碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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鈴井貴之:作・演出の舞台『CUT』を観た。

2010年10月20日 | 舞台・音楽・アート

久しぶりの“ゆりかもめ”、久しぶりの先頭車両“かぶりつき”で(笑)、青海へ。



観覧車はここにあるんだねえ(笑)。



Zepp Tokyoで、鈴井貴之:作・演出の舞台『CUT』だ。

鈴井さんといえば、大泉洋さんと組んでのHTB「水曜どうでしょう?」が有名だが、舞台へのこだわりは半端ではない。




《ストーリー》
10年前に作られた映画「青い空の果てに」。当時はたった1週間で打ち切りになってしまったこの映画。誰の記憶にも残らず消えてしまった映画だった。

その映画のプロデューサー河東は、その消えた映画をリメイクしようと必死だった。商品化される映画作品の中で、河東は本物の映画を作ろうとしていた。心に残る映画を。

ベストセラー原作でもなく、人気コミックの映画化でもない。人気俳優が出るわけでもない地味な作品には、問題が山積みだった。不況の時代にヒットの可能性が少ない映画に資金を出してくれる会社はあるのか。

出資会社の社員の愛人問題、脚本家の恋愛問題、この映画を過去に見て感銘し、この道の進んだ若い助監督達、落ちぶれようとしている女優とマネージャーの将来は、そこに現れる女優の所属する会社の社長の思惑は。果たしてこの映画「青い空の果てに」は完成できるのか・・・。

◆作・演出:鈴井貴之 ◆出演:宇梶剛士、田中要次、野間口徹、増沢望、諏訪雅(ヨーロッパ企画)、土佐和成(ヨーロッパ企画)、木下智恵(北区つかこうへい劇団)、占部房子、納谷真大 ・ 鈴井貴之


この『CUT』、テレビと違うのはもちろんだが、いわゆる演劇、いわゆる舞台とも一味違うものになっていた。

映像の使い方などかなり実験的な表現があって、鈴井さん本人は「ライブエンターテインメント」と呼んでいるそうだ。

「ああ、こういうことがやりたかったんだ」とよく分かった。

そして、私には、鈴井さんの演出が、ちょっとテレているように見えた。

きっとシャイな人なのだ。

でも、テレずに、もっとかましちゃえばいいと思う(笑)。

役者では、木下智恵、占部房子の女優陣がいい。


東京公演は22日まで、Zepp Tokyoです。

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