碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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雪のないクリスマスに思う“あれこれ”

2008年12月25日 | テレビ・ラジオ・メディア
クリスマスとはいえ、東京は雪の断片もない。年末の実感もあまりないが、愛読している各週刊誌が「新年特大号」となって店頭に並び、「ああ、年末だねえ」と思う。

年賀状もまだ書いてない。あせっているところへ、ドイツからハガキが届いた。かつての教え子(といっても、もう立派な30代の女性)からで、いつも年末にグリーティングカードを送ってくれるのだ。

以前はアメリカにいたが、現在はドイツのデュッセルドルフ在住。ハガキに印刷された写真には、彼女やご主人と一緒に、かわいい赤ちゃんが写っている。10ヵ月になる男の子だそうだ。新米ママに「よいお年を」と祈る。

30代の女性といえば、飯島愛さんの訃報。死因はまだよくわからないようだが、病死だけでなく自殺の可能性もあると聞けば、やはり切ない。

「ギルガメッシュないと」(テレビ東京)が91年に放送開始で、彼女は1年後に登場した。16年前だから、二十歳だったことになる。あの頃、後に「孤独死 享年36」と報道されることになるなんて、誰も想像できなかった。合掌。

2008年に放送された民放の連ドラの平均視聴率で、「ごくせん」が第1位だったそうだ。全11回の平均視聴率が22・8%。ドラマ低迷の時代としては、立派な数字ってことだろう。

このドラマは、「学校」での教師と生徒、クラス仲間。そして「組」での親分と子分など、昔から存在する「組織」を舞台に、今は希薄になったといわれる「人間関係」を、あえて濃密なものとして描いている。高視聴率を支えた若い人たちは、「そんなのあるわけないじゃん」と半分笑いながらも、どこかでそんな関係や<つながり>を希求しているのかもしれない。

仲間由紀恵さん演じる“やんくみ先生”が、警察に補導された生徒を引き取りに行くシーンで、私のいる東京工科大学の校舎が警察署として登場し、びっくりしたのも懐かしい。

そうそう、仲間由紀恵さんといえば、来年1月からの連ドラ「ありふれた奇跡」(フジテレビ)に出演する。脚本は山田太一さんだが、その山田さんが「これが最後の連ドラ」宣言をした。倉本聰さんの「風のガーデン」と同じパターンだ。ちなみに、「風のガーデン」を演出したフジの宮本理江子ディレクターは、山田太一さんの実のお嬢さんである。

「北の国から」の倉本聰さん、「ふぞろいの林檎たち」の山田太一さんといった大御所シナリオライターが、次々と<連ドラ>の筆を置く。お二人のドラマで育ってきた人間としては、いつか来ることとはいえ、かなり寂しい。

今年も、あと1週間を切った。何かいいニュース・出来事も飛び込んでこないかなあ、と期待したいところだ。・・・というところまで書いたら、大量の大根が飛び込んできた。

息子が卒業した幼稚園の先生方が、園児たちが育てた大根を届けてくださったのだ。

今は中学生である息子が、この幼稚園を卒業してもう7~8年経つが、毎年、この時期に収穫した大きな大根を、土がついたまま、卒業生であるOB・OGの家を回って配ってくださる。

その気持ちというか、<つながり>がとても有難く、また嬉しい。きっと今夜の食卓は、この大根を使った温かい鍋だ。

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