時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

居眠り磐音 江戸双紙27 ~石榴ノ蝿~59

2010-04-20 | 読書

回を追うごとに
文章が
長くなってきている気が…

今回も長いッス

あしからず


磐音の心には
おこんしかいない
愛する‘女性(にょしょう)’は
おこん只ひとり

なんだけど

奈緒が幸せであり続けなければ
己の幸せもない
と思う傾向があります

これは
おこんさんも同じ

だからこそ
前作「紅花ノ邨」で
磐音を出羽山形へ行かせたのだと思うのです

今後
二度と出羽山形で
特に
紅花商前田屋周辺で騒動が起こりませぬ様
お願いしたいもんです

また
江戸に戻った夜

奈緒が
夫・磐音に顔を見せなかったと聞き
その心中を察すると言うおこんは…

「奈緒様は
 未だ磐音様にお気持を残しておられるのです」

磐音は
「おこん こちらにこぬか…
 奈緒どのは奈緒どのの選んだ道を歩かれた
 それがしはまたそれがしの道を進んだ
 そして そなたと結ばれた
 二人はそれぞれに別々の道を歩く運命にあったのじゃ
 おこん それがしの女房はそなただけなのじゃ 
 過ぎ去った昔に拘りすぎると 手中の幸せを失うことになる
 分かるな おこん」

と語りかける場面があるんですが…

だったら
おこんさんに辛い思いをさせないで
山形くんだりまで行くなよぉ~
佐々木磐音ぇ~
言ってる事とやってる事
矛盾してないかい?
と言いたいσ(^^;)

まぁ~
この下りの後

「旅をしてよう分かったぞ」
「なにがでございますか」
「磐音はそなたに心から惚れておる」

と惚気てくれたから
許してあげるよ(笑)

そうそう
山形を後にした
磐音と吉原会所の園八&千次が
もうすぐ江戸って所・千住掃部宿で
大村源四郎という若侍を助けるんですが
なにやら
どこかの大名家が絡んでいるらしい雰囲気…

霧子&弥助の調査によれば
常陸麻生藩・新庄駿河守直規派と
別家・修照派に分かれての
家督争いらしい

一介の剣術家・佐々木磐音が
関ることではなと判断し
この件は
弥助が速水左近に報告すると言う事で
磐音は
さっさとこの件を忘れることにします

がぁ~

話 飛びます

一難去ってまた一難
蘭方医・桂川国瑞が妻の桜子を伴い
尚武館道場へやって来た

国瑞と云えば
西の丸様こと家基

そう

あれです

‘約定其ノ弐’

催促です

いつぞや
阿蘭陀商館長と
医師であり
スゥエーデン人植物学者でもある
ツュンベリーら御一行を
磐音が
密かに大川船遊びに連れ出した事を聞きつけ

阿蘭陀医師が船遊びに興じたのであれば
予ができぬということもあるまい!
江戸を忍びにて散策したいと佐々木磐音に伝えよぉ~


だそうです


家基
駄々こねとります

となると
田沼意次が
長らく神妙にしている訳がにゃい
桂川家に住まう見習い医師・園田高晃を
引き入れて
‘約定其ノ弐’実行の折
西の丸様暗殺を企てます

弥助の気転で
事無きを得ますが
園田高晃の裏切りを知った国瑞は
激怒です

園田高晃を逆に使って
偽情報を田沼意次サイドに流します

と盛り上がってきた所に
KY登場(←空気読めない人のことなんでしょ?)

直規派の大村源四郎を助けた折
恥をかかされた
直照派の垣田丁五郎の雇われ浪人
初実剣理方一流・菱沼佐馬輔…
忙しい時に
来たよ

尚武館道場に…

まぁ~
行間勿体無いので
一瞬にして
決着着きましたけど…

でも
若先生は優しいよぉ~
右拳を痛めた菱沼佐馬輔を
桂川国瑞の元に行かせるし
手荷物やらを
重富利次郎が持って行ってあげるし…

またまた話 飛びます(戻ります)

前倒しで
‘約定其ノ弐’決行です!
接待役はなんと
佐々木おこん

夫婦揃って大活躍です
でも
おこんさん以外に
この度の接待役
全う出来る女人はおられませぬ

家基は
早朝の魚河岸を眺め
佐々木家名物朝粥を食し
屋根船は
幕府の御米蔵~御厩河岸ノ渡し~竹町ノ渡~吾妻橋を潜り
浅草寺の五重塔を見ながら竹屋ノ渡しへと向います
吉原近くを通り過ぎ
浅草今戸町 山谷堀へ…

そこは
‘約定其ノ壱’でオプション登場した
桜餅が食べられる大黒屋がある場所!
桜の名所・長命寺であり八代将軍徳川吉宗縁の地
無事
お参りを済ませ
桜餅を食し
再び屋根船で移動
富岡八幡宮に参拝後に
永代寺界隈散策
そして
長屋に住む庶民の暮らしを熱心に眺めます

なんとまぁ~金兵衛さんが…
知らないという事は恐ろしいですね~
金兵衛さん
次期将軍・家基を‘こいつ’呼ばわりです

結局
四半時かけて
鰻屋・宮戸川まで歩いた家基ご一行
磐音は
家基の前で鰻割きの実演を披露
皆で鰻を食し
無事
お城へと戻りました

城下での一日
かなり
予想以上に満喫されたようです
さぞや見聞を広げた事でありましょう

帰り際
鉄五郎親方に

また参るぞ

と言ったとか言わないとか…



端唄と三味線の手習いを
始めているおこんさんですが
大変そうです

この巻では
霧子さん大活躍です
剣術修行に迷いが生じた重富利次郎に
立ち直る手助けをしたり
磐音のお供に出かけた折には
町中での騒動をササッと片付け
周囲から拍手喝采!
鰻屋宮戸川では
食い&飲み逃げしようとしていた浪人たちを
一網打尽
実は
手配中の悪党でした
お手柄です!
次期将軍家基様のお忍び社会見学にも
密かに同行
こちらでも大活躍です
ご苦労様でした

南町奉行所定廻り同心・木下一郎太に
春が訪れた感じです
お相手は
北町与力瀬上菊五郎の次女・菊乃さん!
一太郎とは幼馴染
果てさて今後の成り行きが楽しみです

神田・神保小路・直心影流尚武館佐々木道場
佐々木玲圓と養子縁組した磐音
御公儀とも深い繋がりを持つ佐々木家の跡継ぎとなりました
が~
相変わらず
南町奉行の役人として
年番方与力・笹塚孫一に使われとります