JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

沖縄のICカード「OKICA」は観光客に使えるのか?

2015-07-02 | シャック便り
2014年から沖縄県のゆいレールや路線バスでICカード「OKICA」が使えるようになりました。このOKICAが観光客に使える存在かどうかチェックしてみたいと思います。カードの詳細はこちらの公式サイトをご覧ください。


とっても手っ取り早く先に結論から言いますと「使い物になりません」になると思います。


それではOKICAの概要を見てみましょう。

[概要]
・ゆいレールと沖縄本島の路線バス業者4社(琉球バス・沖縄バス・那覇バス・東陽バス)で利用可。
・利用に応じてポイント還元あり。ポイントは翌月付与され1年間有効。
・チャージはゆいレール券売機やバス車内で可能。
・将来的には一部タクシーでの決済も考えているが現時点で参加会社はない。
・SUICAなど他のICカードとの相互利用は不可。
・子供用カードは設定なし。

[ゆいレールでの利用]
・全駅で使用可能。
・ポイント還元は定率制。

[路線バスでの利用]
・4社の全車両で利用可能。ただし空港リムジンバスや運行を受託しているコミュニティバスは対象外。
・やんばる急行バスは不参加。宮古島や石垣島など離島のバス会社も全て不参加。
・ポイント還元は定額制。
・利用額は4社で通算して判定される。ゆいレールの利用額とは通算されない。
・紙の回数券は発売停止。利用は2016年3月まで、払い戻しは同6月まで可能。


まず観光客にとって最大の問題点は「本土のICカードとは相互利用ができない」ということだと思います。わざわざ沖縄旅行でOKICAを買ってチャージして使うでしょうか?使い残したチャージは次回以降使えるとしてもそれは沖縄での話。本土では何ら使い道のないICカードです。

しかもポイントは翌月付与で1年間しか有効期限がありません。沖縄にヘビーに通う(しかも滞在期間が長い)観光客ならばポイントを使えるかも知れませんが、一般に5,000円ものバスの利用は考えられずポイントが付与されるケースはほとんどないでしょう。


さらに問題なのは「ポイント還元が低い」ということです。バスを5,000円利用して100円しか還元されません。5,000円丁度での還元率は2%にしかならず、4/26で発売が停止された紙の回数券の15%引きとは比べものにならない低さです。

ゆいレールでも同様で、短い期間にたくさん乗るのなら1日乗車券や2日乗車券を買った方がはるかにお得です。あ、ゆいレールにはもう一つとんでもなくお得な制度があります。「ゆいレールファンクラブ」と言いまして、年会費500円を払えば土日祝日のみ有効の制限付きながら1日乗車券が2枚もらえます。1日乗車券は700円なので1,400円相当です。これが500円で手に入るのですからすごくお得だと思います。詳しくは駅係員まで。


話を戻しますと「OKICAは観光客には使えないカード」と結論づけていいと思います。


このように使い道のないOKICAですが、システムをそれほど改良せずに観光客に使ってもらえる方法があります。それは「ツーリストカード」を設定することです。ツーリストカードとして発行したカードはポイント還元をしない代わりに本土へ帰る際に那覇空港でデポジットを含め無手数料で払い戻す、とすれば少しは使ってもらえると思います。

加えてツーリストカードを見せることで提携お土産店で割引したり、飲食店で1品オマケするようにすれば利用価値が高まるのではないかと思います(ゆいレールファンクラブにもこのような特典がありますし、ゆいレールで配布している冊子を見せても同じようなサービスがあるのでそう価値がある訳ではないですが)。


「本土のICカードと相互利用するには金がかかるからやらない」というのでは安易すぎます。金がないならツーリストカードみたいな知恵を出して欲しいなぁと思います。
コメント
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