JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

「第54回京の冬の旅」に(ちょっとだけ)行ってきました①

2020-01-13 | 御朱印めぐり
恒例の「第54回京の冬の旅」の特別公開が始まりました。

今年は「京の御大礼 雅の御所文化&明智光秀と戦国の英傑たち」をテーマに15箇所の特別公開が1/10~3/18まで行われます(一部公開期間の異なる寺院あり・詳しくは公式サイトで確認を)。


今回のテーマは「天皇陛下のご即位記念」と大河ドラマ「麒麟がくる」という脈絡のない2つをつなぎ合わせたものであり、「京の冬の旅」の常連である東寺や高台寺などが入っていることから正直理解しがたいものになっています。加えて光照院門跡や三時知恩寺など浄土宗京都教区の特別公開や京都古文化協会の特別公開でも公開された寺院が多く、それらで通っていれば物足りなさがあります。

そのため私もピックアップしたのは妙心寺の塔頭・玉鳳院と烏丸今出川にある大聖寺だけです。大聖寺は3/1~18のみの公開であり、3月を待ってから出かけてもいいのですが、玉鳳院+他を一緒に回ることでチャレンジしてみましょう。

そこで前から気になっていた千本出水の寺院巡り、さらに再興15周年の記念御朱印を行っている洛陽三十三所観音霊場の寺院を組み合わせて回りたいと思います。


「千本出水って?」と思われる方がいると思いますので簡単に説明しましょう。千本出水とは南北に走る千本通と東西に走る出水通の交点です。JR二条駅の北にあたります。

付近は平安京の大内裏があり、雨が降るたびに道が水浸しになることから出水の名前になったと言われています。大内裏は創建以来火災で焼失しては再建の繰り返しとなり、朝廷の経済力が衰えると再建困難となります。天皇の住まいは京都の中で移転を繰り返すことになり、現在の京都御所の位置に定まるのは鎌倉末期から南北朝時代とされています。

元の大内裏のあったこの付近は荒れ地となり北野天満宮の所有地、さらに聚楽第となり恐らくは聚楽第の防御のために秀吉により比較的小さな規模のお寺が集められたものと考えられます。


それではJR京都駅からスタート。千本出水へは二条駅に行く必要があります。

京都観光で電車とバスを組み合わせることは私も大賛成なんですが、南禅寺に行くのに何で山科に行くかなぁ?と思います。地下鉄烏丸線に乗って烏丸御池へ、そこから東西線に乗り換えて蹴上が正解だと思います。

二条へは嵯峨野線が正解なんですが、どうせ地下鉄と市バスの1日券を買うので烏丸御池で東西線に乗り換えて二条とします。これでお金が節約できます。

二条駅からは市バスに乗れば3つ目が千本出水です。5分くらいで到着です。

千本通は市電が通っていたので明治以降千本丸太町から千本上立売あたりにかけては商店が並び映画館など娯楽施設も多かったと言われますが、今は京都市内の一般的な町並みになっています。よくこの道幅で市電が走っていましたね。

千本出水付近のお寺は境内が比較的小さい上に宗派が混在しているのが特徴で、いくつかのお寺は霊場巡りの札所になっていますから御朱印を頂けます。「京都十二薬師霊場」の地福寺(七本松出水下ル)と福勝寺(出水千本西入ル)などがその例です。京都十二薬師霊場巡りは江戸時代頃に成立、効率よく回れば1日で回れるとされますが、各霊場は10-16時までで中には郊外の岩倉にあるお寺も含まれ現実には2日かかるのではないかと思われます。

千本出水の交差点から出水通を西に行き、突き当たりの七本松通に出たら南、下立売通に出たら東に進んで千本通に戻るコの字型のルートで回れます。全ルートで750mほどですからコンパクトなんです。


まずは福勝寺に到着。

真言宗善通寺派のお寺で弘法大師が大阪の羽曳野に創建したとされ、鎌倉時代に京都に移転しています。節分の際に7日間祈祷をしたひょうたんを授けることから「ひょうたん寺」の別名も持ちます。こちらの山門は閉ざされており「ここ、ホントに入れるの?」と思いますよね。

福勝寺はさらに西に勝手口があり、こちらのインターホンでお願いすればOKです。奥様が出迎えてくれました。

「今年は暖かいですね」と世間話をしながらスラスラと書いて頂きました。スタートがいい感じですと回る意欲が湧きますよね。

本尊は薬師如来で7世紀の利修仙人作とされ、三河の鳳来寺の本尊と同じ木で造られたとされています。50年に一度開帳される秘仏で次回は2035年とのことです。また観音菩薩への信仰が厚かった後西天皇の勅願寺ともなっています。

福勝寺の御朱印です。洛陽三十三所観音霊場で頂きました。再興15周年の印が押されていますね。この他「通称寺」などでも御朱印が頂けるようです。


お次は本昌寺

1663年に日円が開いた日蓮宗のお寺です。妙覚寺の末寺で、現在の本堂は1982年に完成した2階建てです。公式サイトにあるように「今月の御首題」を書いてくれます。首都圏の日蓮宗寺院から広まったようですが、毎月様々な見開きの御首題を出される寺院が京都でも増えており、本昌寺もその一つです。加えてお寺カフェやヨガ、カレーの接待など様々なイベントを行っているようです。

御首題をお願いしたら「どうぞ本堂にお上がりください」と2階の本堂に上げてもらいました。三宝尊(南無妙法蓮華経の題目を中心に多宝如来と釈迦如来を配す)や日蓮像が見えました。どの日蓮宗系寺院でも冬の間は日蓮像に綿帽子を被せていますが、これは1264年に日蓮が小松原(千葉県鴨川市)で東条景信の一団に襲われた際に頭に傷を負い、保護のために老婆が綿を差し出した故事にちなむそうです。このため綿帽子の内側は血を意味する赤になっているとのこと。

お茶とお菓子を出して頂きました。

本昌寺の今月の御首題です。七福神の大黒天の判が押されていますが、これは大黒天が法華経の守護神となっているからだそうです。


七本松通りに出て左に曲がり地福寺です。

平安時代に弘法大師の弟子である真済上人が太秦で創建した真言宗醍醐派のお寺で、江戸時代に現在地に移転しています。「日限薬師」を本尊としています。特に耳の病気に霊験あらたかだと言われています。冒頭でご紹介の通り「京都十二薬師霊場」の一つで御朱印を頂けます。

街中のそれほど大きくないお寺で、これまた入りにくい感じですね。右の木戸のところにインターホンがあるので押したら「お入りください」とご住職から返事がありました。

地福寺の御朱印です。


さらに下立売通に左折すると祐正寺があります。

1602年に雲白により創建された浄土宗のお寺です。本尊は阿弥陀如来ですが、境内の地蔵堂に安置されている「妻取り地蔵」で知られています。霊元院法皇の勅願により1673年に安置され、特に男性の縁結びに御利益があると言われています。こちらも「通称寺」で御朱印が頂けます。

たまたまご住職がお戻りでしたので直接お願いしたら快く引き受けてくれました。

祐正寺の御朱印です。


コの字に回って千本通りに出てきました。千本出水もなかなか趣のあるところですよね。ぜひ一度回ってみてください。


「京の冬の旅」にまだ突入していませんが長くなりましたので今回はここまで。御朱印情報は後半のラストにまとめて書きたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする