碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

本日から、没後10年「実相寺昭雄監督」上映会

2016年11月29日 | 映画・ビデオ・映像



今日、11月29日は、師匠の一人である実相寺昭雄監督の命日。

今年は没後10年であり、年が明ければ生誕80年となります。

参加している「実相寺昭雄研究会」が主催の大規模な上映会も、今日から京都で始まります。

勝賀瀬(しょうがせ)重憲監督の新作ドキュメンタリー「KAN TOKU 実相寺昭雄」も初公開。

以下は、京都新聞の記事です。


「ウルトラ」シリーズ、故実相寺監督の足跡 
京都文博で上映

テレビの「ウルトラ」シリーズやエキセントリックな映像作品で知られ、今月没後10年を迎える映画監督実相寺昭雄さんの足跡を振り返る上映会「鬼才・実相寺昭雄 映像の世界 〜ウルトラマンから仏像まで」が29日から京都市中京区の京都文化博物館で始まる。

実相寺さんは1960年代に「ウルトラマン」「ウルトラセブン」の演出を手掛け、日本の特撮映像の第一人者となった。

長編映画デビュー作「無常」(70年・ロカルノ国際映画祭グランプリ)をはじめ、人気幻想小説が原作の「帝都物語」など幅広い作品を発表、2006年に69歳で他界した。

上映会は、実相寺さんに約15年間師事した京都市出身の映画監督勝賀瀬(しょうがせ)重憲さん(48)らが企画した。

命日の29日と12月6〜11日の計7日間で26作品を上映。ウルトラマンシリーズで人気の高い「故郷は地球」「恐怖の宇宙線」などや、京都や周辺を舞台にした「無常」「曼陀羅(まんだら)」「哥(うた)」のATG三部作、62〜63年にTBSで放送され大島渚さんらが脚本を手掛けたドラマ「おかあさん」(6本)などを紹介する。


初日と最終日には、勝賀瀬さんが新作したドキュメンタリー「KAN TOKU 実相寺昭雄」も初上映される。期間中、親交のあった映画人のトークもある。

昼夜2部制(土日は3部制)。各千円。詳細は同博物館TEL075(222)0888。


実相寺昭雄オフィシャルサイト:
http://jissoji.wixsite.com/jissoji-lab


スクリーンで、映画「帝都物語」を上映!! 2016.11.23

2016年11月24日 | 映画・ビデオ・映像

川崎市市民ミュージアム

実相寺昭雄監督作品「帝都物語」(1988)


上映後は、撮影監督・中堀正夫さんのトークショー




「実相寺昭雄研究会」代表でもある中堀さん




実相寺昭雄研究会による
「実相寺昭雄オフィシャルサイト」
http://jissoji.wixsite.com/jissoji-lab


女優・中川梨絵さんのこと

2016年09月24日 | 映画・ビデオ・映像



女優・中川梨絵と「日活ロマンポルノ」

『週刊朝日』(9月23日号)に掲載されている、脚本家・内館牧子さんのコラム「暖簾にひじ鉄」。その中に、女優・中川梨絵さんのことが書かれていた。知らなかったが、6月14日に亡くなっていたのだ。内館さんとは、都立田園調布高校の同級生だったという。

中川さんといえば、黒木和雄監督の『竜馬暗殺』(主演・原田芳雄)などが知られている。しかし、個人的には神代(くましろ)辰巳監督『恋人たちは濡れた』が印象に残る。言わずと知れた、日活ロマンポルノの名作の一つだ。

”70年代の若者”としては、こうして「日活ロマンポルノ」と文字にするだけで、やはり懐かしい。小沼 勝『わが人生 わが日活ロマンポルノ』(国書刊行会)を開いてみた。

創立から、すでに100年を超える映画会社の日活。小沼監督は1961年に助監督として入社し、71年から始まる日活ロマンポルノを舞台に、怒涛の監督生活を送ってきた。この本は、自身の歩みとロマンポルノの興亡を綴った貴重な回想記である。

街に映画館が20館以上もあった時代の北海道・小樽に育ち、日大の映画学科で学んだ若者が見た日活撮影所は、石原裕次郎映画を軸に若さと活気に満ちていた。助監督修業を重ねながら、映画という虚構(ロマン)を作ることに没頭していく。

また本書には、ロマンポルノに咲いた女優たちの姿も活写されている。まずは、著者がロマンポルノ史上最高傑作と呼ぶ、『四畳半襖の裏張り』(神代辰巳監督)の宮下順子だ。

自身の監督作では、『ラブハンター熱い肌』の田中真理、『隠し妻』の片桐夕子、『昼下がりの情事古都曼陀羅』の山科ゆりといった懐かしくも艶めかしい名前が並ぶ。中でも『花と蛇』に主演した谷ナオミは別格で、SMの教養のない監督をリードする存在感と輝きは絶大だった。

さらに、小沼監督の映画に対する哲学が披露されるのも本書ならではだ。曰く、「完成を目指さないところに映画美は存在する」。また曰く、「映画とは充たされなかった夢を紡ぐ装置だ」。

読了後、急に日活系映画館の暗闇と、映し出された女優たちが恋しくなった。

中川梨絵こと中川栄(さかゆ)さん、享年67。

合掌。

BBCが選んだ「21世紀の偉大な映画ベスト100」

2016年08月26日 | 映画・ビデオ・映像



イギリスの公共放送局BBC(英国放送協会)が選んだ、「21世紀の偉大な映画ベスト100」というランキングが発表されました。

4位に『千と千尋の神隠し』が入っているというので、話題になっています。

というか、100本の中に、日本映画は、これ1本だけなんですよね。

そちらのほうを話題にすべきかも(笑)。


で、1位から10位までを見てみると・・・

1.『マルホランド・ドライブ』(2001、デヴィッド・リンチ)
2.『花様年華(かようねんか)』(2000、ウォン・カーウァイ)
3.『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007、ポール・トーマス・アンダーソン)
4. 千と千尋の神隠し』(2001、宮崎駿)
5.『6才のボクが、大人になるまで。』(2014、リチャード・リンクレイター)
6.『エターナル・サンシャイン』(2004、ミシェル・ゴンドリー)
7.『ツリー・オブ・ライフ』(2011、テレンス・マリック)
8.『ヤンヤン 夏の想い出』(2000、エドワード・ヤン)
9.『別離』(2011、アスガー・ファルハディ)
10.『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(2013、ジョエル、イーサン・コーエン)


・・・うーん、かなりシブい選択であることが、わかります。

じゃあ、100本の全貌は? というので、確認してみました。

かなり壮観です。


BBC:
The 100 Greatest Films of the 21st Century

100. “Toni Erdmann” (Maren Ade, 2016)
100. “Requiem for a Dream” (Darren Aronofsky, 2000)
100. “Carlos” (Olivier Assayas, 2010)
99. “The Gleaners and I” (Agnès Varda, 2000)
98. “Ten” (Abbas Kiarostami, 2002)
97. “White Material” (Claire Denis, 2009)
96. “Finding Nemo” (Andrew Stanton, 2003)
95. “Moonrise Kingdom” (Wes Anderson, 2012)
94. “Let the Right One In” (Tomas Alfredson, 2008)
93. “Ratatouille” (Brad Bird, 2007)
92. “The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford” (Andrew Dominik, 2007)
91. “The Secret in Their Eyes” (Juan José Campanella, 2009)
90. “The Pianist” (Roman Polanski, 2002)
89. “The Headless Woman” (Lucrecia Martel, 2008)
88. “Spotlight” (Tom McCarthy, 2015)
87. “Amélie” (Jean-Pierre Jeunet, 2001)
86. “Far From Heaven” (Todd Haynes, 2002)
85. “A Prophet” (Jacques Audiard, 2009)
84. “Her” (Spike Jonze, 2013)
83. “A.I. Artificial Intelligence” (Steven Spielberg, 2001)
82. “A Serious Man” (Joel and Ethan Coen, 2009)
81. “Shame” (Steve McQueen, 2011)
80. “The Return” (Andrey Zvyagintsev, 2003)
79. “Almost Famous” (Cameron Crowe, 2000)
78. “The Wolf of Wall Street” (Martin Scorsese, 2013)
77. “The Diving Bell and the Butterfly” (Julian Schnabel, 2007)
76. “Dogville” (Lars von Trier, 2003)
75. “Inherent Vice” (Paul Thomas Anderson, 2014)
74. “Spring Breakers” (Harmony Korine, 2012)
73. “Before Sunset” (Richard Linklater, 2004)
72. “Only Lovers Left Alive” (Jim Jarmusch, 2013)
71. “Tabu” (Miguel Gomes, 2012)
70. “Stories We Tell” (Sarah Polley, 2012)
69. “Carol” (Todd Haynes, 2015)
68. “The Royal Tenenbaums” (Wes Anderson, 2001)
67. “The Hurt Locker” (Kathryn Bigelow, 2008)
66. “Spring, Summer, Fall, Winter…and Spring” (Kim Ki-duk, 2003)
65. “Fish Tank” (Andrea Arnold, 2009)
64. “The Great Beauty” (Paolo Sorrentino, 2013)
63. “The Turin Horse” (Béla Tarr and Ágnes Hranitzky, 2011)
62. “Inglourious Basterds” (Quentin Tarantino, 2009)
61. “Under the Skin” (Jonathan Glazer, 2013)
60. “Syndromes and a Century” (Apichatpong Weerasethakul, 2006)
59. “A History of Violence” (David Cronenberg, 2005)
58. “Moolaadé” (Ousmane Sembène, 2004)
57. “Zero Dark Thirty” (Kathryn Bigelow, 2012)
56. “Werckmeister Harmonies” (Béla Tarr, director; Ágnes Hranitzky, co-director, 2000)
55. “Ida” (Paweł Pawlikowski, 2013)
54. “Once Upon a Time in Anatolia” (Nuri Bilge Ceylan, 2011)
53. “Moulin Rouge!” (Baz Luhrmann, 2001)
52. “Tropical Malady” (Apichatpong Weerasethakul, 2004)
51. “Inception” (Christopher Nolan, 2010)
50. “The Assassin (Hou Hsiao-hsien, 2015)
49. “Goodbye to Language” (Jean-Luc Godard, 2014)
48. “Brooklyn” (John Crowley, 2015)
47. “Leviathan” (Andrey Zvyagintsev, 2014)
46. “Certified Copy” (Abbas Kiarostami, 2010)
45. “Blue Is the Warmest Color” (Abdellatif Kechiche, 2013)
44. “12 Years a Slave” (Steve McQueen, 2013)
43. “Melancholia” (Lars von Trier, 2011)
42. “Amour” (Michael Haneke, 2012)
41. “Inside Out” (Pete Docter, 2015)
40. “Brokeback Mountain” (Ang Lee, 2005)
39. “The New World” (Terrence Malick, 2005)
38. “City of God” (Fernando Meirelles and Kátia Lund, 2002)
37. “Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives” (Apichatpong Weerasethakul, 2010)
36. “Timbuktu” (Abderrahmane Sissako, 2014)
35. “Crouching Tiger, Hidden Dragon” (Ang Lee, 2000)
34. “Son of Saul” (László Nemes, 2015)
33. “The Dark Knight” (Christopher Nolan, 2008)
32. “The Lives of Others” (Florian Henckel von Donnersmarck, 2006)
31. “Margaret” (Kenneth Lonergan, 2011)
30. “Oldboy” (Park Chan-wook, 2003)
29. “WALL-E” (Andrew Stanton, 2008)
28. “Talk to Her” (Pedro Almodóvar, 2002)
27. “The Social Network” (David Fincher, 2010)
26. “25th Hour” (Spike Lee, 2002)
25. “Memento” (Christopher Nolan, 2000)
24. “The Master” (Paul Thomas Anderson, 2012)
23. “Caché” (Michael Haneke, 2005)
22. “Lost in Translation” (Sofia Coppola, 2003)
21. “The Grand Budapest Hotel” (Wes Anderson, 2014)
20. “Synecdoche, New York” (Charlie Kaufman, 2008)
19. “Mad Max: Fury Road” (George Miller, 2015)
18. “The White Ribbon” (Michael Haneke, 2009)
17. “Pan’s Labyrinth” (Guillermo Del Toro, 2006)
16. “Holy Motors” (Leos Carax, 2012)
15. “4 Months, 3 Weeks and 2 Days” (Cristian Mungiu, 2007)
14. “The Act of Killing” (Joshua Oppenheimer, 2012)
13. “Children of Men” (Alfonso Cuarón, 2006)
12. “Zodiac” (David Fincher, 2007)
11. “Inside Llewyn Davis” (Joel and Ethan Coen, 2013)
10. “No Country for Old Men” (Joel and Ethan Coen, 2007)
9. “A Separation” (Asghar Farhadi, 2011)
8. “Yi Yi: A One and a Two” (Edward Yang, 2000)
7. “The Tree of Life” (Terrence Malick, 2011)
6. “Eternal Sunshine of the Spotless Mind” (Michel Gondry, 2004)
5. “Boyhood” (Richard Linklater, 2014)
4. “Spirited Away” (Hayao Miyazaki, 2001)
3. “There Will Be Blood” (Paul Thomas Anderson, 2007)
2. “In the Mood for Love” (Wong Kar-wai, 2000)
1. “Mulholland Drive” (David Lynch, 2001)


BBCが選んだ「21世紀の偉大な映画ベスト100」

100位 『トニ・エルトマン』(マーレン・アーデ、2016)
100位 『レクイエム・フォー・ドリーム』(ダーレン・アロノフスキー、2000)
100位 『カルロス』(オリヴィエ・アサヤス、2010)
99位 『落穂拾い』(アニエス・ヴァルダ、2000)
98位 『10話』(アッバス・キアロスタミ、2002)
97位 『ホワイト・マテリアル』(クレール・ドニ、2009)
96位 『ファインディング・ニモ』(アンドリュー・スタントン、2003)
95位 『ムーンライズ・キングダム』(ウェス・アンダーソン、2012)
94位 『ぼくのエリ 200歳の少女』(トーマス・アルフレッドソン、2008)
93位 『レミーのおいしいレストラン』(ブラッド・バード、2007)
92位 『ジェシー・ジェームズの暗殺』(アンドリュー・ドミニク、2007)
91位 『瞳の奥の秘密』(フアン・ホセ・カンパネラ、2009)

90位 『戦場のピアニスト』(ロマン・ポランスキー、2002)
89位 『頭のない女』(ルクレシア・マルテル、2008)
88位 『スポットライト 世紀のスクープ』(トム・マッカーシー、2015)
87位 『アメリ』(ジャン=ピエール・ジュネ、2001)
86位 『エデンより彼方に』(トッド・ヘインズ、2002)
85位 『預言者』(ジャック・オーディアール、2009)
84位 『her/世界でひとつの彼女』(スパイク・ジョーンズ、2013)
83位 『A.I.』(スティーヴン・スピルバーグ、2001)
82位 『シリアスマン』(コーエン兄弟、2009)
81位 『SHAME -シェイム-』(スティーヴ・マックイーン、2011)

