
ロック100選。第24回。
2008年作品。マスドレのデビューミニアルバム。
「MASS OF THE FERMENTING DREGS」、通称「マスドレ」のデビュー作にして大傑作がセルフバンドタイトルのこちら。
メンバーはベース&ボーカルの宮本菜津子、ギターの石本知恵美。
そして現在のドラムスは吉野功だが、初期メンバーのドラムスは後藤玲子が担当し、本作品は彼女がレコーディングをした後、リリースを待たずして脱退した。
つまり、本作品は女性3ピースバンドとしてのマスドレの最初で最後の作品になってしまった。
全6曲のミニアルバムだが、まさか女性3人のみでこの音を作り上げているとは驚愕の一言に尽きる。
全作詞は奈津子で、作曲は奈津子かマスドレの3人名義。
その素晴らしき全曲を徹底解析。
1. delusionalism
なんたる重量感であろうか。大の男でもここまで分厚い音は出せん。
決して上手いとはいえないボーカルだが、ひしひしと伝わり、ビシビシと響く、そんな声。
ギターソロからのアウトロの爆裂感はシビれる。
2. ハイライト
1曲目から間髪入れずにスピーディなギターリフとドラムフィルの畳み掛け。
基本的にボーカルが一番のメロディ楽器で、ギターは臨機応変に、変化自在に音色を操るのがマスドレスタイル。
3. skabetty
ヘビーな音しか出せないそこらのハードロックバンドとは違い、マスドレはポップセンスを持ち合わせている。そのポップセンスが光るのがこの曲。
ガーリーなラブソングの様でもあり、全く構えないで気軽に聞ける曲になってる。
4. エンドロール
10分近いインスト曲。
マスドレは演奏力も高い。個々の技術が高いとは思わんけど、ロックインストナンバーを聴かせるバンドの統合力とセンスがある。
インスト曲をやるのはなかなか勇気がいるとは思うが、そこはマスドレの専売特許。
インストってもハミングやコーラスが入ってるけど。それも楽器みたいなもんか。
5. I F A SURFER
この曲と次の曲はアメリカの名プロデューサー・ディブ・フリッドマンがプロデュースしてる。
確かに音の空気感が違う。オーバーダブやシンセサイザーの加工があるが僅かなもんであり、基本は3人の圧倒的グルーヴが構成。
全曲中この曲が一番智恵美のギターが唸りまくり、歪みまくり、暴れまくる。
6. ベアーズ
5曲目の音を残しながら被せてくる。この流れはキングクリムゾンの「太陽と戦慄」の「トーキングドラム」から「パート2」の流れみたいでセットになってて好きだ。
さて、この尋常じゃないケミストリーは凄まじすぎる!!
エフェクターを駆使してギターの可能性を限界まで引き出してる。ピヨヨヨ-ン♪
最後は一瞬のブレイクと大爆発でジ・エンド。
今現在、この曲を上回る曲を書ける作曲能力と演奏力を持ったバンドがいるのか?私の視野には見当たらない。
これは近年には珍しい名曲、というか名演奏だ。
この全曲はほぼ一発録りされた。
5・6曲のみデイブ・フリッドマンプロデュースだが、他はセルフプロデュースしている。
ジャケットは漫画家のこざき亜衣が担当。
空飛ぶキュートな女の子のイラストレーションで、パンツ丸出しの空中浮遊する女子は、マスドレの音楽の自由さ、気持ちいい浮遊感を表わしている。
以降の作品のジャケットもこざき亜衣が担当していき、マスドレのアルバムの世界観を彼女のイラストが見事に表現している。
マスドレを語る上で外せないのが「ナンバーガール」の存在だ。
ディスト-ションの効かせたギターと、刹那的な狂気染みたグルーヴ感、へヴィネスなバンドサウンドはナンバーガールに影響されている。
それもそのはず、女ギタリスト智恵美は、田渕ひさ子に憧れていたから。
ナンバーガールにはデイブ・フリッドマンがプロデュースを担当した曲もあるし、セカンドアルバム「ワールドイズユアーズ」の共同プロデューサーは元ナンバーガールのベーシスト・中尾憲太郎が担当した。
そんなマスドレとナンバガは切っても切り離せない縁で繋がっている。
ちなみに、そのセカンドミニアルバム「ワールドイズユアーズ」は全6曲がほぼ全て3,4分の、とても聴き易い内容になっている。
現在はドラムスに吉野功が正式加入した。
サポート時代が長かったし、更に相性は抜群なので、今後の活動には全く問題は無い。
2年以上ドラムスがサポートだったのは、旧メンバーの後藤玲子の力が大きかったし、出来れば復帰して欲しかったのが正直なところだろう。
新たなメンバーを探すとしても、出来れば女性の方が良かっただろうが、ここまでへヴィなグルーヴを叩き出す女ドラマーはいる筈もないだろう。
チャットモンチ-が現れて以降、ガールズバンドは正統派ロックバンドで勝負出来る土台が確立された。
女が楽しくポップスを歌って演奏していたガールズバンドは消え行く運命の時代になったのだ。
そんな時代に彗星の如く現われたマスドレは、多くの男バンドを容易く凌駕してしまった。
つい最近めでたくメジャーデビューしたので、彼女達の活躍の幅はマスドレを知らなかった人たちにも伝わるであろう。
ロック女性上位時代の急先鋒・マスドレの旅はまだ始まったばかりだ。
オススメ度(ロック評価)・☆☆☆☆
