時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

居眠り磐音 江戸双紙27 ~石榴ノ蝿~59

2010-04-20 | 読書

回を追うごとに
文章が
長くなってきている気が…

今回も長いッス

あしからず


磐音の心には
おこんしかいない
愛する‘女性(にょしょう)’は
おこん只ひとり

なんだけど

奈緒が幸せであり続けなければ
己の幸せもない
と思う傾向があります

これは
おこんさんも同じ

だからこそ
前作「紅花ノ邨」で
磐音を出羽山形へ行かせたのだと思うのです

今後
二度と出羽山形で
特に
紅花商前田屋周辺で騒動が起こりませぬ様
お願いしたいもんです

また
江戸に戻った夜

奈緒が
夫・磐音に顔を見せなかったと聞き
その心中を察すると言うおこんは…

「奈緒様は
 未だ磐音様にお気持を残しておられるのです」

磐音は
「おこん こちらにこぬか…
 奈緒どのは奈緒どのの選んだ道を歩かれた
 それがしはまたそれがしの道を進んだ
 そして そなたと結ばれた
 二人はそれぞれに別々の道を歩く運命にあったのじゃ
 おこん それがしの女房はそなただけなのじゃ 
 過ぎ去った昔に拘りすぎると 手中の幸せを失うことになる
 分かるな おこん」

と語りかける場面があるんですが…

だったら
おこんさんに辛い思いをさせないで
山形くんだりまで行くなよぉ~
佐々木磐音ぇ~
言ってる事とやってる事
矛盾してないかい?
と言いたいσ(^^;)

まぁ~
この下りの後

「旅をしてよう分かったぞ」
「なにがでございますか」
「磐音はそなたに心から惚れておる」

と惚気てくれたから
許してあげるよ(笑)

そうそう
山形を後にした
磐音と吉原会所の園八&千次が
もうすぐ江戸って所・千住掃部宿で
大村源四郎という若侍を助けるんですが
なにやら
どこかの大名家が絡んでいるらしい雰囲気…

霧子&弥助の調査によれば
常陸麻生藩・新庄駿河守直規派と
別家・修照派に分かれての
家督争いらしい

一介の剣術家・佐々木磐音が
関ることではなと判断し
この件は
弥助が速水左近に報告すると言う事で
磐音は
さっさとこの件を忘れることにします

がぁ~

話 飛びます

一難去ってまた一難
蘭方医・桂川国瑞が妻の桜子を伴い
尚武館道場へやって来た

国瑞と云えば
西の丸様こと家基

そう

あれです

‘約定其ノ弐’

催促です

いつぞや
阿蘭陀商館長と
医師であり
スゥエーデン人植物学者でもある
ツュンベリーら御一行を
磐音が
密かに大川船遊びに連れ出した事を聞きつけ

阿蘭陀医師が船遊びに興じたのであれば
予ができぬということもあるまい!
江戸を忍びにて散策したいと佐々木磐音に伝えよぉ~


だそうです


家基
駄々こねとります

となると
田沼意次が
長らく神妙にしている訳がにゃい
桂川家に住まう見習い医師・園田高晃を
引き入れて
‘約定其ノ弐’実行の折
西の丸様暗殺を企てます

弥助の気転で
事無きを得ますが
園田高晃の裏切りを知った国瑞は
激怒です

園田高晃を逆に使って
偽情報を田沼意次サイドに流します

と盛り上がってきた所に
KY登場(←空気読めない人のことなんでしょ?)

直規派の大村源四郎を助けた折
恥をかかされた
直照派の垣田丁五郎の雇われ浪人
初実剣理方一流・菱沼佐馬輔…
忙しい時に
来たよ

尚武館道場に…

まぁ~
行間勿体無いので
一瞬にして
決着着きましたけど…

でも
若先生は優しいよぉ~
右拳を痛めた菱沼佐馬輔を
桂川国瑞の元に行かせるし
手荷物やらを
重富利次郎が持って行ってあげるし…

またまた話 飛びます(戻ります)

前倒しで
‘約定其ノ弐’決行です!
接待役はなんと
佐々木おこん

夫婦揃って大活躍です
でも
おこんさん以外に
この度の接待役
全う出来る女人はおられませぬ

家基は
早朝の魚河岸を眺め
佐々木家名物朝粥を食し
屋根船は
幕府の御米蔵~御厩河岸ノ渡し~竹町ノ渡~吾妻橋を潜り
浅草寺の五重塔を見ながら竹屋ノ渡しへと向います
吉原近くを通り過ぎ
浅草今戸町 山谷堀へ…

そこは
‘約定其ノ壱’でオプション登場した
桜餅が食べられる大黒屋がある場所!
桜の名所・長命寺であり八代将軍徳川吉宗縁の地
無事
お参りを済ませ
桜餅を食し
再び屋根船で移動
富岡八幡宮に参拝後に
永代寺界隈散策
そして
長屋に住む庶民の暮らしを熱心に眺めます

なんとまぁ~金兵衛さんが…
知らないという事は恐ろしいですね~
金兵衛さん
次期将軍・家基を‘こいつ’呼ばわりです

結局
四半時かけて
鰻屋・宮戸川まで歩いた家基ご一行
磐音は
家基の前で鰻割きの実演を披露
皆で鰻を食し
無事
お城へと戻りました

城下での一日
かなり
予想以上に満喫されたようです
さぞや見聞を広げた事でありましょう

帰り際
鉄五郎親方に

また参るぞ

と言ったとか言わないとか…



端唄と三味線の手習いを
始めているおこんさんですが
大変そうです

この巻では
霧子さん大活躍です
剣術修行に迷いが生じた重富利次郎に
立ち直る手助けをしたり
磐音のお供に出かけた折には
町中での騒動をササッと片付け
周囲から拍手喝采!
鰻屋宮戸川では
食い&飲み逃げしようとしていた浪人たちを
一網打尽
実は
手配中の悪党でした
お手柄です!
次期将軍家基様のお忍び社会見学にも
密かに同行
こちらでも大活躍です
ご苦労様でした

南町奉行所定廻り同心・木下一郎太に
春が訪れた感じです
お相手は
北町与力瀬上菊五郎の次女・菊乃さん!
一太郎とは幼馴染
果てさて今後の成り行きが楽しみです

神田・神保小路・直心影流尚武館佐々木道場
佐々木玲圓と養子縁組した磐音
御公儀とも深い繋がりを持つ佐々木家の跡継ぎとなりました
が~
相変わらず
南町奉行の役人として
年番方与力・笹塚孫一に使われとります

劇団☆新感線「薔薇とサムライ」

2010-04-19 | 舞台/役者
時は17世紀
場所は日本を遠く離れた
イベリア半島の一小国コルドニア王国

その領海で暴れまわっている
海賊の石川五右衛門は
同じく
その界隈を荒らしている
女海賊アンヌ・ザ・トルネードと戦友になり
彼女の船で用心棒をすることになる

とある港町で
五右衛門は
彼をつけねらう賞金稼ぎ
デスペラード豹之進と戦う羽目に
しかもその隙を突かれ
アンヌは
城の兵士に捕らえられてしまう

城に連れて行かれたアンヌを待っていたのは
王家復活を願う将軍ガファス

貴女こそ 王家の血を引く皇女!

ラーカム・デ・ブライボン大宰相
王の血筋が途絶えた今は
彼が国を仕切っていた
だが
アンヌの出現に
戸惑うことなく
アンヌに王になれと告げる



城に入ったアンヌは
将軍ガファスの妻であり
侍女のエリザベッタから
貴婦人教育を受けるはめに

社交界デビューのダンスパーティーで
隣国の王子
シャルル・ド・ボスコーニュは
彼女にひとめぼれをする
そして
アンヌを心配して潜入していた
五右衛門の姿が…

貴族に変装していた
五右衛門のことが気になり
うるさくつきまとう
大宰相の孫娘のポリー・デ・ブライボン

それぞれの思惑が交錯する中
女王としての立場に目覚めていくアンヌは
ついに‘海賊討伐令’を発布
彼女自ら甲冑を着込み軍を率い
かつて仲間だった
海賊たちに戦いを挑むことになってしまう

海賊仲間を守るため
アンヌと対決する五右衛門
国王と海賊
立場を分かつ二人の誇りと意地が激突する

だが
女王擁立の裏には
大宰相の国家的陰謀があった

五右衛門とアンヌ
果たして二人の運命やいかに!



女海賊アンヌ・ザ・トルネードの時は
栗毛色の髪だったのよぉ~
それが…
キャ~
近衛兵の制服を身にまとい
風になびくブロンドの髪…
まんま
オスカルだよぉ~


このあたりは
演出家いのうえひでのり氏の遊び心?

気がつけば
ミュージカル絡みの舞台が3本
立て続けです
ですが
真骨頂と云うか
お家芸と云うか
流石
劇団☆新感線

ノーマルな台詞と
ミュージカル仕立ての台詞が
程よくミックスされており
違和感なし!
映像・音楽・演劇が
見事に融合しておりました
ギャグもオチも
これぞ
劇団☆新感線って感じでした

音楽に載せて台詞を発すると
正直
何言ってんだか
聞き取れない役者が多い中
実に
実に明瞭に聴き取る事が出来るんですね~
‘聞き取る’じゃなくて‘聴き取る’

アンヌを演じられた
天海祐希さんと
シャルル王子を演じられた
浦井健治さん
この二人の
音楽に乗って発する台詞の滑舌の良さは
ダントツです

すご…い


        

宝塚時代の天海祐希さんは
全然興味なかったんですけど
退団以降
俄然注目の女優さんのひとりとなりました
そして
今回改めて
惚れ直しました (∩_∩)ゞ

強いて言うなら
天海さんの殺陣に迫力がなかったことくらいかな?
西洋のドレスを身にまとう
劇団☆新感線の舞台は
今回初めて観劇させて頂きましたが
なかなかどうして…
面白いじゃ~あ~りませんか


話題は飛びますが
『BOSS』シーズン2やらないのかなぁ~ 

今更だけど
天海さん
膝から下が長い!
カッコいい
やっぱ惚れるわ~

居眠り磐音 江戸双紙26 ~紅花ノ邨~58

2010-04-18 | 読書
百日紅が咲き誇り
江戸が晩夏に移ろう頃
佐々木磐音は
吉原会所の若い衆・園八&千次と共に
一路
奥州道中を北へと向かっていた

出羽山形です

奈緒嫁ぎ先
紅花大尽前田屋お取り潰しの危機!
よもやここに来て
豊後関前藩お家騒動と類似した事件が
奈緒の身の上に降りかかろうとは…

山形藩主・秋元但馬守永朝
江戸に参勤の折
山形藩の財政を立て直さんとは名目ばかり
‘紅花専売制’を企み私服を肥やそうとする
主席家老・舘野十郎兵衛忠有と紅花商人奥州屋徳兵衛が
水戸黄門の‘印籠’に匹敵する‘紅花文書’を手中に収めんと
前田屋を窮地に追い込む!
その上
舘野家嫡男・桂太郎なる阿保が
奈緒に懸想してよからぬことを考えているらしい

紅花商人首座・前田屋内蔵助は
紅花商人としての証‘紅花文書’を守るため
と同時に
愛しい女房・奈緒を守るため
奈緒を密かに山形から逃がすのであります

主席家老・舘野十郎兵衛忠有らは
紅花商人首座・前田屋内蔵助を拷問にかけ
内蔵助が託したであろう‘紅花文書’を持つ
奈緒の行方を問いだすのでありました

傾いた前田屋を
一代で立て直した内蔵助
流石です
そんじょそこいらの商人とは訳が違う
技量が違う!
死の淵をさ迷いなが
決して奈緒の所在を語ろうとはせず…
男だぜい!

運命に翻弄され
吉原で花魁・白鶴太夫になり
前田屋内蔵助と心を通わせ
目出度く落籍
江戸から遠く離れた山形で
紅花商人の妻となり
心穏かに幸せに暮らすはずが…

田沼意次の動きも気になりますが
佐々木磐音
ここで立ち上がらんでどうする!

おこんさんの許しも得て
久々
自ら渦中に飛び込みます

今更
他人の妻になった‘にょしょう’に
そこまで…
とは思わないでもない!
しかし
そこが佐々木磐音が
佐々木磐音たる所以…

前田屋内蔵助が奈緒を娶るまで
そして
娶ってからの内蔵助の変貌なんぞが
前田屋の歴史を知る旅籠最上屋彦左衛門から語られます
内蔵助にとって
奈緒の存在が
どれだけ大きなものか
心の支えであるのか
磐音は知るのです

救出される場面

「坂崎様」
「なんでござるな」
「奈緒には会われましたか」
「内蔵助どのに断りもなく会うことはでき申さぬ」
「坂崎様」
「…」
「そなた様が羨ましゅうございます」
「なぜにござる」
「奈緒は過ぎた嫁にございます さりながら 奈緒の心を捉えた男子はただ一人
 坂崎磐音なり御仁にございます」
「内蔵助どの 坂崎磐音はもはやこの世から消え申した」

紅花の咲く丘
磐音と磐音に背を向けたままの奈緒

「奈緒どの」
磐音の呼びかけに
奈緒の背がびくりと動いて氷りついた
その姿勢のまま呟く声がした
「磐音様」
「いかにも 佐々木磐音でござる」
「おこん様と祝言を挙げられたと風の便りに聞いておりました」
「坂崎磐音はもはやこの世におらぬ」
「いえ 奈緒の心には永久におられます」

奈緒を心底
愛しいと思いながら
奈緒の気持が坂崎磐音と言う
男にあると察する内蔵助の心情

今だ
心から消え去ることの出来ない
坂崎磐音を目の前にして
その姿を見ることなく
姿を消した奈緒の心情

実に
せつのうございました

ですが
佐々木磐音は知ります

内蔵助から託された‘紅花文書’を守り
内蔵助が捕らわれの身にある中
紅花摘みと商いを
内蔵助に代わって
陣頭指揮をする奈緒の思いを

新しい商いを模索しつつ
商人の妻として生きようとしている
奈緒の思いを

だからこそ
奈緒は…


個人的には
山形藩お家騒動の結末を語るだけでなく
死の淵から生還した
内蔵助と磐音が暫し語らう…
下りが欲しかった

デス

しかし…
思い思われ
愛の形も様々なれど
切なさが残る

ですが
佐々木磐音の心中は
既に江戸に向っております

愛しい愛しい恋女房・おこんに
会いたくて会いたくて
たまらんようです

磐音ぇ~
子作りに励めぇ~


三味芳六代目・鶴吉が
商い第一弾として
おこんの義母・おえいに
三味線を新調&進呈します
始めは
躊躇していたおえいも

「義母様!おこんは覚悟をいたしました
 なにが何でも文字きよ師匠のお弟子になります!」

と云うおこんにほだされ

端唄を始めることになります

おこんさんとしては
自分がそうでも言わないと
おえいの決心がつかないと思ったようです


昔取った杵柄と申しますか
おえい殿は
なかなかどうして才がおありのようです

問題はおこんさん?

後から
『問題は私のようだわ』
と内心呟くおこんさんでしたとさ…

シャッター アイランド 41

2010-04-17 | 映画
全ての謎が解けるまで
この島を出る事はできない

精神を病んだ犯罪者だけを収容する島
シャッター アイランド

窓に鉄格子
扉には鍵
24時間監視されている病室から
一人の女性患者が煙のごとく姿を消した
部屋に残された謎めいた暗号
いったいそれは何を意味しているのか?


                 

連邦保安官テディ・ダニエルズは
相棒のチャックとともに捜査に訪れる
自ら失踪事件の担当になることを志願した彼には
シャッター アイランドを目指す
もうひとつの目的があった
愛する妻を死に追いやった
アパートの火災
その放火犯が
島に収容されていると知ったテディは
復讐を胸に秘めてここへやって来たのだ
しかし
彼を待ち受けていたのは
数々の謎だった


                 

捜査を進める
彼の前に立ちはだかる数々の謎
消えた患者が残した暗号「4の法則」
まるで
セリフのように
同じ証言を繰り返す囚人たち
何かを隠す職員

突然休暇を取り島を去った医師
連邦保安官であるにもかかわらず
没収された武器
見つからない妻の仇・放火魔レディス
厳重に警備された廃灯台
そして
患者から手渡されたメモ…


                 

「この島は何かがおかしい」
そう思うテディだが
その謎は解けば解くほど深まり
ついに
島に閉じ込められてしまう
果たして
その行く手には
何が待ち受けるのか?

この島は何をたくらみ
何を望んでいるのか?


                 

マーティン・スコセッシ監督
      ×レオナルド・ディカプリオ

二人が贈る謎解きミステリー
だそうです

二人がタッグを組んだ作品は
『アビエイター』に引き続き2本目かな?

だ~い
どんでん返し~~

何が正しいのか
どの描写どの場面が現実なのか
話が進むにつれ
何がなんだか
迷宮のラビリンス…
何処までも続く
螺旋階段

みたいな…



正統派ミステリーとは
ちと違う気がする
尋常でない!

状況設定も
登場人物も
話のオチも
尋常でない!!

やめてよぉ~


確かに
連邦保安官テディ・ダニエルズは
かなり壮絶な戦争体験をしてますよ
妻の取ったありえない行動と
その妻を★$@%&*※

まともじゃいられないだろうよ

でもだね…

思うに

ラストの彼は
まともだったと思う
精神異常者ではないとみた!


                 

なのに
彼は
あえて現実の世界から
逸脱する道を選んだってこと??

自分がどうなるのか
解ってて
灯台へ向かったってこと???




横溝正史の
『獄門島』彷彿させる島
シャッターアイランド

悲しみの限界を超えたとき
慟哭の果てに
彼が選んだ求めたのは
感情の放棄

精神の安らぎを
そこに求めたんだ…

自分だったら…
多分
生きる事を放棄する

ラスト数分
連邦保安官テディと相棒チャックの会話を
どう受け取るかで
作品に対する見方が
違って来ると思うよ




         

居眠り磐音 江戸双紙25 ~白桐ノ夢~57

2010-04-16 | 読書
2月25日の婚儀から
季節は流れ
只今
初夏でございます

おこんさん
御懐妊の気配なく…

まずは
新顔登場
‘殴られ屋’を生業とする浪人・向田源兵衛
安芸広島藩を何やら脱藩したらしい
これが中々の好人物&剣の達人
磐音が早速
尚武館道場の稽古に誘います
後々
磐音とどう関っていくのやら…

一方
田島意次が放った刺客は
瓦版のマスコミ遠隔操作効果か
今のところ
大きな動きはござんせん

ござんせんが
依田鐘四郎経由で
西の丸様こと徳川家基から
‘約定の品’の催促再び…
奔走する佐々木磐音&おこん

蘭方医・桂川国瑞の
家基様御脈拝見に伴い
なんと
見習い医師に変装し登城
日光社参依頼
久方ぶりの再会でございます

おこんと仲良うしておるか
との家基様のお言葉に

恋女房にございますれば
仲睦まじゅうくらしております


と堂々と惚気る磐音は
予てからの‘約定の品’を自ら持参…

さて‘約定の品’とは

①宮戸川の鰻
②江戸前天婦羅
③磐音の祝言に登場した‘折詰弁当’

一方
本所の南割下水の半欠け長屋に住む浪人
竹村武左衛門は
前夜の酒が抜け切れぬまま
荷揚げ作業へ
案の定
足を滑らせ大怪我…

様子見舞いにやって来た
柳次郎と磐音とやや険悪なムード
と云うか
ご機嫌斜めの武左衛門

そりゃね~
七十表五人扶持
品川家の家督を相続した柳次郎に
神田・神保小路
直心影流尚武館佐々木道場の跡取りとなった磐音
方や
一向にうだつが上がらず
その日暮らしがやっとの武左衛門
腐る気持は解りますが
自分で立ち直らんと!

今津屋の由蔵さんも
磐音も
心配してんのよ…

竹村武左衛門の娘・早苗ちゃんが
本人の希望もありまして佐々木家に
住込み奉公することになりました

蘭方医桂川家に嫁いだ桜子さん
家風に馴染めずやや気鬱気味
そんな桜子さんの気持を察して
磐音が尚武館道場に稽古に来ませんか?
と誘います
元々剣術好きなお転婆娘・桜子さん!
稽古の後には
新妻同士
おこんさんとの語らいも
気晴らしになるでしょう
磐音の気遣い…
素敵です

それとですね~
雑賀衆が
何やら
西の丸内に潜んでいるらしい
雑賀衆女忍の小頭・おてんと雑賀泰造の間に生まれた
奸三郎丸多面(かまりさぶろうまるためん)
この世び生まれ出で2年足らず
なのに既に成人の域
母おてんの腹の中に百有余年いたとか
おいおい…
山田風太郎もビックリ

そう云えば最近
山田風太郎読んでないな~

忍びには忍び
佐々木道場門下生として
新たな人生を歩見始めた霧子が
弥助と共に忍びとして活躍します

神田川の太田姫稲荷土手での磐音襲撃
家基御側小姓毒殺に端を発した
乱波奸三郎丸多面一派と磐音らの闘い…
西の丸に潜む雑賀衆
乱波奸三郎丸多面一派残党を
ことごとく掃討
西の丸最大の百間の長廊下での死闘から
四日目の朝が
明けようとしておりました
また
西の丸では
御番頭彦根菊衛門ら七名が職を解かれます
家基様に纏わりついた
田沼意次の息が係った輩が
こちらも一掃
まずは一安心です

その他
佐々木おえい・おこん
今津屋お佐紀・一太郎
品川勢津
お佐紀のお供として
おはつと宮松が加わり
深川船観光を致します
その後
おはつの母・おきんが加わり
鰻屋「宮戸川」で鰻に舌鼓
(宮松は別席)
女だけの姦しいひと時を過ごします

家に籠りがちの
おえいもお佐紀も
気晴らしが出来たし
おこんは
父・金兵衛とも会えたし
おはつもおっかさんに会えたし
おきんもおはつに会えたし
勢津さんも
気晴らし出来たし
宮松は鰻食べれたし
どちらさんも良かった良かった

前巻『万両ノ雪』第四章で
無謀にも
元旦早々
尚武館道場にやって来た三人組のひとり
中松喜久蔵に置いてきぼりにされた
白山こと‘白山号’が
尚武館道場の番犬として
何気に大活躍しております

基本的に温厚で
大人しいワンコなんですが
反尚武館道場・反磐音陣営に対して
敏感に反応します
小型犬かと
勝手に想像しておりましたが
相手が
飛び道具を使おうが剣を使おうが
猛然かつ果敢に
敵の腕を噛み切り
喉笛に飛びかかるワンコらしく
忍びの陣営を崩すくらいですから…
実は
結構大きいワンコかもしれません

向田源兵衛
安芸広島藩御政道を正しく導くべく
決断した
家老石塚八兵衛高道嫡男・小太郎高義暗殺…
磐音と同じく
過酷な宿命を持っておりました
いつの日にか
再び尚武館道場へその勇士
お見せ下さい


