
日曜の夜、楽しく見ていた『霊能力者 小田霧響子の嘘』が終わった。
ちょっと寂しくなります(笑)。
一方、NHKで『坂の上の雲』第2部が始まった。
第1部に続いて、“映画スケール”ともいうべき制作費の掛け方に、
ため息が出る。
超低予算の番組があっていいし、逆に、こういう「掛けられるだけ、掛けた」番組(笑)もあっていいと思う。
閑話休題(お話変わって)・・・・
放送批評懇談会が発行する月刊誌『GALAC(ぎゃらく)』の最新(2011年1月)号が出た。
特集は「第48回上期ギャラクシー賞」で、入賞候補作が発表になっている。
委員長を務めさせていただいている「報道活動部門」で選ばれた“上期”入賞候補は、以下の4本だ。
これらに、“下期”の候補作を加えた中から、第48回ギャラクシー賞が決定される。
○報道キャンペーン「堀川のキセキ~人・街・川」 (東海テレビ放送)
○NHK「北方領土プロジェクト」 (日本放送協会)
○口蹄疫発生から終息宣言までの一連報道 (宮崎放送)
○ステーションQ 年間企画「オキナワ1945 島は戦場だった」
(琉球朝日放送)
この『GALAC』には、各選奨委員会の委員長が「選考を終えて」という一文を寄せている。
以下に、私のものを転載しておきます。
当たり前のことを、当たり前以上に
二〇一〇年上期のギャラクシー報道活動部門の入賞候補作が決定した。
今回の応募数は九本。やや寂しい数字ではある。
しかし、プロジェクト企画(NHK)、キャンペーン報道(東海テレビ、日本テレビ)、シリーズ企画(熊本県民テレビ、毎日放送)、年間企画(琉球朝日放送)などの他に、日常的アプローチとでも呼ぶべき活動(山口朝日放送、新潟放送)もあって、内容は多彩。
全体的には充実していたといえる。
そんな活動の中で、はっとさせられたのが宮崎放送「口蹄疫発生から終息宣言までの一連報道」である。
国内では十年ぶりの発生であり、連日テレビ報道が行われていた。
しかし、「ウイルスとの闘い」「二九万頭の牛豚が殺処分」と聞いても、申し訳ないことだが、やや実感に乏しかった。
なぜなら、テレビを通じて一番見せられたのが東国原知事の顔だったりしたからだ。
この宮崎放送の活動を見ると、現地で、現場で、一体何が起きていたのか、県外の視聴者はきちんと知らされていなかったことが分かる。
特に酪農家の方々の苦しみ、悲しみ、憤りといったものが、全国的には伝えられていなかった。
実際には、実にキメ細かい取材を重ね、地域の人たちの声を救い上げ、時には代弁者となって発信していた。
約一〇〇日の間に、トータルで三八回の企画ニュース、五本の報道特別番組を制作し続けていたのだ。
確かに「地元局として、それは当たり前だろう」という見方はある。
しかし、局の持てるチカラを総動員し、当たり前のことを当たり前以上に実践したことを高く評価したい。
また、その報道内容が、県外に十分届いていなかった事実も、全国ニュースのあり方として、広く検証されるべきだと考える。
(GALAC 2011年1月号)