30年前のYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)から、現在の3人(細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一)までを撮り続けてきたのが、鋤田正義カメラマンだ。
その30年が、まるごと詰まった写真集、鋤田正義・YMO『Yellow Magic Orchestra×SUKITA』(TOKYO FM出版)が出た。
当たり前だが、始めのページあたり、3人が若い(笑)。でも、古いという感じはない。
最初から「ワールド・ワイド」だったんだなあ、とあらためて思う。
当時は珍しかったはずのワールドツアーだが、写真を見る限り、変な意気込みや気負い、もちろん悲壮感もない。
自然なことを自然にやっている、楽しんでいるといった風情だ。それがカッコイイ。
3人の顔は、バルバリのYMO時代もいいけど、最近のほうがもっといい(笑)。
鋤田カメラマンの写真は、ずっといいままだ。
僕も若いときの音はもう出せないけど、今は当時出せなかった音が出せます。若い頃には思いもつかなかったような音楽の側面を三人とも理解するようになったわけで、確実のその音楽の幅は広がっています。
――坂本龍一『Yellow Magic Orchestra×SUKITA』収録インタビュー