

ほんのり揺れる季節の香り


なんとなくあわただしいとき、ほっとする何かがあるとき、うれしく感じます。
自分は、字を書くことは苦手ですが、書を部屋に飾っています。Yさんは、父が亡くなったとき、父の短歌を書いて下さいました。一度三光を離れる時に、野球の思いを言葉にして書にしてくれました。父の短歌は、仏壇の横に飾っています。
書道家のTさんは、子どもさんの学年を3年間担当しました。その時に、「菜の花」という学年通信を出していました。
卒業するときに、「いちめんの菜の花」という書をいただきました。いろんなことがあっても、毎日生徒たちの様子などを綴って発行してきました。だから「菜の花」という言葉が入った書をいただいたときにはとても感動しました。
今でも大切な宝ものになっています。

昨日、TさんやKさんが出品している「なかつ総合美術展」に行きました。「なかつ総合美術展」は写真、絵画、書道などの作品展です。広い体育館に、たくさんの作品が展示されていました。
受付が終わったあとに、係の人に誘導されて写真展から見ていきました。どれも秀逸した作品ばかりです。中学校の時に習った先生の作品などもありました。
また知り合いの方のかわいい写真がありました。撮っているときの陽だまりのような気持ちが想像でき、見ていると表情も緩んできます。

絵画のコーナーに行きました。一昨年退職された先生がおられました。先生の絵画を紹介してくれました。「清水寺」を書いた油絵がありました。趣があります。「何度も訪れたんですよ。」京都の重厚な雰囲気が漂っています。
それから順路をたどって書道の方に行きました。Tさんがいました。先生の作品を紹介してくれました。さわやかな季節がイメージされます。しばらく眺めていました。気持ちを落ち着かせてくれます。
Kさんやいろんな方の作品なども紹介してくれました。それぞれに作者の思いが詰まっています。

写真、絵画、書・・・これによって自らの思いを表現できることがうらやましく思えます。時が過ぎて去っていく中で、書などに思いを残していくことの素晴らしさを感じます。日々の生活に追われる中、ちょっといい時間をもらうことができました。
これも「輪」なのかも知れません