(株)カプロラクタム-blog

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荒船風穴

2015年06月16日 | 時事
富岡更新のラストは荒船風穴、天然の冷蔵庫ですね。

おそらく世界遺産になっていなければ普通の田舎の景観地だったのでしょうけど、どうやらナビに出てくる直接向かう道が封鎖されており、牧場をぐるっと回り込み、さらに駐車場から1kmほど山道を下る仕様に変えられていました。さらに入場料500円も取られるとは…製糸場も500円値上げしたし、本当世界遺産を最大限に利用しているようですな。世界遺産センターはまだ作っていないくせに・・・
 明治にはまだ冷蔵庫がないため、蚕の卵を大量に保管する施設が必要でした。この地は山の内部に氷があり、そこに風が通ることで夏でも非常に冷たい風が吹くという特性があります。それを利用して人工的に冷気をためておく場所を造って蚕種を保管し、孵化の時期をコントロールすることで年1回だった養蚕を複数回行えるようにしたのがここ、荒船風穴なのです。洞窟ではなく、山肌に石を積見上げて囲いを作った感じですね。内部の氷が溶け切る前に次の雪が降るため、この辺りは年中気温が低いらしく、傍を通るだけでヒヤリとしました。3号、2号、1号と上の方に来るごとに段々温度が下がり、温度計によると1号風穴の中は僅か1度。正に富士山並みですな。このように庫内は夏でも数度と言う温度に保たれています。電気冷蔵庫が使われるようになってからは需要がなくなってしまいましたが、明治から昭和の初期にかけて重用された施設だそうです。

自然を利用した遺産でもあり、昔は中に降りて行けたそうですが今は保護のために立入禁止になっています。その代わりガイドがついて解説してくれ、とても分かりやすかったです。駐車場が遠く鉄板張りなのも、アスファルトを敷いて山中の状態を変えないためだとか。流石よく考えられていますね。

ただ、帰りは下ってきた道をまた1km登るので、夏場にはかなり辛いですがorz