80位 『父、帰る』(アンドレイ・ズビャギンツェフ、2003)
79位 『あの頃ペニー・レインと』(キャメロン・クロウ、2000)
78位 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(マーティン・スコセッシ、2013)
77位 『潜水服は蝶の夢を見る』(ジュリアン・シュナーベル、2007)
76位 『ドッグヴィル』(ラース・フォン・トリアー、2003)
75位 『インヒアレント・ヴァイス』(ポール・トーマス・アンダーソン、2014)
74位 『スプリング・ブレイカーズ』(ハーモニー・コリン、2012)
73位 『ビフォア・サンセット』(リチャード・リンクレイター、2004)
72位 『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(ジム・ジャームッシュ、2013)
71位 『熱波』(ミゲル・ゴメス、2012)

70位 『物語る私たち』(サラ・ポーリー、2012)
69位 『キャロル』(トッド・ヘインズ、2015)
68位 『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(ウェス・アンダーソン、2001)
67位 『ハート・ロッカー』(キャスリン・ビグロー、2008)
66位 『春夏秋冬そして春』(キム・ギドク、2003)
65位 『フィッシュ・タンク』(アンドレア・アーノルド、2009)
64位 『グレート・ビューティー/追憶のローマ』(パオロ・ソレンティーノ、2013)
63位 『ニーチェの馬』(タル・ベーラ、アニエス・フラニツキ、2011)
62位 『イングロリアス・バスターズ』(クエンティン・タランティーノ、2009)
61位 『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(ジョナサン・グレイザー、2013)

60位 『世紀の光』(アピチャートポン・ウィーラセータクン、2006)
59位 『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(デヴィッド・クローネンバーグ、2005)
58位 『母たちの村』(センベーヌ・ウスマン、2004)
57位 『ゼロ・ダーク・サーティ』(キャスリン・ビグロー、2012)
56位 『ヴェルクマイスター・ハーモニー』(タル・ベーラ、2000)
55位 『イーダ』(パヴェウ・パヴリコフスキ、2013)
54位 『昔々、アナトリアで』(ヌリ・ビルゲ・ジェイラン、2011)
53位 『ムーラン・ルージュ』(バズ・ラーマン、2001)
52位 『トロピカル・マラディ』(アピチャートポン・ウィーラセータクン、2004)
51位 『インセプション』(クリストファー・ノーラン、2010)

50位 『黒衣の刺客』(ホウ・シャオシェン、2015)
49位 『さらば、愛の言葉よ』(ジャン=リュック・ゴダール、2014)
48位 『ブルックリン』(ジョン・クローリー、2015)
47位 『裁かれるは善人のみ』(アンドレイ・ズビャギンツェフ、2014)
46位 『トスカーナの贋作』(アッバス・キアロスタミ、2010)
45位 『アデル、ブルーは熱い色』(アブデラティフ・ケシシュ、2013)
44位 『それでも夜は明ける』(スティーヴ・マックイーン、2013)
43位 『メランコリア』(ラース・フォン・トリアー、2011)
42位 『愛、アムール』(ミヒャエル・ハネケ、2012)
41位 『インサイド・ヘッド』(ピーター・ドクター、2015)

40位 『ブロークバック・マウンテン』(アン・リー、2005)
39位 『ニュー・ワールド』(テレンス・マリック、2005)
38位 『シティ・オブ・ゴッド』(フェルナンド・メイレレス、2002)
37位 『ブンミおじさんの森』(アピチャートポン・ウィーラセータクン、2010)
36位 『禁じられた歌声』(アブデラマン・シサコ、2014)
35位 『グリーン・デスティニー』(アン・リー、2000)
34位 『サウルの息子』(ネメシュ・ラースロー、2015)
33位 『ダークナイト』(クリストファー・ノーラン、2008)
32位 『善き人のためのソナタ』(フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク、2006)
31位 『マーガレット』(ケネス・ローナガン、2011)

30位 『オールド・ボーイ』(パク・チャヌク、2003)
29位 『ウォーリー』(アンドリュー・スタントン、2008)
28位 『トーク・トゥ・ハー』(ペドロ・アルモドバル、2002)
27位 『ソーシャル・ネットワーク』(デヴィッド・フィンチャー、2010)
26位 『25時』(スパイク・リー、2002)
25位 『メメント』(クリストファー・ノーラン、2000)
24位 『ザ・マスター』(ポール・トーマス・アンダーソン、2012)
23位 『隠された記憶』(ミヒャエル・ハネケ、2005)
22位 『ロスト・イン・トランスレーション』(ソフィア・コッポラ、2003)
21位 『グランド・ブダペスト・ホテル』(ウェス・アンダーソン、2014)

20位 『脳内ニューヨーク』(チャーリー・カウフマン、2008)
19位 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(ジョージ・ミラー、2015)
18位 『白いリボン』(ミヒャエル・ハネケ、2009)
17位 『パンズ・ラビリンス』(ギレルモ・デル・トロ、2006)
16位 『ホーリー・モーターズ』(レオス・カラックス、2012)
15位 『4ヶ月、3週と2日』(クリスチャン・ムンギウ、2007)
14位 『アクト・オブ・キリング』(ジョシュア・オッペンハイマー、2012)
13位 『トゥモロー・ワールド』(アルフォンソ・キュアロン、2006)
12位 『ゾディアック』(デヴィッド・フィンチャー、2007)
11位 『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(コーエン兄弟、2013)