2008年作品。マスドレのデビューミニアルバム。
「MASS OF THE FERMENTING DREGS」、通称「マスドレ」のデビュー作にして大傑作がセルフバンドタイトルのこちら。
メンバーはベース&ボーカルの宮本菜津子、ギターの石本知恵美。
そして現在のドラムスは吉野功だが、初期メンバーのドラムスは後藤玲子が担当し、本作品は彼女がレコーディングをした後、リリースを待たずして脱退した。
つまり、本作品は女性3ピースバンドとしてのマスドレの最初で最後の作品になってしまった。
全6曲のミニアルバムだが、まさか女性3人のみでこの音を作り上げているとは驚愕の一言に尽きる。
全作詞は奈津子で、作曲は奈津子かマスドレの3人名義。
その素晴らしき全曲を徹底解析。
1. delusionalism
なんたる重量感であろうか。大の男でもここまで分厚い音は出せん。
決して上手いとはいえないボーカルだが、ひしひしと伝わり、ビシビシと響く、そんな声。
ギターソロからのアウトロの爆裂感はシビれる。
2. ハイライト
1曲目から間髪入れずにスピーディなギターリフとドラムフィルの畳み掛け。
基本的にボーカルが一番のメロディ楽器で、ギターは臨機応変に、変化自在に音色を操るのがマスドレスタイル。
3. skabetty
ヘビーな音しか出せないそこらのハードロックバンドとは違い、マスドレはポップセンスを持ち合わせている。そのポップセンスが光るのがこの曲。
ガーリーなラブソングの様でもあり、全く構えないで気軽に聞ける曲になってる。
4. エンドロール
10分近いインスト曲。
マスドレは演奏力も高い。個々の技術が高いとは思わんけど、ロックインストナンバーを聴かせるバンドの統合力とセンスがある。
インスト曲をやるのはなかなか勇気がいるとは思うが、そこはマスドレの専売特許。
インストってもハミングやコーラスが入ってるけど。それも楽器みたいなもんか。
5. I F A SURFER
この曲と次の曲はアメリカの名プロデューサー・ディブ・フリッドマンがプロデュースしてる。
確かに音の空気感が違う。オーバーダブやシンセサイザーの加工があるが僅かなもんであり、基本は3人の圧倒的グルーヴが構成。
全曲中この曲が一番智恵美のギターが唸りまくり、歪みまくり、暴れまくる。
6. ベアーズ
5曲目の音を残しながら被せてくる。この流れはキングクリムゾンの「太陽と戦慄」の「トーキングドラム」から「パート2」の流れみたいでセットになってて好きだ。
さて、この尋常じゃないケミストリーは凄まじすぎる!!
エフェクターを駆使してギターの可能性を限界まで引き出してる。ピヨヨヨ-ン♪
最後は一瞬のブレイクと大爆発でジ・エンド。
今現在、この曲を上回る曲を書ける作曲能力と演奏力を持ったバンドがいるのか?私の視野には見当たらない。
これは近年には珍しい名曲、というか名演奏だ。
この全曲はほぼ一発録りされた。
5・6曲のみデイブ・フリッドマンプロデュースだが、他はセルフプロデュースしている。
ジャケットは漫画家のこざき亜衣が担当。
空飛ぶキュートな女の子のイラストレーションで、パンツ丸出しの空中浮遊する女子は、マスドレの音楽の自由さ、気持ちいい浮遊感を表わしている。
以降の作品のジャケットもこざき亜衣が担当していき、マスドレのアルバムの世界観を彼女のイラストが見事に表現している。
マスドレを語る上で外せないのが「ナンバーガール」の存在だ。
ディスト-ションの効かせたギターと、刹那的な狂気染みたグルーヴ感、へヴィネスなバンドサウンドはナンバーガールに影響されている。
それもそのはず、女ギタリスト智恵美は、田渕ひさ子に憧れていたから。
ナンバーガールにはデイブ・フリッドマンがプロデュースを担当した曲もあるし、セカンドアルバム「ワールドイズユアーズ」の共同プロデューサーは元ナンバーガールのベーシスト・中尾憲太郎が担当した。
そんなマスドレとナンバガは切っても切り離せない縁で繋がっている。
ちなみに、そのセカンドミニアルバム「ワールドイズユアーズ」は全6曲がほぼ全て3,4分の、とても聴き易い内容になっている。
現在はドラムスに吉野功が正式加入した。
サポート時代が長かったし、更に相性は抜群なので、今後の活動には全く問題は無い。
2年以上ドラムスがサポートだったのは、旧メンバーの後藤玲子の力が大きかったし、出来れば復帰して欲しかったのが正直なところだろう。
新たなメンバーを探すとしても、出来れば女性の方が良かっただろうが、ここまでへヴィなグルーヴを叩き出す女ドラマーはいる筈もないだろう。
チャットモンチ-が現れて以降、ガールズバンドは正統派ロックバンドで勝負出来る土台が確立された。
女が楽しくポップスを歌って演奏していたガールズバンドは消え行く運命の時代になったのだ。
そんな時代に彗星の如く現われたマスドレは、多くの男バンドを容易く凌駕してしまった。
つい最近めでたくメジャーデビューしたので、彼女達の活躍の幅はマスドレを知らなかった人たちにも伝わるであろう。
ロック女性上位時代の急先鋒・マスドレの旅はまだ始まったばかりだ。
オススメ度(ロック評価)・☆☆☆☆