葉山の四季

葉山の四季をお伝えしたいと思います。

昨日の「つぶやき」に関連して……。

2022-12-27 09:52:31 | 「がん」を読む

今日の「しんぶん赤旗」の紙面から、

冒頭の『無人島のふたり 120日以上いきなくちゃ日記』に触れている部分を文字起こししておきます。

 この秋、非常に体調が悪く、年齢的にも一時はがんを疑った。それは杞憂に過ぎなかったが、昨年急逝した山本文緒の闘病記『無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記』がすごいという噂を聞いた時、これはぜひとも読まねばと急ぎ手に取った。 筆者と山本さんは一つ違いの同世代で、決して人ごとではないのだ。
 山本さんが軽い胃の不調を感じたのは一昨年の年末。 ところが昨年4月、精密検査の結果、担当医から申し渡されたのは「ステージ4の膵臓がん、余命4カ月」の宣告だった。もはや苦しい抗がん剤治療を行ってもかいがないと知った山本さんは、治療行為を断念するとともに、日一日と短くなっていく自らの余命の記録を、日記として書き残すことを決意する。
 この日記書くのもつらかったろうが読むのもつらい。例えば昨年6月6日の項にはこう書いてある。
 寝ても寝ても眠い。/お昼前に一度起きたが、倦怠感半端なく午後もまた寝る。夜になって少しマシになり、起き上がって夕食。/食後、夫と録画してあった『アメトーーク!』 を見る。/アッハッハと笑って全部見終わった
ら気持ちが無防備になったのか『あー、体だるい。 これいつ治るんだろう』と思ってしまい、『あ、そういえばもう治らないんだった。悪くなる
一方で終わるんだった』と気が付いてだーっと泣いてしまった」
 「そういえばもう治らないんだった」という気づきに日々耐えることのつらさ。 そして山本さんは本書を書き上げることで、がん患者のリアリティーを見事言語化したのである。作家の仕事であると言っていいだろう。

 

『無人島のふたり 120日以上いきなくちゃ日記』

無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―

無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―

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コメント (2)
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