10位 『ノーカントリー』(コーエン兄弟、2007)
9位 『別離』(アスガル・ファルハーディー、2009)
8位 『ヤンヤン 夏の想い出』(エドワード・ヤン、2000)
7位 『ツリー・オブ・ライフ』(テレンス・マリック、2011)
6位 『エターナル・サンシャイン』(ミシェル・ゴンドリー、2004)
5位 『6才のボクが、大人になるまで。』(リチャード・リンクレイター、2014)
4位 『千と千尋の神隠し』(宮崎駿、2001)
3位 『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(ポール・トーマス・アンダーソン、2007)
2位 『花様年華』(ウォン・カーウァイ、2000)
1位 『マルホランド・ドライブ』(デヴィッド・リンチ、2001)


・・・恥ずかしながら、観てない作品が結構ありますねえ。

まあ、今後のお楽しみ、ということで。



『マルホランド・ドライブ』



”ゴジラ映画の傑作”と言いたい、「シン・ゴジラ」

2016年07月30日 | 映画・ビデオ・映像



29日(金)、待ちかねた初日。

映画「シン・ゴジラ」を観てきました。

で、いきなりの結論(笑)。

これは、ゴジラ映画の傑作です。

子供時代の1960年代から50年間、ゴジラ映画を全部、映画館で、リアルタイムで観てきたことを踏まえ、自信をもって言えます。

思えば、平成版のいくつか、それにアメリカ製も、困ったもんなあ。

これは傑作です。

いやあ、面白かった!

何より、チャチくないし、ダサくない。


まず感心したのは、やはり映像ですね。

迫力と、リアルと、美しさの三位一体。

武蔵小杉にも、品川駅にも、確かにゴジラがいました(笑)。

こうした作品で、「庵野秀明×樋口真嗣」は、現在における最強コンビですが、その期待を裏切らない出来になっています。


次に、この作品が、ゴジラという怪獣に関して、”まっさら”なところから物語っていること。

庵野さんの脚本ですね。

過去のゴジラ映画とのつながりとか、かつて日本にやってきたことがあるとか、そういう設定は一切なし。あえて断絶させている。

「今、この国に、こういう生物が現れたらどうなるのか」という一点に集中して、物語が展開されているのだ。

あれこれ描こうと思えばできる中で、「日本政府VSゴジラ」に絞り込んでいる。

まさに、「現実VS虚構」です。

誰もがゴジラを初めて見る。

初めて街が破壊される。

初めて国民の命が脅かされる。

その時、日本政府の、誰が、何を、どう対応していくのか。

その間も、ゴジラは破壊を続けている。

その両方を、観客は見つめていく。


長谷川博己さんは、好きな役者さんだけど、「センが細いんじゃないかなあ」と心配していた。

でも、結果的には、なかなかの適役でした。

石原さとみさんは、英語スクールのCMに出ているのも伊達じゃないぞ、という語学力を発揮して熱演しています。

長谷川、石原と並ぶと、ちょっと「進撃の巨人」感が強かったけど、まあ、それはご愛嬌ということで(笑)。


まだまだ言いたいことはありますが、以上、取り急ぎの報告です。

映画館に足を運んで損はありません。

というか、映画館で観るべき1本です。



つい買ってしまった、「ゴジラ2016  限定クリアレッドバージョン」

臨場感がハンパじゃない、映画「レヴェナント:蘇えりし者」

2016年05月15日 | 映画・ビデオ・映像



レオナルド・ディカプリオ主演の「レヴェナント:蘇えりし者」を観てきました。

監督は、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のアレハンドロ・G・イニャリトゥ。

アカデミー賞の主演男優賞、監督賞、撮影賞の3つを獲得しています。

アメリカ西部の原野、ハンターのヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は狩猟の最中に熊の襲撃を受けて瀕死(ひんし)の重傷を負うが、同行していた仲間のジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に置き去りにされてしまう。かろうじて死のふちから生還したグラスは、自分を見捨てたフィッツジェラルドにリベンジを果たすべく、大自然の猛威に立ち向かいながらおよそ300キロに及ぶ過酷な道のりを突き進んでいく。

観る前は、「なぜ今、こういう作品を作ったんだろう」といった疑問もあったのですが、作品の圧倒的な迫力で、どこかに吹っ飛んでしまったような・・・。

森の中というか、森の奥というか、自然の凄まじさを背景に、おびただしい暴力、血、死が描かれていきます。

また、極限においてこそ表出する、人間の本質みたいなものも。

これが、結構怖い。

ディカプリオは、とにかく、「よく頑張りました」とホメたくなります。

アカデミー賞、よかったね、です。

それから映像がいい。

撮影監督のエマニュエル・ルベツキは、これを「自然光」で撮ったそうですが、ディカプリオたちのすぐ隣にいるような臨場感がハンパじゃなかったですね。

全体として、「うーん、映画だなあ」と、「映画ならではだなあ」と、思わせてくれる1本でした。

“宇宙猿”VS. “宇宙ゴキ”の映画『テラフォーマーズ』

2016年05月02日 | 映画・ビデオ・映像



公開されたばかりの映画『テラフォーマーズ』を見てきました。


火星で人型に進化したゴキブリ「テラフォーマー」と人類の壮絶な戦いを描いた大ヒットコミックを、鬼才・三池崇史監督のメガホンにより実写映画化。主演を「悪の教典」でも三池監督とタッグを組んだ伊藤英明が務め、武井咲、山下智久、山田孝之、小栗旬ら豪華キャストが集った。2599年、人口増加による貧富の差が激しくなる日本では、新たな居住地開拓のために「火星地球化(テラフォーミング)計画」が始まっていた。しかし、火星の気温を上げるためにコケとともに放たれたゴキブリが異常進化してしまう。そのゴキブリたちを駆除するため、15人の日本人が火星に送り込まれるが……。


原作未読、予備知識無しのまま、映画館へ。

何しろ、三池崇史監督作品なので、とりあえず無条件参加(笑)。

「三池流の国産SF?」くらいのつもりだったのですが、いや、なんというか、びっくりぽん(懐)な内容で。

以前、ポール・バーホーベン監督の『スターシップ・トゥルーパーズ』(97年)という作品があって、人類と、笑っちゃうくらい大量の“宇宙昆虫”との壮絶な戦いを見たことがあるのですが、こちらの敵は、いわば“宇宙ゴキブリ”でありまして・・・。

その征伐のために、“海猿”の伊藤英明さんが、海ならぬ宇宙に出張(でば)ってるんだから、本作の伊藤さんは“宇宙猿”でしょうか。

“宇宙猿”VS. “宇宙ゴキ”!

三池作品に出演している武井咲さんを見るのは、『愛と誠』以来でした。

今回の武井さん、なかなか衝撃的なことになっております。

菊地凜子さんは、『パシフィック・リム』などを想起させ、貫禄十分。

小池栄子さんは、宇宙でも違和感なし。

そうそう、エンドロールでは、「特別協賛 アース製薬」の文字が目に飛び込んできて、嬉しくなってしまいました。




活字ジャーナリズムの力を示す、映画「スポットライト」

2016年04月25日 | 映画・ビデオ・映像



映画「スポットライト~世紀のスクープ」を観ました。

アカデミー賞の作品賞&脚本賞受賞作です。


新聞記者たちがカトリック教会のスキャンダルを暴いた実話を、「扉をたたく人」のトム・マッカーシー監督が映画化し、第88回アカデミー賞で作品賞と脚本賞を受賞した実録ドラマ。2002年、アメリカの新聞「ボストン・グローブ」が、「SPOTLIGHT」と名の付いた新聞一面に、神父による性的虐待と、カトリック教会がその事実を看過していたというスキャンダルを白日の下に晒す記事を掲載した。社会で大きな権力を握る人物たちを失脚へと追い込むことになる、記者生命をかけた戦いに挑む人々の姿を、緊迫感たっぷりに描き出した。第87回アカデミー賞受賞作「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」で復活を遂げたマイケル・キートンほか、マーク・ラファロ、レイチェル・マクアダムスら豪華キャストが共演。


「新聞、やるじゃん」「活字ジャーナリズム、大事じゃん」と思わせてくれます。

実話であり、結末もそれなりに知っているつもりでも、観ている間、ずっと緊張感がありました。

脚本がいいんですね。

エンタメ化のためにと、無理やり恋愛をからめたりしないのも好感度高し。

ボストンという街の落ち着いた雰囲気もよかった。

観る前は、「大統領の陰謀」をイメージしたりしましたが、淡々とした描き方も含め、独自の作品として、やはり見事です。


6月に、この作品の上映とリンクした講演をする予定があります。

その詳細はまた、あらためて。


映画『ぼくが命をいただいた3日間』、間もなく公開!

2016年03月04日 | 映画・ビデオ・映像



工藤里紗監督の『ぼくが命をいただいた3日間』を、公開に先駆けて観る機会がありました。


本作は、食べることのありがたさや「いただきます」という言葉の意味をテーマとした“食育エンタテインメント”。主人公は、生まれて初めて父の故郷である山村を訪れた都会育ちの小学6年生・悠介。茶色いものばかりの料理やつらい畑仕事に戸惑いながらも、彼が近所に住む美少女・明日香から「いただきます」の意味を教わる様子を描く。

悠介役を務めるのは、大河ドラマ「軍師官兵衛」で官兵衛の幼少期を演じ、本作が映画初主演となる若山耀人。そして「青鬼 ver.2.0」「案山子とラケット ~亜季と珠子の夏休み~」の平祐奈が明日香に扮する。フレッシュな2人の脇を固めるのは、松原智恵子、高橋和也、伊藤裕子、でんでん、坂田利夫ら。テレビドラマ「アラサーちゃん 無修正」のプロデューサー、工藤里紗が監督を務めた。



確かに、私たちは様々な“生きもの”の命を頂戴することで、自らの命をつないでいます。

少年の目と心を通して、「人はいかにして生きているのか」を伝える秀作でした。

主に子供たちに観て欲しい。もちろん、“かつての子供たち”にも。

主演の若山耀人くん、そして平祐奈さんが、とてもいいです。

でんでんさんのお祖父ちゃんは、まさに適役。

また、私たちの世代にとっての憧れのお姉さんだった、松原智恵子さんも素敵なおばあちゃまに(笑)。

丁寧に撮られたエピソードの一つ一つが、人が暮らすことの“原点”を思わせてくれました。


東京都 イオンシネマ板橋  3月5日(土)~3月11日(金)
茨城県 イオンシネマ守谷  3月5日(土)~3月11日(金)
埼玉県 イオンシネマ春日部 3月5日(土)~3月11日(金)
群馬県 プレビ劇場ISESAKI 3月12日(土)~



やや物足りない、映画『ミケランジェロ・プロジェクト』

2015年11月23日 | 映画・ビデオ・映像



ジョージ・クルーニー監督の映画『ミケランジェロ・プロジェクト』を見てきました。

ナチス・ドイツ総統アドルフ・ヒトラーの命を受け、ドイツ軍は侵攻した欧州各国の美術品を略奪。それに強い危機感を抱くハーバード大学付属美術館の館長ストークス(ジョージ・クルーニー)はルーズベルト大統領を説得し、美術品や歴史的建造物を保護する部隊モニュメンツ・メンを結成する。中世美術に精通したグレンジャー(マット・デイモン)や建築家キャンベル(ビル・マーレイ)などのメンバーを集め、ヨーロッパ各地を奔走。だが、劣勢を強いられて自暴自棄になったナチスや、妨害しようとするソ連軍が彼らの前に立ちはだかる。

いわゆる戦争映画とは、やや趣きが異なります。

“美術品の救出”がミッションというのが面白いな、と思って。

ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、それにビル・マーレイと、俳優陣も大好きなメンバーでした。

えーと、十分楽しめたのですが、もっとハラハラ、ドキドキがあってもよかったかな、と。

あの俳優陣に加え、ケイト・ブランシェットまでいるのに、物語として、ちょっと惜しいなというか、やや物足りないな、と(笑)。

「ノルマンディー」や「レマゲン鉄橋」や「バルジの戦い」といった有名な激戦地が出てくるのですが、地名のテロップと背景の風景というシンプルな表現。

確かに、美術品救出チームが活動できるのは、基本的に戦いが終わった後のタイミングなんですね。思わず苦笑いでした。

この「モニュメンツ・メン」は実在した部隊で、物語も実話だそうです。

実話や史実モノって、あまりイジることは出来ないので、まあ、ストーリーとしては仕方ないのかもしれません。


札幌で、「NORIN TEN~稲塚権次郎物語」稲塚秀孝監督に遭遇

2015年09月26日 | 映画・ビデオ・映像

映画「NORIN TEN~稲塚権次郎物語」の完成・公開に拍手!

2015年09月24日 | 映画・ビデオ・映像



現在、旧知の方たちが携わった映画が公開されています。

まずは、「NORIN TEN~稲塚権次郎物語」を見てきました。

世界の小麦の70%以上の基となった「農林10号(ノーリン・テン)」の育種者で、第2次世界大戦後の世界的な食糧危機を救い、「農」の神様と呼ばれた稲塚権次郎の半生を仲代達矢の主演で描く。農学校卒業後、農家の跡取りとして農作業に勤しむ権次郎だったが、彼の向学心がやむことはなかった。親戚の応援を受け、東京で育種家の道を歩んだ権次郎は、その生真面目な性格から、周囲からは変人扱いされながらも研究に没頭した。のちに妻となるイトとの出会いや、世界を救うこととなる「小麦農林10号」育種の成功など、稲塚権次郎の生涯と彼が生きた時代が描かれる。監督は「仲代達矢『役者』を生きる」などのドキュメンタリー映画を数多く手がけ、稲塚氏の遠戚でもある稲塚秀孝。