‘約定の品’答えは
①宮戸川の鰻でした

おこんさんの計らいで
八代将軍吉宗縁り名物大黒屋の桜餅を
オプションで持参

西の丸様こと家基
大いに喜んだそうで

磐音
次なる機会には
予を宮戸川に案内いたせ~


と宣ったそうな…

第9地区 40

2010-04-15 | 映画
南アフリカ・ヨハネスブルグ上空に
突如現われた正体不明の宇宙船
船の故障か
船内に衰弱した無数のエイリアンを発見
政府は
彼らを難民と認定

難民となった‘彼ら’と
人間の共同生活は
こうして始まった…



28年後
共同居住区‘第9地区’はスラムと化し
市民と‘彼ら’の争いは日常化していた

超国家機関MNUは
彼らの強制移住を決定
現場責任者・ヴィカスを派遣
彼は
エイリアンたちに立ち退きの通達をして
回ることになる

それが
人類と‘彼ら’の歴史を変える
大事件の引き金となるとも知らずに…



なんじゃこりゃ…

ドキュメンタリー風に
ストーリが展開して参ります
なので時折
ヴィカスや超国家機関MNUの関係者による
インタビューの画像が挿入されます

怖いよぉ~
エイリアンを
平然と虐待する民衆や軍人の感覚

任務中にエイリアンが作成した
謎の液体を浴びたヴィカスが
徐々にエイリアン化していくんですけど
精神や思考は人間なんですけど
見た目が
醜悪になっていくわけ!
人のDNAが変異していくの
醜悪な‘エビ’に…
ひぇ~



そうするって~と
同じ人であるはずの
義理の父や超国家機関MNUの
関係者達が
豹変するんです

エイリアンの所有する武器が
人間には反応しない(操作できない)らしく
ヴィカスの左腕が
エイリアン化したのを良いことに
モルモットのように扱いだす…
ひゃ~

人間とエイリアンの対比ではありますが
これは
南アフリカの人種差別
国家や企業のモラル
人間の醜悪さを意識せずにはいられない感じです



高度な知能と
科学技術を持っているのは
親子のエイリアンだけみたいで
他のエイリアンは
知性の欠片もなく
ただただ不潔・野蛮・凶暴な存在です

3年待ってくれ
必ず戻ってきて君を人間に戻す


エイリアンの言葉を信じ
人類とエイリアンのハーフとなったヴィカスは
高度な知能を持つエイリアンの親子を
上空に停止している宇宙船本体に戻すため
自らエイリアンのモビルスーツに乗り込み
襲い掛かる傭兵部隊と戦いを始めます

感染74時間経過
傭兵部隊との戦い後
ヴィカスの姿を見たものはいない…

新しい居住区‘第10地区’に住むエイリアン
その数25万…



あくまでも
自分達がもっとも高度な生物であると云う
思いが人間にはある
自分達と少しでも違う容姿や
異質な考え方を排除しようとする
行為が当たり前のようにまかり通る

3年後
エイリアンが再び地球に来たら
どうなっちゃうんだろう…

鉄くずで
造花を作るエイリアン
あれは…




                

居眠り磐音 江戸双紙24 ~朧夜ノ桜~56

2010-04-14 | 読書
梅香漂い
江戸が小正月を迎える頃
佐々木磐音は
おこんとともに
麻布広尾村に出向いていた
御典医桂川国瑞と
織田桜子の祝言への列席であったが
折しも
界隈で横行する不逞の輩が花嫁行列を塞いだ…

そ~なんです!
今回は
祝言に始まり祝言に終る
その祝言が
そんじょそこいらの祝言とは違う!

先鋒(←使い方違うけど…)
将軍家御典医にして
蘭方医の桂川甫周国瑞と
因幡鳥取藩の重臣・寄合職織田宇多右衛門息娘・桜子の祝言

継裃に身を包んで
控えの座敷で待つ佐々木磐音の両脇には
杉田玄白&中川淳庵…
なんともまぁ~凄い面子です

中堅(←使い方違うけど…)
上様御側御用取次速水家へ向う
おこんさんの道中
浅草御門下の船着場から紅白の布で飾られた屋根船で
神田川から大川へと船が進む中
川の両岸・北之橋・猿子橋・柳橋そして昌平橋に
長屋衆・宮戸川衆・今津屋衆をはじめ
本当に沢山の人達が集います
そしてみんなが
おこんの門出を祝ってくれるのです
磐音の人柄もさることながら
おこんさんの人望・人柄の良さに
再度感服致しました

