以前コンサートに数回来たり、最近も新日本フィルのゲネプロや本コンサートによく行くようになったすみだトリフォニーホールに玉三郎さんのトークと素踊りを見に行きました。
すごい雲行きの天気でしたが、何とか雨は上がりました。熱海で土石流が発生した日です。
ホールに入るのにも長い列ができていました。
このチラシは最初にチケットを買った時にはなかったのですが、その日のお話で皆様からの質問に答えるというコーナーがあって、質問を募集していたことを知りました。
最初にプログラムにある素踊りについて語っていました。素踊りは以前MOA美術館でしたことがあるが、めったにしない。歌舞伎役者がお化粧をしないで舞台に上がるなんてありえないというようなことでした。
でもこの前の吉右衛門さんの能舞台での熊谷直実をみて、私は素の吉右衛門さんが演じるほうが好きでした。今回も玉三郎さんはこの会場は大きいのでお化粧していてもしなくてもあまり関係ないのではないかと思ったと話されていましたが、私は前の方の席を今回選んだので顔の表情がはっきりわかってよかったです。前回歌舞伎座で見た時よりも、歌も思いも伝わってくるような感じでした。灯りが二つで雪が舞う舞台芸術は同じでした。富山清琴さんの地唄が心にしみました。
玉三郎さんの年齢を超越した佇まいや話し言葉の美しさに感動しました。会場はこのホールで今までにないほどの盛況さと熱気がありました。玉三郎の魅力に引き込まれている人が多いのですね。
家で過ごす時間が多い時はWOWOWで今までのご自分が出た映画やシネマ歌舞伎をご覧になっていたとかで、映画を吉永小百合さんを使って撮っていたことなど知りませんでした。
仁左衛門さんとのエピソードなども語っていましたが、今回の桜姫の早変わりよくやられたと感心していました。舞台に出てないところの方が大変で舞台の上で休憩するような感じだと早変わりのことを話していました。
毎日の習慣についての質問には 「朝は小松菜を含む野菜と果物のジュースを飲んで、舞台の前は発声練習、寝る前は体操くらいかな?」と答えられていました。私もヨガでよくやっていますが、ねじる運動が必要だということです。
舞台での役作りなどについては「感動や感情をしっかり受け止めて、それを思い出して舞台で表現する。台詞を言わない時も心はその役になっている。舞台で、毎日新鮮な思いを伝える。」などの言葉がありました。
どうしてもお話ししたいこととしては「マイクロプラスチックと海の汚染」についてでした。私もNHKのドキュメンタリーを見て危機感を強めた一人です。美しい地球を残すことは今生きている私たちの使命です。
重い質問もありました。不登校で日本舞踊をやっている少女の投稿でした。玉三郎さんは言葉を選びながら、今の型にはめようとする教育には懸念を持っていて、自分のやりたいことをやって大丈夫だと思いますと答えられていました。玉三郎さんも幼稚園を1日しか行かなかったことや学校は近くですぐ帰れる場所にしたとかそんなご自身のことを話されていました。高校生になると役がいっぱいついて学校に行けなくなったが、世の中でどんな人たちに出会うかが大切ではないかと。
玉三郎さんがご自身のことを語り、素で舞い、なんと贅沢な時間だったのでしょう・・・
10年前の国立劇場での玉三郎の素踊りの記事をみつけました。私の言いたいことが書かれていました。
10㎏もある衣装を着ての想定なので、浴衣に身体を叩きつけるように、あるいはいっぱいいっぱいに外に込めて踊っておく。その時の踊りの潜在力というのは、歌舞伎の衣装を着けるとさすがに見えにくい。玉三郎の素踊りの良さは、そうした重い衣装から解放されて、軽く手や身体を振っても綺麗に決まるという逆の感じだった。少し首を振りぎみな、微妙に中心の決まらない感じが歌舞伎の舞台ではあるが、それがまったくぶれず、すっとしている。その軸がまっすぐすらっとしているところから、オーラがダイレクトに客席に向って放たれている感じがして、深く、深く見入ってしまった。
歌舞伎座で見た地唄舞、7月は京都での公演があります。何度でも見たい玉三郎の舞です。
July 3 2021 Kinshicho
でも軽くて本来の動きができそうな気もします。
この夏の南座はタマさま祭り♪
7月の4日間はこちら、8月のひと月間は「日本振袖始」
体調を崩されないようにとそれだけですね〜 (-人-)
8月の日本振袖始は歌舞伎座では菊之助に変更になったので見たいところですが・・
7月の中旬に京都に行くことになったけれど、1週間前です。4日間しかやらなければきっとチケットはsold out でしょうね。