8月22日
処暑はだんだんと暑さが収まってくるころとされています。夏休みが終了し、新学期を迎える時期です。
実際には残暑厳しい時期とはいえ、暦上はすでに秋に入っている処暑。虫が鳴き始め、朝晩は今までより少し
気温が低くなってきて季節がまた変わり始めます。
夜は小さな音でマリア・カラスを聴く。
シャワーを浴びて寝ようか思っていたところ、去年も見たと思うけれど、TVでやっていたバタフライエフェクトの
アメリカ占領を見てしまいました。
財閥解体や農地改革を断行した連合国軍最高司令官・マッカーサーを、日本国民は「民主主義の父」と称え、
GHQ本部にはその姿を一目見ようと人々がつめかけた。そしてマッカーサーはアメリカ大統領への野望を
抱くようになる。しかし、世界で共産主義が拡大すると、アメリカは占領方針を180度転換する。
マッカーサーは日本の再軍備を進め、逆コースに舵を切る。そして突然の解任。マッカーサーの野望と挫折の物語。
日本はやっぱり今だにアメリカに占領されている。日本が敵国をすんなりと受け入れて行った不思議。進駐軍と言う呼び方。
そして昭和天皇がとても人間的に見えてしまう。
アメリカが統治で第一にすることは日本人の軍国主義のマインドコントロールとくこと。そして非軍事化と民主化だった。
アメリカが占領下ですぐ行ったこと。女性の解放(参政権)、労働組合の活動、教育の民主化(軍国主義の一掃)
圧政的諸制度(特高等)の撤廃(政治犯・思想犯の釈放)、財閥(経済機構)の解体。他農地改革(農民が土地を持てるように)等
・・日本は今の中国のような国だったかと想像できるすごく遅れた国だったのがつい半世紀前まで。
天皇制度をどうするかについては戦争が始まってすぐに戦後処理についてアメリカでは検討されていたことに驚く。
日本がまだ国をあげて戦うと団結していた時に。
マッカーサーは昭和天皇と会談し、昭和天皇が全責任は自分にあるという姿勢に感銘を受けたとのちに記録している。
アメリカ内部や世界に対して天皇を裁判にかけないよう努力をして、また国内巡幸を行い国民を励ますようサジェッションして
イメージアップを図っていた。
アメリカが戦争が始まって比較的すぐに戦後の日本をどうするか考えていた。日本が竹槍で訓練をしていた時に。
今でも占領されているような感じもしかたのないような、ふがいないような・・
アメリカは第二の日本の開国を行ったと思っているのだけど、マッカーサーは退任の時、アメリカ議会で感動的な
演説を行っています。
戦後日本国民は近代史に記録された中では最も大きな改革を体験してきました。
日本ほど穏やかで秩序ある勤勉な国を知りません。
また日本ほど将来人類の進歩に貢献することが期待できることも国もないでしょう。
日本国憲法についても、最初は日本政府に案を作成させていたが、保守的で変わりがないので、日本政府では民主的な
物が作れないとGHQ民政局が草案を作成する。
この戦争放棄の9条を全世界に私たち人類が進むべきただ一つ道と発信したい強い思いがあった。
この後、アメリカ政府の共産党への脅威から日本でも組合活動の制限など政策の変更があり、朝鮮戦争により
警察予備隊(自衛隊)が発足して再軍備への道へと逆行していく。
そんな中で朝鮮戦争の決着のために原爆使用を持ち出したためワシントンはマッカーサーを解任。その前にも大統領
選挙に担ぎ出されたりして共和党指名選挙で惨敗し陰りが見えてきていたけれど。
この番組の中で印象的だった言葉は先のマッカーサーのアメリカ議会での「老兵は去り行くのみ・・」に続く演説と
坂口安吾の言葉。
妙な話だが、日本の政治家が日本のためにはかるよりも彼が日本のためにはかる方がおおむね公正無私で日本人に
利益をもたらすものであったことは一考の必要があるでしょう。占領されることが幸運をもたらすという妙な経験を
日本はしたものさ。
マッカーサーが帰った後、昭和27年日本独立。
戦後生まれた私たちは、戦前の軍国主義の世の中を実際には経験していない。ただ民主主義に向かって日本が進んでいると
思ったけど、最近は時代が逆行していることに気が付き危機感を感じています。今のアメリカも自由の国でもなく
何か偉大な田舎という感じですが、それでも民主主義の糸口を与えてくれた国です。全人類のために作った平和憲法も
私たちは守っていく強い意志が必要です。日本が分割統治をまぬがれて間接統治だったこともアメリカのおかげだったのかも
しれません。日本が本当の独立国を目指して、まだまだ長い道のりです。
おまけ)
私が子供だった頃はアメリカのTV番組に囲まれていて、どうして私は日本人なんだろうと思ったくらい(笑)
ポピュラーソングもアメリカのものがほとんど・・・ 映画がたくさん公開されるようになったのも
アメリカの政策だったのを知りました。日本にアメリカの暮らしを見せたかったとか・・・
今の私は日本の文化の深さを知るようになりましたが、子供の頃はアメリカの大衆文化がどっと入り、
なんと私は大学では米文学専攻。ヨーロッパにもずっと魅かれていました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます