今回の第一目的は、パラッツォ・バルベリーニ(国立古典絵画館)で開催されているカラヴァッジョ《マッフェオ・バルベリーニの肖像》特別展示であり、既に開館時(10:00)のオンラインチケットも入手していた。ホテルから歩いて5分もせず、早くも開館の前に着いてしまった。
パラッツォ・バルベリーニ(国立古典絵画館)
前回は2016年5月に訪れているから...約9年ぶり? やはり、展示の様子も変わっていたのだ。
1階(0階)の入館受付でスタッフの女性から、そっちの部屋から、と指さされた。受付のすぐ後ろに続く部屋には今まで入ったことがない。多分、近年室内を改修し、ローマ教皇を輩出したバルベリーニ家の歴史を披露する展示室にしたのではないかと思った。
特に興味深かったのは柱の壁の人物で、これってマッフェオ・バルベリーニなんじゃない??
ポーズがカラヴァッジョ作品によく似ていて、もしかして、カラヴァッジョ作品を基にして描かれたのかもしれない??と勝手に想像してしまった
このバルベリーニ家展示についてはサクッと見て、少々早る気持ちで常設展示の2階(1階)に向かう。まぁ、基本的には時系列展示だからバロックまでの道のりは長い。ルネサンス有名どころなど(ラファエッロ《フォルナリーナ》など)もずずーっと眺めながら、ようやくバロック展示室にたどり着いた。
で、やはり前回と展示の仕方が異なっていた。カラヴァッジョ作品を中心にして周りをカラヴァッジェスキ作品が取り囲むような展示になっていた。
が、とりあえず、カラヴァッジョ作品だけ並べるので悪しからず
カラヴァッジョ《ホルフェルネスの首を斬るユディット》(1602年)国立古典絵画館
カラヴァッジョ《瞑想する聖フランチェスコ》(1605年)国立古典絵画館
で、今回驚いたことがある。なんと!絵画館側が《ナルキッソス》の作者表記に、遂に「?」を付けたのだ!!
MICHELANGELO MERISI,detto CARAVAGGIO?《ナルキッソス》(1597-98年)国立古典絵画館
解説にも「作者について大きな疑義があり、有力な帰属画家候補の一人がスパダリーノ(Givanni Antonio Galli)である」とあった。通常、所蔵美術館は「あらまほし」的見地から作者名を表記するものだが、今回の絵画館側の「?」表記は英断と言っても良いのでは?と思ってしまった。まぁ、スパダリーノ説は裏通説のようなものだったから驚くほどでもないのだが、それを絵画館側が認めたことが画期的だったのだ。
それと、こちら↓は嬉しい驚きもあり...。コルシーニ美術館所蔵の《荒野の洗礼者聖ヨハネ》が一緒に展示されていたのだ!!
カラヴァッジョ《荒野の洗礼者聖ヨハネ》(1604年頃)コルシーニ美術館
久しぶりにしみじみと眺め、眼下の陰影に目を凝らすと、ネルソン・アトキンズの聖ヨハネに目元が似ているなぁと思う。制作年もほぼ同じ頃と推定されているし、やはりモデルは同一人物かもしれない。
ということで、たっぷりカラヴァッジョ&カラヴァッジェスキを味わい、展示室の向こうに目をやった。扉の向こうには《マッフェオ・バルベリーニの肖像》特別展示室があった。
https://catalogo.fondazionezeri.unibo.jp/scheda/opera/48959/Gherardi%20Antonio%2C%20Cardinale%20Maffeo%20Barberini%20presiede%20ai%20lavori%20di%20bonifica%20del%20lago%20Trasimeno
https://www.viaggiatricecuriosa.jp/2018/06/12/gli-arazzi-di-urbano-viii-barberini-e-la-storia-dellarazzeria-di-famiglia/
なお、私もローマに行く時はバルベリーニ広場に近いホテル(アングロ・アメリカーノ)に泊まっています。トリトーネの噴水が好きなことと交通の便が良いため。しばらく行っていませんが、ホテル代がどれほど高くなったのかが怖い。
https://barberinicorsini.org/caravaggio-2025/