時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

オーケストラ! 44

2010-04-25 | 映画
かつて
ボリショイ交響楽団の
天才指揮者だったアンドレは
ある事件が原因で
キャリアの絶頂期に職を追われ
今はしがない清掃員として劇場で働いていた



ある日
アンドレは
支配人の部屋を掃除中
パリのシャトレ劇場から
出演できなくなった楽団の代わりに
出演して欲しいと言う
依頼FAXを偶然目にします

パリ!公演!!

アンドレは
クビになったかつての楽団仲間を集め
ボリショイ交響楽団のオーケストラに成りすまし
パリに乗り込もうと思いつく
早速
元チェロ奏者のグロスマンに話を持ちかけるが…



ロシアの空港ロビーで
堂々とパスポートの偽造して
そのままフランスへ…

ありえない


パリ・シャトレ劇場での演目は
チャイコフスキー

チャイコフスキーだって!?
絶句する元団員達

ソリストに指名されたのは
パリ在住の
ヴァイオリニストのアンヌ・マリー

彼女が演奏しなければ
公演はしない!

そう言い切るアンドレ



再び
音楽で輝きたいという
思いとは別に
アンドレには思惑があったのです

何故
アンドレはパリに拘るのか
チャイコフスキーに
アンヌ・マリーに固執するのか
そもそも
30年前
アンドレ達に起きた事件とは何だったのか



チャイコフスキーを
一度も演奏したことがない
アンヌ・マリーは
リハーサルもなしで本番にのぞもうとする
アンドレ達に不安を抱く

そんなアンヌ・マリーのアパルトマンへ
グロスマンがやって来た

演奏すれば
君の両親のことがわかるかもしれない

両親?
どう言うこと?


本番当日
リハーサルに参加せず
パリの街で
思い思いに楽しんでいたメンバー達の携帯に
メッセージが送られた

レアのために
劇場に集まれ!




音楽から離れざるをえなかった
楽団員たちは
アンヌ・マリーの奏でる
ヴァイオリンの音色に
30年前の悲劇を想いを馳せる

レア…

悲運の果てに
この世を去った同僚への思いと共に
再び
楽器を手にする喜びを
思いのたけをこめて
彼らの演奏が最高潮に達する

ラストに演奏される
チャイコフスキー「名曲ヴァイオリン協奏曲」
良いですよ~

ブレジネフ政権下
ユダヤ人の排斥が強行され
彼らをかばった
ロシア人までもが弾圧・冷遇された
その悲劇に
アンヌ・マリーが絡んでいます
そしてレア
彼女は
アンドレによって
チャイコフスキーに魅入られてしまった
悲劇のヴァイオリニストだったのです



演奏していく中で
アンヌ・マリーも
レアが誰なのか
自分が何故パリにいるのか
楽団員の
アンドレのコンサートにかける
音楽に対する思いを理解するのです

感動ですよ

パリでの大成功の後
このにわか楽団とアンヌ・マリーらは
ドイツ・日本・オーストラリア・アメリカ・ロシアと
世界中演奏して回ることにまります
ロシア滞在中
アンドレ夫妻の家で
両親の写真が
沢山貼られたアルバムを見ながら
楽しそうに語らうアンヌ・マリーの姿も映し出されます

個人的には
もっと沢山演奏シーンを
見たかった&聴きたかったです