稲塚権次郎は実在の人物で、「現在の“こしひかり“の基となる種や小麦の代表品種“農林10号“を生み出し、世界の飢餓を救った男」です。

タイトルの「NORIN TEN」は、小麦の農林10号のことなんですね。

明治末期に生まれた権次郎は、実に真面目な人です。

東京帝大の農学部で学んだエリートですが、当時の貧しい農家を救いたいという思いから、「美味しくて収量が高い米」を生み出すことを目指します。

「育種家」という言葉も、この映画で知りました。

戦争末期の中国に赴任していた権次郎夫妻は、戦後まで苦労するのですが、農業に対する真摯な姿勢は変わりません。

この映画もまた、生真面目で、誠実な作品でした。

私にとって、稲塚秀孝監督は、テレビマンユニオン時代の先輩です。

映像監督の中堀正夫さん、音響監督の菊池正嗣さんも、ずっとお世話になってきた方たち。

特に中堀さんは、故・実相寺昭雄監督のまさに片腕であり、現在も実相寺研究の集まりで、ご一緒させていただいています。

“無私の心”で厳しい時代を生きた、ひとりの男を描く。

そんな稲塚監督の思いを、中堀さんや菊池さんたちが支えて、完成した作品です。

たくさんの皆さんが見て下さるといいな、と思いました。

超リアル映像で迫るディザスター映画「カリフォルニア・ダウン」

2015年09月23日 | 映画・ビデオ・映像


思わぬ拾いモノ的な1本だ。

映画「カリフォルニア・ダウン」です。

巨大地震が発生し、猛烈な揺れに襲われたカリフォルニア。超高層ビル群やゴールデンゲートブリッジが次々と倒壊し、ロサンゼルスなどの大都市が相次いで壊滅。救難活動に奔走するレスキュー隊のパイロット、レイ(ドウェイン・ジョンソン)はサンフランシスコに残された娘(アレクサンドラ・ダダリオ)の救出に向かうが……。

大地震を描いたパニック映画、いや、現在はディザスター映画と呼ぶそうです。

主演は、あの筋肉の塊みたいなドウェイン・ジョンソンで、彼が出ている「ワイルド・スピード」シリーズも嫌いじゃない。

で、ドウェイン・ジョンソンだから、まあ、アクション系のディザスター映画(?)といった、わけのわからん予想をしていて。

そして、いい方向に裏切られた、というわけです。

いやあ、かなり面白かった。

「レスキュー隊員のジョンソンが、家族の救出ばかりでいいのか」みたいな意見もありましょうが(笑)、一難去ってまた一難みたいな連続ハードルの展開と、何より大都市を襲う巨大地震と津波の映像が思いっきり本格的というか、感心するほど超リアルで、最後まで目が離せませんでした。

ロスもサンフランシスコも、本当に破壊されたような臨場感。

あれが東京だったら、どうなるか。どうサバイブしたらいいのか。つい考えちゃいました。

やはり映画は、事前情報や前評判だけで判断せず、自分の目で見てみないと、わからないものですね。


猛暑の夏こそ映画館(5) 「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」

2015年08月17日 | 映画・ビデオ・映像



私は原作の愛読者ではないし、アニメ版の熱心な視聴者でもありません。

こうした内容の漫画やアニメが、なぜ多くの人の支持を受けているのか。

それは何かしら時代や社会と関係があるのか。

といったことに関心を持ちつつも、劇場に足を運んだ最大の理由は、樋口真嗣監督作品だから、かもしれません。

樋口監督が、何を、どう描くのかが、興味の焦点でした。

見終わって、最初に浮かんだ言葉は、「壮大にして空虚なグロテスク」です。

ポスターのキービジュアルになっている筋肉系の巨人ではなく、目の前をのしのし歩き、むしゃむしゃと人間を食べるのは、ぶよぶよした、人間に近い姿のヒト型巨人(勝手な命名ですが)でした。

「うーん、これが見せたかったのかなあ」と思わせるほど、これでもか、これでもかと続く補食シーン。

途中で、やや飽きてきました。

戦士たちをめぐる物語も何だか空回りで、登場人物の誰かに共感したり、思い入れたりすることが難しくて。

中途半端な形で描かれる恋愛風場面も、挿入されるエロ風場面も、いずれも「風」なままで、どうにも気恥ずかしく。

そうなると、見せてもらったのは、壮大にして空虚なグロテスクではないかと。

もちろん、「壮大にして空虚なグロテスク」を、映画の形で創造することも、なかなか大変なことではあるのですが。

そもそも、「元々、壮大にして空虚なグロテスクを狙った作品でなんですよ」と言われたら、「あ、そうですか。ならば、見事な出来栄えです」としか返せないし。

しかし、正直言って、樋口真嗣監督作品じゃなかったら、途中で出てきちゃったかもしれません。

極論かもしれませんが、本編と特撮を、別々の監督が担当する手もあったのではないでしょうか。

平成「ガメラ」シリーズでの、金子修介監督と樋口真嗣監督みたいに。

まあ、夢想ですけど。

続編を劇場に見に行くかどうかは、今のところ未定です。


猛暑の夏こそ映画館(4) 「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」

2015年08月15日 | 映画・ビデオ・映像



よく頑張るなあ、トム・クルーズ。

毎回、結果はともかく、「前作を上回るエンターテインメントに」という意欲、サービス精神が伝わってきます。

ストーリーには、サスペンスとしての起伏があって、飽きさせないような工夫が施されていますが、時々、緊張感がゆるむ瞬間がありました。

この新作での敵は、「正体不明の多国籍スパイ集団“シンジケート”」。

うーん、相手としては、イマイチ存在感が希薄というか、怖くないというか。

やはり敵が魅力的なほど、こういうシリーズは面白いですからね。

お約束のカーチェイス、バイクチェイスなどは、「おお、やってくれてる!」と拍手でした。

このシリーズがどこまで続くのかは分かりませんが、なんだかんだと言っても、次回作があれば、もちろん見に行きます。

それにしても、よく頑張るなあ、トム・クルーズ。