久しぶりにカッパを着て雨降る中、摘果作業に突撃した。
透明な雨粒踊るみかんの葉をかき分けて、小さい実を落としていく。
木の下を見ると緑の絨毯になるほど、今年は落とす玉数が多い。
雨の恩恵を受けたみかんの木を見ていると、
イヤなことを忘れさせてくれるほど集中できるのが不思議だ。
先輩の賢人が言った、「イヤなことがあったらミカン畑」というフレーズを思い出し、
手は忙しいのだが気持ちは鷹揚とさせられる。
植物には心をほぐすホスピタリティーがあるのだ。
今日は作業中、アブラムシやカイガラムシの天敵であるクサカゲロウの幼虫を見つけた。
背中に木の皮(?)を背負ってカモフラージュして動く様子は、
私から見ればかなり滑稽で、逆に目立ってしまうのではといらぬ心配をしてしまう。
サイバーショットを持ち合わせていなかったので、捕獲して我が家へ。
接写するとクワガタ張りの大顎がよく分かる。
客室である無農薬レモンの温室に入っていただき、さっそく働いてもらうことに。
私にとっては働いてくれる昆虫たちにもホスピタリティーを感じる。
自然の中で時間をかけての作業の中でしか味わえない感覚。
昔は一般解であったのが今は特殊解となり、
いい意味でのおおらかさが失われているような気がする。