碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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「となりのナースエイド」単なる”医療系お仕事ドラマ”ではなさそうだ

2024年01月17日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

「となりのナースエイド」

単なる「医療系お仕事ドラマ」

ではなさそうだ

 

これはまた面白い題材を持ってきたものだ。川栄李奈主演「となりのナースエイド」(日本テレビ系)である。

ナースエイドとは、ナース(看護師)をサポートする「看護助手」のこと。患者ためのベッドメイキング、食事の介助、移動の手助けなど、看護師の資格がなくても可能な作業だけを行う。

主人公の桜庭澪(川栄)は、大学病院の統合外科に配属された、新人ナースエイド。この仕事に意欲を燃やしているが、ナースエイドを見下すような医師やナースもいて、ちょっと複雑な気分だ。

しかも初日から騒動が起きる。待合室にいた外来患者の様子がおかしい。澪は医師に急いで診察するよう進言するが、拒否される。

エイドが医師にアドバイスするのはNGなのだ。結果的にその患者を助けることになったが、澪には「前向きバカ」のニックネームが付く。

さらに澪は、天才外科医・竜崎大河(高杉真宙)が手術を担当する患者(梶原善)の異変も見抜いてしまう。そんな澪の観察力と知識は普通ではない。竜崎も彼女が何者なのか気になり始める。

この作品、単なる「医療系お仕事ドラマ」ではなさそうだ。確かにナースエイドは「患者に寄り添い心を癒すプロ」だが、その柔らかなイメージの奥に意外なサスペンス性を潜ませている。

民放ゴールデン・プライム帯の連ドラ初主演となる、川栄の演技も見ものだ。

(日刊ゲンダイ「TV見るべきものは!!」2024.01.16)

 


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