日経MJ(流通新聞)に連載しているコラム「CM裏表」。
今回は、石原さとみさんの「明治 果汁グミ」を取り上げました。
明治「果汁グミ 変身ぶどう篇」
石原さんの口元 寸止め感に魅力
石原さんの口元 寸止め感に魅力
グミは不思議な食べ物だ。成分は果汁などとゼラチン。名称はゴムを意味するドイツ語が由来だ。歯の健康に寄与する菓子という発想が、いかにもドイツっぽい。
日本では1980年の「コーラアップ」が初のグミ製品で、発売はもちろん明治だ。以来35年、最近ではグミと聞けば石原さとみさんの顔を思い出す。
今回、石原さんはOLだ。「これ、辛抱たまらん。けしからん」とエレベーターの中で、果汁グミを口に入れる。すると、ぶどう柄の衣装へと大変身。
可愛いのだが、上司には「魔女?」と聞かれてしまう。ムッとしながら、「妖精だわ」と言い返す様子がまた笑える。
石原さんといえば、あの魅力的な唇だ。グミじゃなくても吸い寄せられるだろう。しかし、カメラはそんな唇のアップを撮らないし、見せてくれない。
この自制心、この寸止め感。いや、だからこそ、また見たくなるのだ。実にけしからん唇であり、けしからんCMである。
(日経MJ 2015.06.01)