に暮らす鉄砲虫は、「クロカミキリ」の幼虫に間違いない、と思う。

 

 鉄砲虫を炒って塩を振って食べると実に美味しいのだが、火焚き鳥(窯の鳥、ジョウビタキ)が、私のすぐ上で食事を待っているので、残しておいてあげます。

 

クロカミキリの幼虫

テッポウムシ(鉄砲虫)

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476  初雪や三時に着いてすぐ発てり

2012年01月17日 | 

(はつゆきや さんじについて すぐたてり)

 

 北海道の岩見沢では、積雪182センチと40年振りの記録更新とか。新潟など、日本海側の積雪は、平年より多いらしい。

 温暖化だからといって、素直に反映されるとは限らないから、自然の予測は難しい。

さて、太平洋側の伊豆でも、今朝起きてみたら、うっすらと雪が積もっていた。平年と比べると、やはり少しばかり寒いように思う。

 

ラジオで、今日の「誕生日の花」は「蕗の薹」だったが、とてもじゃないが、伊豆でも春はまだ先だ。マンサクの蕾すらまだまだ固い。

 

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475  短足が質実剛健寒立馬  さくら

2012年01月16日 | 

(たんそくが しつじつごうけん かんだちめ) 

 

私の子供の頃は、荷物を曳く農耕馬が結構いて、道路に馬糞、牛糞がよく転がっていた。馬糞はコロコロしていたし、牛糞はベチャベチャしていた。

 

 この句の通り、確かに荷を曳く馬は、胴体が大きく、足が太くて短かった。馬の目は優しかったし、おとなしっかった。正に、質実剛健だったのだ。今の北海道のいわゆる「道産子」や青森の「寒立馬」が同じ種類ではないかと思う。その後、テレビで競馬場のサラブレッドを見た時、あの足の細さに驚いたものだ。

 

ところで私達日本人も、農耕馬的体形からサラブレッド的体形に変化している。身体は五等身から七等身へ、顔立ちは武士的から貴族的に変わりつつある。食事や労働などの生活の変化は、短期間に体形までも簡単に変えてしまうのだから、驚きである。

 

 

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474 薮入りや売る気なく売る古物商

2012年01月15日 | 

(やぶいりや うるきなくうる こぶつしょう)

 

江戸時代の奉公人にとって、1月16日と7月16日の薮入りが、年2回の休日だったそうである。語源は、田舎=藪に帰るという意味らしい。正月とお盆に当たるが、あくまで奉公先の行事が終わってからの帰郷となる。

 

落語の薮入りでは、3年振りに帰って来た息子が、奉公先で仕込まれた礼儀正しい挨拶をして、見違えるようになり、両親が感動のあまり涙する。川柳にも

 

薮入りや何にも言わず泣き笑い

 

というのがあるという.

   

 さて、ものの売り方にも色々あって、押し売りや呼び込み、訪問販売、競りなど積極的なのがある反面、全然売る気のない売り方もある。どうやら、骨董屋などはその方が売れるらしい。

 

 実際は長年の勘で、ちらっと見ただけで、「この客は、買う気がない、又は買う金がない」と見破られていただけかもしれないのだが・・・・・

 

岩戸山の麓から伊東方面を望む

二つの瘤は

右が大室山、左が小室山

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473  寒風や犬は人好き犬嫌い

2012年01月14日 | 

我が家には、2匹の犬がいて、13才のメス犬「モモ」は、この句の通りで、人間には慣れているが、どんな犬に対しても威嚇して吠えまくる。

 

 片や、2才になるオスの「デン」は、どんな犬にも尻尾を振って興味シンシンで近づいていくが、知らない人には、尻尾を巻いて後ずさりしてしまう。

 

 では、この2匹が毎日どう暮らしているか、と言えば、デンがまとわりつくのを、モモが嫌がって威嚇する、というのが日常茶飯事なのである。そんなときは、やかましいったらありゃあしない。

 

 どうして、こうも性格が正反対なのか、私には皆目見当がつかない。不思議やら、可笑しいやら、である。

 

東の空が日の出と共に

赤く染まり、それを反映して

木立が染まっています。

実際の色とほぼ同じに撮れました。

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472  爭へぬ血や冬芽へと通ふなり   道夫

2012年01月13日 | 

(あらそえぬちや  ふゆめえと かようなり)

 

「血は争えない」を直訳すると、「血族同志は、争わない」となるが、昔から親子・兄弟が争うのはざらで、現代でも遺産相続などで骨肉の争いなど良く聞く話だ。

 

 しかし、「子どもが父母から気質・性向を受け継いでいることは否定しようがない」というのが本来の意味だから、日本語は難しい。

 

 さてこの句、父母の、たぶん父親の気質を受け継いでいて、冬芽へと通うという。そんなに、たびたび見に行くのは、尋常ではない。もしかしてお父さんは園芸が仕事だったのかもしれないし、植物学者だったのかもしれないし、単に俳人だったからかもしれない。

 

 いづれにしても、酒乱・短気など悪い方の「争えぬ血」ではなくて良かった。作者は、実に良い気質を受け継いでいるんですね。

 

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471  ガラクタに近きを覆う赤セーター  潤

2012年01月12日 | 

 (ガラクタに  ちかきをおおう  あかセーター)

 

「潤さん、自分のことを「ガラクタ」とまで卑下しなくてもいいんじゃないですか。まだお若いのに」

 

「あら、お世辞でも嬉しいわ。若いだなんて。でもこの句、私のことではありませんよ」

 

「えっ、では誰のこと」

 

「うちの亭主ですよ。うちの亭主は、派手好きでねえ」

 

「それは、やりすぎでしょう」

 

Issyoさん、あなたが聞くから答えただけで、この句、どこにも亭主だなんて、書いてありませんよ」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

この冬、雪が降ったのは数回あるが、

本格的に積もったのは、初めて。

但し、1~3センチ

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470  知己のごと交わす挨拶寒昴   多留男

2012年01月11日 | 

 (ちきのごと  かわすあいさつ  かんすばる)

 

「知己」とは、本当の己を知っている人、つまり大親友のこと。ところでこの句は、二つの解釈が成り立つ。

 

1 ある人と、知己のごとく挨拶を交わしたが、彼とは知己ではない。

2 知己のごとく、私は寒昴と挨拶を交わした。

 

 当然、正解は2に決まっている。枕草紙にもある「星はすばる」多留男先生の少年時代は、昭和一ケタだから、空には満天の星が見えたはずだ。

 又、軍医として出征したビルマでも眺められたに違いない。久し振りに「すばる」に出会い、「やあやあ寒昴君、子供の頃を思い出すよ。俺は元気でやっとるよ」そんな会話が聞こえてくる。

 

 

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