磐音も
おこんさんを嫁に向えるに当たり
改めて責任の重さを痛感したのではないでしょうか…

大勝(←使い方違うけど…)
末巻を飾るのは
元豊後関前藩国家老坂崎正睦嫡男・坂崎磐音改め
神田三崎町の直心影流尚武館道場主・佐々木玲圓の後継となった
佐々木磐音と
今津屋奥向き女中頭・金兵衛の娘から
上様御側御用取次速水左近の養女となった速水おこんとの祝言

先に行われた祝言もですが
内々に
執り行うつもりではありますが
如何せん
国瑞も桜子もそれなりに派手です
磐音とおこんについては
前者よりも尚
質素にしようにも
お披露目に招く人数が
少なく見積もっても五百ですから…

招待客全員を
収容収容出来る器
そんな物件
江戸城以外には見当たらず…
西ノ丸様あたりにお願いすれば
自分も宴に出席したいから
江戸城を使え!
と言い出しそうですが
尚武館道場に
酒樽をいくつか置いて
酒のつまみ&折詰弁当を用意し
出入り自由の‘立食パーティー’形式になりました

桂川家では
国瑞だけでなく祖父・国華と父・国訓
三代揃って呼んでくれ~
吉原会所の四郎兵衛までも呼んでくれ~
と自己申告してくるは
鰻屋「宮戸川」の主人鉄五郎に至っては
当日
店を臨時休業にした挙句
宮戸川職人一同総出
お披露目開場(尚武館)の庭先で
宮戸川の店を開いてしまいます

ハンパない…


他には
暫く江戸を離れていた
三味芳の次男坊・鶴吉が登場
遠州相良に滞在中
偶然に
磐音を狙う黒幕の存在を知り
江戸に馳せ参じたとのこと
義理堅いね~

ともかく
磐音暗殺を企てているのが
相良藩田沼家年寄御用人・竜間直澄
剣術指南・伊坂秀誠の両名
伊坂秀誠が放った刺客5名の名も明らかに…

瓦版屋(今で言うマスコミ)を上手く操り
田沼沖意次一派を牽制する
佐々木磐音!
宣戦布告的な雰囲気もあるようです
ですが
平内流・久米仁王蓬莱を倒すも
祝言の数日前
琉球古武術・松村安神との死闘で
脛裏を負傷
吉原会所・四郎兵衛配下と鶴吉らによって
佐々木家へ運び込まれてしまいます

翌日
足が腫上がり高熱が出ているにも関らず
稽古にさんかする磐音…
早々駆けつけた中川淳庵に
手当てを受け
速攻
安静を命じられます

佐々木道場に入門した
速水杢之助と右近が
大好きな姉さまおこんに
磐音の様態を報告!
一目散に
看病に駆けつけたおこんさんでありました

祝言の夜に無粋は承知である

と言いながら
独創二天一流・橘右馬介忠世がやってきます
それも
本祝言初夜…
寄りによって
磐音とおこんさんが良い感じに盛り上がってる最中…

ほんと
無粋な奴でした

磐音
エンジン全開
瞬時です

一刀両断

当然です

良い所で
邪魔したんですから…


ともかく
磐音さんおこんさん
おめでとうございました


その他
其ノ壱:一磐音を狙う刺客はあと二人
     タイ捨流・河西勝助義房
     薩摩示現流・愛甲次太夫新輔

其ノ弐:鶴吉さんは
     吉原近く聖天町・西方寺門前に三味芳を再起!
     吉原出入りOK
     妻・おこね懐妊

其ノ参:豊後関前藩国家老坂崎家と養子縁組する井筒遼次郎が
     江戸勤番となり佐々木道場の門下生とまりました

其ノ四:義父・佐々木玲圓から佐々木家と徳川将軍家との関係が明らかにされます
    
其ノ五:速水家は意外と子沢山でした(二男二女)
     長男・杢之助(14)次男・右近(12)長女・典(11)次女・雅(9)
     瞬時にしておこんの‘とりこ’
     特に杢之助と右近の佐々木道場へのお迎えは
     おこんさん以外NG
     佐々木磐音微妙~

其ノ六:井筒源太郎に嫁いだ磐音の妹・伊代
     目出度く御懐妊

っとこんな感じです 

磐音とおこんさんが24巻で
やっと‘めおと’になった訳ですが
この分ですと
二人に‘やや子’授かる件まで
24冊分くらい待たされる訳!?

