Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

ダンスは愉し 13

2019-02-05 09:43:12 | 日記

 「疎すぎるよ、すずちゃん。」

そんな事を2人から言われて、そうかなぁと半ば気落ちして帰宅してきた鈴舞さんです。家に着くと、落ちついて改めて自身の事をそうかなぁ?と考えてしまいました。

 確かに、先輩の橙さんとサークルのあの男性が付き合っていた事に、今日まで気が付いていなかった彼女でした。疎いかしら?そうかもしれない。でも、先輩からそんな事全然聞いた事が無いのに、と、彼女は不満に思いました。

『先輩も水臭いな、何も言ってくれないなんて。』

何時も親身になって、実のお姉さんの様に自分の面倒を見てくれた橙さんです。鈴舞さんは自室にこもると、この社会で1人ボッチになって仕舞った様な寂しさに襲われました。そして少々腹が立ってくると、

『いいわ。私だって誰か素敵な彼氏でも見つけようっと!』

そう決心すると、彼女は大学やサークルで見知っている、彼女が話をした事がある男子学生の顔を何人か思い浮かべてみるのでした。

 そんな大学1年生の予餞会の日から、半年程が過ぎた学祭の日、鈴舞さんの大学では、当時流行りのディスコがイベントとして開催されていました。普段使っていない学校の記念館がディスコのイベント会場です。鈴舞さんは同じ科で同期の女子学生と2人でこの記念館へとやって来ました。

 「行った事無いの?」

鈴舞さんの連れの、みどりさんが声を掛けました。やや驚いた声でした。

「ええそうよ、ディスコなんて、1人で行けないわ。」

それはそうね。と、みどりさん。1人じゃねと呟きました。すずちゃん、『誘われて行ったことが無いのか。』と、みどりさんは思いました。みどりさんの方は、自分のサークル仲間の何人かと誘い合わせて行った事が有ったのです。みどりさんはフォークソングのサークルに入っていて、同期の3人でギターのグループも立ち上げていました。が、今日はそのメンバーとは離れ、同じ学科で親しい鈴舞さんに付き合ってくれていました。


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