旅するガーデナー

いつも五感を刺激し、喜怒哀楽、幸も不幸も、哲学も瞑想も、言葉にできない多くが存在する庭は私のパワー・スポット!

マウレの庭 ~丸瀬布って知ってる?

2012年07月10日 17時18分13秒 | 北海道ガーデン巡り

滝上町の陽殖園を後にして、紋別市に向かい、仕事で来ていた弟と合流し、紋別プリンスホテルに宿泊。
そこで9月で77歳になる母の喜寿の仮祝いをしました
弟と親子3人で会うのは2年ぶり。
たまに親子水入らずも良いものです。

明けて7月5日。
西へ 帰る道々にガーデン巡りを。

まずは丸瀬布の「マウレの庭」へ。
「マウレ山荘」という温泉つきの山小屋風リゾートホテルに数年前できた庭。
北海道の園芸界の第一人者である梅木あゆみさんが監修したガーデンです。
ホテルでのランチがてら寄ったのですが、山に付くと雷&豪雨
レストランは一瞬停電に
それでも雨の弱まったひと時を狙って、見てきました。

東屋の草屋根が庭に緑を増しています。

 

黄色い花をつけるアルケミラモリスの小道が、緑濃い庭に映えます。

ピンクの八重の芍薬の咲くボーダー花壇。
晴れていたらさぞきれいに咲き誇っていたでしょうが、雨に打たれてうなだれておりました。

群植された薄紫のアストランティアと背景の黄緑色のギボウシや宿根草群、そして銅葉、といったコントラストが見事。

チョコレート色のルドベキアとクニフォニアの暖色系コンビのコーナー

ガーデンの柵にはクレマチス。
ケブケブがドライフラワーの飾りみたい

この庭は整形式ガーデン。
白い花を中心に、淡い色あわせで、ロマンチックな印象でした。

匍匐性の針葉樹や植物を植え込んだコーナーや、様々な葉色のギボウシの組み合わせなどなど、テクニックとセンスを感じる大人っぽいガーデンでした。

夢中で写真を撮りはじめたら、またしても豪雨が
雷に狙われてはなるまいと、焦ってホテルに戻ったので、綺麗な写真がなくて、ガーデンに申し訳ない気持ちでいっぱいです。
北海道的にはそれほど広くないのですが(横浜イングリッシュガーデンほどはある)、宿泊客の朝夕の散策や、日帰り温泉客が涼むには良いところなのは確か。
寄り道にもgood

私も一風呂あびてから、止まぬ豪雨の中、次の上野ファームに向かって車を走らせました。

ちなみに温泉は、緑が目に鮮やかな露天風呂&お湯は肌にトロリとしていて・・・・・美肌になるかも

 

続く

 

 

 


陽殖園 ~山一つが庭

2012年07月10日 14時58分27秒 | 北海道ガーデン巡り

7月4日。
長年の夢がまた一つ叶いました

道北の滝上町に存在する「日本一変わっている農園 陽殖園」を訪れることができたのです。
ずいぶん前に当ブログで紹介した本『武市の夢の庭』の庭。
高橋武市さんが昭和30年からコツコツ造り始め、今年で満57年を迎える「年々自力で現在も進化を続ける花園」。

本や雑誌で読んで想像していた通り&期待通りのスケール感etc.
スゴイ

近年できた高速道を飛ばして、3時間半かけて来た甲斐があったと、感激しました。
そんな雰囲気の一部だけでも、このブログから伝わると良いのですけど。

受付で熊よけの鈴の付いた腰ベルトをつけて、いざ入山。
入って直ぐの用水地の斜面では、ルピナスや、背の高い宿根層群が出迎えてくれました。

 

山を登り始めると斜面に育つエゾクガイソウがご機嫌に踊っておりました。

 

桃色レースフラワーが所々に咲く道を、トコトコ歩いていく母。

 

山道両側にはルピナスやヤナギラン、ミヤコグサ、タマザキクサフジ等、咲いています。

 

山道の所々に何気なく咲いているバラの仲間たちの一部。


 

今、武市さんの一番のお勧めポイントの小鳥池。
大きな穴を掘って、そこに池を作り、一重のバラなどで覆われた小島を、配しています。
池にはメダカや、ときにはサンショウウオも

 

真っ赤なルピナスと白いオダマキのコンビ。
花だけでなく、多くの植物をすべて自身の手で植えたそうです。

 

あそこに植えたらどうかな~、ここに植えたらどうかな~、って考えながら山一つを庭にしていっているのでしょうね。


斜面の一つ一つがキャンバスなのかな
印象派の絵のようでもあります。

 

超ご機嫌に山庭を巡っていたら、突然豪雨が
慌てて母と入り口に戻り、疲れた様子の母を車で休ませ、雨が穏やかになるのを待って、傘をお借りし私一人再び山へ
予想通り、霧のかかった幻想的な風景が目の前に現れました

 

雨上がりは、陽射しを受けて花や葉に落ちた雨粒がキラキラ光って、美しい
こうして、庭主は日々刻々と変化する風景を楽しまれているのでしょうね。
羨ましい。

これは武市さんが子どものころに植えた松かしら
陽殖園のシンボルの一つでは。

 

武市さん曰く、「自分が一番楽しめるように作らないと、他人も楽しめない

ここは道北の山だけど、自然であって、自然でない。
隅々まで庭主の意図が配されている。
しかし作為的な感じがしない。

ちょっとした遊び心を感じる仕掛けに「ヤラレタ~」って、つい喜んでしまう

山道を歩きながら、ユーモア溢れる武市さんの語り口を思い出し、
これからも庭主の思いのままに、この「野生的花園」はドンドン変わっていくんだろうな~
と想像し、よそ者ながらワクワクしてきました。

ご本人は、もっともっとワクワクしているのでしょうけどね。

この度は、雨のせいもあり、すべてを回りきれなかったし、季節も違えば風景も違うし、何より進化し続けているので、必ず再訪しようと心に決めました。
と言うか、何度も訪れたいわ

自宅に帰ったら、『武市の夢の庭』を読み直そうっと

 

道北のガーデン巡りは続く