碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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書評した本: 中村実男 昭和浅草映画地図』ほか

2018年05月14日 | 書評した本たち


週刊新潮に、以下の書評を寄稿しました。

中村実男 
『昭和浅草映画地図』

明治大学出版会 2700円

映画を「風景の記憶装置」と捉える明大教授が、浅草の歴史と変化をたどる。たとえば川島雄三が『とんかつ大将』で描いた戦後復興期の裏長屋。また大林宣彦が『異人たちとの夏』で見せてくれた昭和末期の六区。浅草には懐かしくて切ない物語がよく似合う。


神長幹雄 
『未完の巡礼~冒険者たちへのオマージュ』

山と渓谷社 1836円

元『山と溪谷』編集長が描く、還らなかった登山家、冒険家、写真家の肖像6編。彼らはなぜ命がけの挑戦を続けたのか。植村直己、長谷川恒男、星野道夫などの足跡を求めてアラスカやヒマラヤを歩き、その肉声を手記や生前のインタビューで甦らせている。

(週刊新潮 2018年4月26日号)