碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

もえちゃん、おめでとう!

2015年10月05日 | テレビ・ラジオ・メディア
今年の誕生日に、もえちゃん、TX繁田美貴アナと


山口もえさんと、爆笑問題・田中裕二さんが結婚。

めでたいことです。

山口もえさん、いえ、もえちゃんですね。

この春まで2年間、BSジャパン「大竹まことの金曜オトナイト」で、一緒にレギュラーを務めていたのですが、ずっと「もえちゃん」と呼んでいましたから。



もえちゃん、おめでとう!

もえちゃんが、このブログを、ちょくちょく見てくれているのは知っているので、この場で、お祝いのメッセージです。



田中さんの話は、収録前のスタジオやロビーで、もえちゃんから時々聞いていて、「いつか、上手く行くといいなあ」と思っていました。

決定的だったのは、今年3月の打ち上げパーティの最中に、大竹さんが突然、「もえちゃんが夏には・・・」と発言してしまい、一同大喝采でした。

でも、その時は「みんな、黙っていようね」ということになり、でも、どこかから話が漏れたらしく、私のところにも取材が来ました。

実際は、もえちゃんの隣に座っていたのですが、「遠くの席にいたので、何の話か、聞こえませんでしたよ」と、トボケました(笑)。

夏のはずが秋にはなりましたが、とにかく、無事ゴールイン。

よかった、よかった。

一家4人で、よき家庭にしていってください。

もえちゃん、本当に、おめでとう!




書評本: 野上孝子『山崎豊子先生の素顔』ほか

2015年10月05日 | 書評した本たち



野上孝子さんの『山崎豊子先生の素顔』などの書評を、アップするのを忘れていました。


「週刊新潮」の書評欄に書いたのは、以下の本です。

野上孝子 『山崎豊子先生の素顔』
文藝春秋 1620円

昭和37年、女子大の国文科を卒業した著者は、秘書として就職する。ただし雇い主は、『花のれん』で直木賞を受賞し、『ぼんち』など話題作を発表していた山崎豊子だ。以来52年間、一昨年9月に山崎が亡くなるまで作家活動を支え続けた。

身近にいた人が見た、国民的作家の素顔と創作の秘密。こうした本を手に取る読者の関心はそこに向かうはずだ。著者はそんな好奇心に対して迎合も拒否もせず、自分の目で見たエピソードを淡々と語っていく。

たとえば、「テーマがよければ、それで小説はまず五十点取ったも同然というのが、先生の持論である」といった一文が貴重なのだ。教授選挙と誤診問題を梃子に、大学病院の権威主義や封建制を暴いた『白い巨塔』。魑魅魍魎がうごめく金融界に踏み込んだ『華麗なる一族』。そして中国残留孤児の過酷な運命を描いた『大地の子』と、ハードルの高いテーマに挑み続けた作家だった。

次に興味深いのは、その徹底した取材ぶりだ。これはと思う人物から納得のいくまで話を引き出す。必要なら地球の裏側までも飛んでいく。その様子は、優れたドキュメンタリー番組の制作過程を見るようだ。「私の小説作法は、丸太を斧で割るタイプ。その点、例えば三島由紀夫さんは切れ味鋭いナイフだ」という山崎の言葉も頷ける。

日々の執筆活動のサポートはもちろん、取材旅行では寝食を共にした著者だが、節度ある距離感を保ち続ける。「自分勝手でええカッコしい」だが、「どこか憎めず、チャーミング」だった素顔。また、「小説に対する情熱が半端ではない。大変な努力家である。ストイックとさえいえた」仕事への姿勢。それらを踏まえた上で、著者は山崎が陥った剽窃騒動にもきちんと触れている。

晩年、山崎は満身創痍でありながら、絶筆となった『約束の海』に取り組む。迷いながら努力する意欲は、最後の最後まで変わらなかった。


中山康樹 
『ウィントン・マルサリスは本当にジャズを殺したのか?』

シンコー・ミュージック・エンタテイメント 1944円

「スイングジャーナル」元編集長で、博覧強記の音楽評論家として健筆をふるってきた著者が、今年1月に急逝した。 遺作となった本書では、稀代のトランぺッター、ウィントンが提示した「新しいジャズ」とは何だったのかを探っている。ジャズの伝道師に合掌。

(週刊新潮 2015.10.01号)