Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

三文小説(5)

2017-07-25 08:29:09 | 日記

 注意してその様子を眺めてみると、聞こえてくるのは松山君の派手派手しい声ばかりです。もう1人が何か喋っているのはその口の動きから分かります。それらしい声も聞こえます。が、その内容はよく分からないのでした。喧嘩相手の声質のせいなのでしょう。その為、松山君の声ばかりがクローズアップされ、彼自身が目立って見えるのでした。

 『あの人、確か松山君という人じゃないかしら。』野原さんは思いました。野原さんは彼の顔に見覚えがあり、彼の名前もその時迄に知っていました。何故なら、彼女はこれまでの研修中に、何人かの男性社員と松山君がグループで話す姿を見、彼らが名前を呼び合うのを聞いていたからでした。松山君のグループは、入社以前から顔見知りの友達のグループのようでした。彼等は賑やかなだけに、野原さんだけでなく直ぐに同期の人の目についたのでした。


三文小説(4)

2017-07-24 20:58:24 | 日記

 『外の世界って、驚く事ばかりね。』彼女は社会に出て一番最初に目にした同僚の男性の喧嘩に驚き、その意外な事の成り行きに呆気にとられたのでした。父の言う通りだわ。彼女は思いました。

 かつて野原さんの父は、今迄、幼少から大学卒業までを自宅通学のみで過ごした自分の娘に対して、

「学校を卒業し、社会に出て外に出たら、お前は驚く事ばかり目にする事だろう。心して置きなさい。」

と、前もって忠告して置いたのでした。

 この時、彼女はその父の言葉を思い起こしました。そしてこう言った事なのだわと父の言葉に合点したのでした。

 公衆の面前で大の大人が派手に喧嘩する、野原さんにとって生まれて初めての、目前にする光景でした。彼女は驚きながらも、その喧嘩の場所が自分の場所から離れた所であり、自分には影響を及ぼさないと感じていたので、彼等の姿を冷静に眺め始めました。


夏祭り

2017-07-24 09:09:14 | 日記

 近い所では七夕まつり、遠い所では祇園祭やねぷたまつりですね。遠い所は行った事が無いので、身近な地域の七夕祭りを書いてみます。

 一時地域の七夕祭りは仙台の七夕祭りに負けず劣らず素敵だという声がありました。その為観光客の訪問も多かったようです。

 大きな七夕が駅前の商店街の両脇にずらりと並べられ、夜の灯りの点った頃はとりわけ奇麗でした。皆夕涼みがてら地域の人達は出かけて行ったものです。フラッペや飲料を買って出店を覗いて歩く、イベントに参加する、歩行者天国になり、道路の真ん中で七夕を見上げながら気ままに歩く、等々夏の宵を楽しんだものです。私達の青春の一コマでした。

 私達の他にも浴衣を着た老若男女が皆楽し気に歩いていました。最近はどうなのでしょうか。私は近年行かなくなり、どのような状態になっているのか分かりません。

 七夕祭りは私にとって間違いなく恒例の夏の楽しみの1つでした。が、今や人波や暑さにもまれるのが億劫になってしまいました。年は取りたくないというところでしょうか。

 


三文小説(3)

2017-07-23 20:42:41 | 日記

 その時です、社員の人波を一文字にぬって、

「止めろよみっともない。」

そう大きな声を上げて1人の新入社員が喧嘩する2人に近付いて行きました。この男性が松山君でした。

 『まあ、』野原さんは微笑みました。彼女は喧嘩の仲裁が現れたと彼の事を頼もしく思いました。そして、やれやれこれで騒ぎも収まるとほっとしました。それで元通りにコーヒーを買おうと自販機の方向に目を戻しました。

 と、行き成りワーっと言う男性達の声、キャーッと言う女性達の喚声が上がりました。そして、

「やれ、やれー!」

そう焚きつける様な男性の掛け声が続きました。

 何事が起きたのだろうと、反射的に野原さんは再び喧嘩していた男性達の所へ目をやりました。そこには、先程喧嘩していた男性の1人と、もう1人と交代した松山君が、派手に殴り合いの喧嘩をしている姿がありました。周りの人達が先程より明らかに興奮しています。

 『えっ!、彼は仲裁に入ったんじゃ無いの?』とびっくりした野原さんです。喧嘩の仲裁に行った人物が、今度は交代して喧嘩を買って出ている様子です。彼女がどうなっているのだろうと驚いたのも無理ありません。野原さんは意外な事の展開に驚くばかりです。


計画的ですが…

2017-07-23 20:28:47 | 日記

 毎回夏休みの始めに計画を立てました。そして、大抵調節が必要になり、休み終了までせっせと取り組むことになった気がします。

今から振り返ってみると、計画自体が盛りだくさんに欲張った理想的なものになっていたからでしょう。無理のない物にすればよかったと思います。

理想と現実は違うといったところでしょうか、『己を知り、敵を知り』ですね、自分の呑気な性格も考慮すべきだったと思います。