時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

ミュージカル『ラスト・ファイヴ・イヤーズ』

2010-04-07 | 舞台/役者
出会った頃のこの恋は
きらめく宝石のようだった
そんな幸せな時から
5年の月日が流れ…

小説家としてスターダムへと駆け上がり
希望溢れる男・ジェイミーは
出会いから別れの日へ
5年間の物語を語り

女優の夢を諦めた女・キャサリンは
別れから出会いの日へ
時間を遡る5年間の物語を遡る

出会ったあの日の輝きは変わらずに
対照的な二人の心が描き出される


基本的に
ミュージカル苦手なんですけど
ラスト・ファイヴ・イヤーズ
これ好き

5年に渡る二人の歳月を
ジェイミーは
時間の経過のままに語り
キャサリンは
時を遡って語る

ジェイミーにとって
キャサリンは
唯一愛する女性であり
彼女の女優としての成功も願っています
例え
キャサリンの夢が挫折したとしても
彼女を愛し共に生きて行きたい
心底そう思っている
めちゃくちゃ良い奴です

一方
キャサリンにとっても
ジェイミーは最高の男性であります
ですが
彼女には
ジェイミーが自分本位というか
何をするにも自分が一番
自分が大切と思っている風がちょいと不満らしい
それは
常に大空を飛ぶ鳥の如く
才能を開花させているジェイミーに対する嫉妬もあるのか?

勿論
仕事と趣味が同じで
充実していることにジェイミーは
大変満足しているし
だからといって
キャサリンをないがしろにしているつもりは
もうとうない!

逆に
キャサリンは
自分には
女優としての才能があり
ブロードウェイで成功して
輝かしい人生を歩むんだ!
専業主婦に納まり子育てしたり
サンダル履いて買い物するような
そんな女性にはなりたくない!
と思っているのです

ハッキリ言って
ジェイミーより
キャサリンの方が自分本位です

ジェイミーが
キャサリンとの仲を
一生懸命修復しようと心を開いているのに
聴く耳もたないキャサリン…

最終的にジェイミーは
キャサリンの元を離れます
でも
愛する気持ちをキャサリンに抱いたまま
二度とキャサリンを愛したように
人を愛することはないだろうなんて言うんです
ななり傷心のジェイミー
自分がキャサリンの傍らにいることで
彼女の気持ちを不安定にしているのなら
自分が去るしかない…

方や
ジェイミーが去って
自分の過ちに気づくキャサリン
でも
そのい言い訳が
‘会話不足’‘些細な誤解’
みたいな事を言ってるんですよ!

そういう態度とったのは
あ・な・た



二人が同じ舞台にいるのに
同じ時の流れを
真逆から演じていくわけですね~
唯一二人の時がクロスするのは
結婚式の場面のみ!
この構成がとても素敵なんです

観客は
恋の始まりから終わりを
同時進行で知ることになります
切ないですよぉ~
すんなり二人が作る世界に入り込んでしまいました

山本耕史さんの演技力の高さは
言うまでもなくスンバらしい
ミュージカル作品にも
数多く出演されており
その歌唱力も定評あるとは存じておりましたが

おりましたが…

素敵!


軽やかなダンスも
バク転も
コミカルな演技も
素敵!


惚れた!

坂崎磐音を演じた山本耕史にも惚れたけど
ジェイミーを演じた山本耕史にも惚れた!

そして
別れから
出会いの日を遡るキャサリンを演じた
村川絵梨さん
この役は
難しかったと思いますよ

感情の持って行き方を
絶妙にコントロールしてらっしゃいました
お見事です!

また観たい!
再演願います!