パラッツォ・マッシモ(国立考古学博物館)を出ると目の前には地下鉄のテルミニ駅が見える。ということで、地下鉄A線でフラミニオ駅に向かう。フラミニオ駅を出てすぐのポポロ門をくぐると、門に隣接してサンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂が建っている。
サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂
聖堂内には複数の礼拝堂があるが、多分、一番有名なのはキージ礼拝堂だろう。ラファエッロ設計にベルニーニ装飾というだけでなく、小説&映画「ダ・ヴィンチ・コード」に登場して一躍有名になってしまったし。
キージ礼拝堂
しかし、カラヴァッジョ好きなら、もちろん!チェラージ礼拝堂である
チェラージ礼拝堂。中央にアンニバレ・カラッチ《聖母被昇天》、向かって右にカラヴァッジョ《サウロの回心》、左に《聖ペトロの磔刑》
カラヴァッジョ《サウロの回心》(1600-01年)
カラヴァッジョ《聖ペテロの磔刑》(1600-01年)
カラヴァッジョ追っかけを始めた頃、当時修復中のこの礼拝堂で、無造作に下に置かれた《サウロの回心》と《聖ペテロの磔刑》を観た時の衝撃を今でも思い出す。神の光を浴びるサウロの沈黙のストップモーション、十字架の聖ペテロを担ぐ男の足裏の汚れ...。シュールなリアリズムと泥臭いリアリズムが強烈なインパクトを放ちながら並んでいた。
その後何度も観てはいるが、2009年ボルゲーゼ美術館「Caravaggio/Bacon」展のメインギャラリーで「作品」として観た時、その「作品」としての実力も再認識できた。でもね、やはりチェラージ礼拝堂で、この3枚の祭壇としての並びで観るのが一番正しい。
ということで、久しぶりにしみじみと祭壇画として鑑賞することができたのだった。