台風が東京に近づく中、素晴らしいオーケストラと指揮者に出会いました。
(樫本大進が出るのはほかのプログラムです。)
山田和樹 指揮
スイス・ロマンド管弦楽団
プログラム
オネゲル:パシフィック231
藤倉大:Rare Gravity
ビゼー:劇音楽「アルルの女」組曲より
前奏曲、アダージェット、メヌエット、ファランドール
リムスキー=コルサコフ:交響詩「シェエラザード」
アンコール;
シュレーカー 舞踊劇「ロココ」より
Ⅲ マドリガル
コルンゴルド シュトラウシアーナ
とにかくスケールが大きくて、表現力のあるオーケストラ
そして団員が他の奏者に聴き入っています。
アルルの女のフルートも素晴らしかった。シエラザードのヴァイオリンも
他の木管楽器も打楽器も・・
大自然の中にいるような大きな波の中にいました。
若手でこんな指揮者がいるのかと驚きました。何しろ私より30歳も若いのだから・・・
団員にも育てられているようないい関係です。
アルルの女のアダジエットがマーラーよりすごく聴こえました。
数日前に山田和樹のインタヴュー記事が朝日新聞に出ていましたが、
ほんとうにミラクルというかマジックですね。
「きらきらとした光に包まれていたかのような、恍惚の感覚に陥った。」と
言っていました。
ほんとうに素晴らしい瞬間でした。
シエラザードもすごい迫力とスケールでした。
そして何より美しく・・・
オネゲルの曲から素晴らしい音の響きでした。
初演となった藤倉大も若手の作曲家で音楽というより音で
会場に来ていて拍手の時に舞台に飛び乗りました。
まるで宇宙がうまれたときのような、人がいる感覚が
まるでない太古のようなそんな曲でした。
後から解説を読んだら、子供が生まれてくる前の世界(子宮の中にいた)を
表現したというので、感じたことは外れてないと思いました。
解説って先に読まないほうがいいですね。
つくづく今の時代に生まれてきていろいろな音楽が聴け良かったと
思いました。その作曲家が生まれる前だったら聴けてないわけだし。
その大きな世界の中で、自分が生きてきたことがフラッシュバック
するのです。父や母のことや、Tを転院させた時の寝台車での移動の光景とか
最近亡くなった父のいとこが父の言葉を伝えてくれたこととか・・
フロモン神父様のこととか・・