卍の城物語

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ダンサー・レッドアンドホワイト/ロバート・ハインデル

2007-06-08 01:24:48 | どうでもいい雑記など
二週間前に青森中三でロバート・ハインデル展に行った事は、当ブログで書いた。その続きです。

実はその三日後にまた観に行った。
目的は二つ。前回は一時間しか作品を見る暇がなく、しかもその半分はトークショウだったから、もっとじっくり観たいと思ったからである。
もう一つは、いい作品があったら購入しようと思ったからである。

展覧会だけど、販売会も兼ねて行っていたので、客は気に入った作品をそのまま購入できるシステムだった。
ほとんど名前も定かでない、画家の展覧会だったが、なんとなく行ったのに、一瞬で虜にされた。
美しさに圧倒された。ほんの短時間だったのにだ。コンサートのついでに行ったのに、もはやこっちの展覧会が主役になった。

その日から三日間考えた。熟考した。何十万もする絵だけど、買っても損はないのではないか?
買ったら一生物になるのではないか?一生どころか代々重宝される家宝になり得るのではないか?
彼の絵をクソみたいな現実に取り込んで、毎日夢のような生活が出来るのではないか?
といろいろ考えた。そして一応結論をだした。もう一度観に行って、お気に入りの作品がまだ誰にも購入されていなかったら買おう。
お気に入りでないにしても、画商のお姉さまの熱意が感じられたら買おうと。
どちらもなかったら、運命の出会いではなかっとして諦めようと。
時間を無理やり作って青森に向かった。

閉店30分前に到着。とりあえず全作品を作品として鑑賞。
すると画商のお姉さまがこの前来てくれてたのを覚えてくれていた。男の客は自分と友人の二人ぐらいだったからね。
その友人が吉田都モデルの絵を買ったとは聞いていた。お姉さまもそのことを伝え、多分友人が自分が絵を購入するかもと伝えたと思われる。売る気満々でアプローチ。
でもとりあえず作品を観たいし、お気に入りの絵が残っているか確認する。

パンフレットに載っていた「フュージョン」という死ぬ間際に描いたシルクスクリーンのバレリーナの動きをあからさまに二重に残像を描いた傑作と、画集にも載っていたバレリーナのストップモーションの佇む姿を描いた版画。その二つが私の琴線に触れた。ちなみにどっちもピンク。

お姉さまにこの二つが気に入っていると伝えると、わざわざ絵を隣り合わせてくれて、椅子を用意して座って見せてくれた。じっくりと見比べる。まさに静と動。対照的なのに共通する鮮やかさと美しさ。

ちなみに熊哲もピンクのハインデルの作品を買ったとか。

迷いに迷っていたので、最後はファーストインプレッションとインスピレーションで決めなさいとお姉さまに助言される。
本当はもっと迷って迷って決めたかったけど、もう閉店時間でした。わかってたけど、パッと決めれるような値段ではないのだよ。
しかし、自分の運命的な直感を信じて「ダンサー・レッド&ホワイト」に決める。買う。

正直金ありません。貧乏です。というわけで、30回ローンにしました。最初の一年は利息なし。助かります。
気になる値段は、イージュウチェーマンゲーセンといったところです。高いけど、激安。

誰でも知っているような超有名画家の作品は億単位だけど、まだそんなに名の広まってない画家の作品というのは以外にこんなものだそうだ。
しかし、ハインデルの価値は低すぎるように思う。こんなに美しいのに。

なんだかんだで閉店を遥かに過ぎてしまった。裏口から帰るように言われる。
迷惑かけたなと思いながらそそくさと逃げるように帰ったので、画商のお姉さま方にはろくに挨拶も出来なかった。この場をかりて感謝します。
こんな素晴らしい機会を与えてくれてありがとうございました。ちなみにお姉さまと言っても、おそらく40代だと思う。にしては、きれいですけどね。

展覧用の額を変えたりで、届くのに二週間もかかり、やっと今日我が家にいらっしゃった。
この日のために、前日から大掃除を決行。絵を飾る環境を整えて待っていた。
そして来た。なんというか、オーラを放っている。無条件に素晴らしい。何より美しい。

いい買い物をした。運命の出会いとは、人ではなかった。クソみたいな日常だけど、家に帰ると愛する絵が待っててくれる。同棲とは、人とではなかった。
というわけで、美しい愛する運命の女が私の部屋に住んでますって事で。