日本の首都である東京という都会へ私が出て来たのは、離婚したという理由もありましたが、父から再三家を出てくれと言われた事が主となる原因でした。どうせ家を出るなら、子供が肩身の狭い思いをしないよう知人の多い地元では無く、心機一転、当時通信教育を取っていた大学のある東京まで出ようと決心したのでした。単位を取るためのスクーリングにも出やすいからと、私は念頭に卒業を据えていました。
新しい生活を始めるに当たって、今までの友人達にもすっきりと決別して、都会で一人で頑張るつもりでいました。しかし、住まいを探す段になると、当初申し込んでいた区域では適当なところが無く、紹介されたのが上石神井でした。「かみしゃくじい」と読むのだと不動産の方に言われ、暫くしてからこの地名に思い当たりました。高校の友人が年賀に書いて来ていた住所でした。思いがけず近くに高校時代の友人が1人いる事になり、心丈夫な都会住まいの門出となりました。
その後、学性時代のサークル仲間にも連絡が取れて、近しい連絡先は2件となり、通信大学の学生会の知人や履修教科で知り合った友人も出来て、仕事もあり、当初は順調な滑り出しのように思えました。しかし結局私の都会生活は破綻しました。社会的な仕事上の人間関係で躓き、当時の私は相当なダメージを受けて敢無く帰郷する事になるのですが、東京には丸2年間住んでいました。
東京で過ごしている間、私はあまり友人に連絡を取らないようにしていました。それは其々に生活があり、結婚している人もいれば彼氏のいる人もいたからでした。恋愛の先にある「結婚」という物に失敗した私が、現在恋愛中の友人や結婚している友人に何かしら悪影響を与えるのでは無いか、そう考えると、どちらかと言うと私の方で彼女達を避けていたのかもしれません。これには
「女同士の友情は結婚したら終わりだってね。」
そう言っていた、結婚当時のある友人の言葉が胸にあったからでした。
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