   

のだめカンタービレ

2010-04-14 | テレビ
上野樹里さんの声と喋り方が
虫ずが走る程苦手で
彼女の出演するドラマや映画は
極力スルーしております

来年NHK大河ドラマも
彼女が主演に決定したとかで
恐らく見ないと思います

『のだめカンタービレ』
とても好評だったようで
パリまで撮影しに来てました
映画も立て続けに公開されるそうで…

この作品は
玉木宏役の千秋が主役なんですね
野田恵が
思った程声を発していなかったので
どうにか見れました
と言うか
見てしまいました

意外と良かったです
クラシックが元々好きなので
楽しかったっです

普段
クラシックなんて~
と思っておられた方も
抵抗感なく
耳を傾けることが出来たのではないでしょうか



千秋さんが
フルオーケストラと
ラフマニノフの
ピアノ協奏曲第2番を演奏されてましたが
あれ
大好きな曲です
むか~し
自分も弾きたくて
楽譜買ってトライしましたけど

身の程知らず

下手の横好きだけど
久しぶりに
楽譜出してみたくなりました

上野樹里さんの野田恵役
実にハマリ役だと思います
それは認めます
ですが
やっぱり
駄目ですσ(^^;)

SP版と映画は
千秋さんとのだめの絡みが多そうなので
スルー

かな…

多分
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晴れてる合間に

2010-04-13 | 徒然
本日は
自宅でのんびりの日でございます

とは言え
明日はまた
天気が下り坂みたいなので
早くから
洗濯
頑張ってみました

洗濯とか掃除好きな方なんで
天気が良いと
俄然
張り切ってしまいます

お天とさんの下
シーツとかタオルケットとか干すの
気持ちよくないですか?

窓全開にして
掃除機かけるのも
気持ち良い~♪

布団も当然干します


雨上がりなので
ここぞとばかりに庭の草むしりも…

勢いとタイミングが
大事ですから




ついでと言っては何ですが
久しぶりに富士山なんぞ
アップしてみました
毎日ではありませんが
富士山の写真も取り続けております

あと
先週撮った桜も!
これからは
八重桜ですかね~

今日も一日
穏やかに過ごせますように~

古着屋総兵衛影始末1 ~死闘!~55

2010-04-13 | 読書
ちょっとぉ~
何なの
この寒暖の差…

春からまた冬…


元和二年
大御所徳川家康は死の床にあった
家康の傍らに佇むは
日本橋鳶沢町に古着問屋を商う
大国屋総兵衛ただ独り

江戸の治安を影として守ってきた
元西国浪人・鳶沢成元である

己亡き後も
徳川家安寧のため
表向きは代々古着問屋
大黒屋総兵衛として
裏では
徳川家を護持する
影旗本鳶沢総兵衛成元として
任務を果たすよう命じ

花押が割り印となった
書付を一通
そして

余の形見じゃ


家康は
愛刀三池典太光世を総兵衛に渡した

そして
八十余年後の元禄14年
闇の勢力が一族に襲いかかる
立ち向かうは6代目大国屋総兵衛勝頼
先祖伝来の祖伝無想流に
工夫を加えた秘剣・落花流水剣で立ち向う!

1701年(元禄14年)
5代将軍徳川綱吉の時代
浅野内匠頭長矩が
吉良上野介を斬りつける事件の直後
赤穂浪士討ち入り云々で
世間がざわざわしている頃です

鳶沢総兵衛勝頼vs柳沢保明(吉保)

あろうことか
5代将軍徳川綱吉の信頼が厚かった
御側御用人・大老柳沢保明が相手です

詳しいあらすじは
佐伯泰英: 古着屋総兵衛影始末01: 死闘!
を一読下さい


時代は
『居眠り磐音 江戸双紙』の主人公
佐々木磐音が活躍する約70年程前に遡ります

東海道の宿場町が登場するんですけどね
見知った宿場名が
出てくると

あぁ~
磐音が数十年後
ここ通るんだよね~

なとど
思わずリンクしながら読んでしまいました

磐音が活躍する頃は
大黒屋って8代目とか9代目?
番外編で
双方登場してきたら
最高に面白いだろうな~

もとい

古着問屋の利権絡みの
騒動かと思いきや
その背後に
御側御用人がいるとは…

御側御用人って
御側御用取次・速水左近の先輩じゃん…

鳶沢一族は
江戸の本家とは別に
久能山の神廟を衛士する分家があります

久能山と
その背後の有度山の谷間に広がる
隠れ里に分家一族が住んでます
‘伊賀の里’とか‘甲賀の里’みたいな…
忍系ですね

6代目総兵衛29歳には
千鶴18歳と云う幼馴染がおります

大きくなったら千鶴は総兵衛さまのお嫁さんになってあげる

と言い出したのは
千鶴5歳
総兵衛16歳の春にございました

影の旗本
方や
船宿幾とせの次期女将

総兵衛は
伴侶を
一族から選ばねばならない不文律
千鶴も
幾とせの暖簾を守るため
婿を取るしなかない…

お互いわかっちゃ~いるが…

6代続いた古着屋の‘古着屋惣代’役を
新参者・江川屋彦左衛門に奪われた形で
本作品は幕を閉じます
はてさて
今後の展開が楽しみでございますね~