時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

居眠り磐音 江戸双紙29 ~冬桜ノ雀~62

2010-04-26 | 読書
木枯らしが吹き
江戸が寒気に包まれる頃
佐々木磐音夫妻は
神保小路の尚武館道場で
穏やかな日々を過ごしております

大工の棟梁・銀五郎から
千鳥ヶ淵一番町の御屋敷に咲く
寒緋桜が見事だと聞きた磐音が
おこん・霧子・早苗を誘い
花見に出かけます
その寒桜は
高家瀬良播磨守定満の屋敷にありました
一同
白梅にも似て凛とした佇まいに
見惚れておりましたところ

瀬良播磨守定満が乗り込む駕籠に
神沼家の家臣が走りより
瀬良家が借りた
神沼家に伝わる千宗易縁の茶道具を
返した返さないと口論が始まります
一度は
磐音が仲裁しますが
欲に目が眩んだ瀬良定満…
借りたものは返しましょうね
嘘は駄目です嘘は!
不正を許さぬ佐々木磐音

上役には
とことんへつらう瀬良定満の性格を逆手に取って
磐音経由
御側御用取次速水左近より
バッサリ!

豊後関前藩の千石船を餌に
盗賊一味を一網打尽にするなんつー
南町奉行所・年番方与力・笹塚孫一の
捕り物話もありますが
こちらは
勿論
佐々木磐音の全面的協力の賜物です
定廻り同心・木下一郎太も
いい加減
磐音の助勢は控えた方が…
と言ってるんですけどね(笑)
おこんさんの視線も
日増しに厳しくなっております

新たな展開としては
ゆうに齢百歳を超える
盲目の剣士
タイ捨流丸目喜左衛門高継なる人物が出現
共は
西国肥後・阿蘇
遊摩衆の忍・歌女
丸目高継の孫娘らしい…

まるで
山田風太郎の『魔界転生』です
とうとう
妖術遣いまで登場してしまいました

よりによって
この妖魔
田沼意次の意向を持って
徳川家基を呪い殺そうとするんですね~

妖魔と化した宮本武蔵柳生十兵衛
みたいな…

今後の展開
明るくはないわね

長屋暮らしをしていた
坂崎磐音の頃が
読んでて楽しかったかなぁ~