梅雨を思わせるような雨に黄緑色の葉が、水滴を纏い嬉しそうである。
多くの水分を吸い上げ、みずみずしさを表現する季節に突入する。
私たち儂人の仕事もそれにつれて自然の摂理とともに慌ただしくなる。
この雨の中、露地みかんの花が咲きだした。
ほのかに薫る花の香りに、長靴をはいての見回りもまた楽しい。
天気になったらスロットル全開だろう。
テレビで震災ボランティアの仕事を見ていると、
私たちが普段していることとオーバーラップする。
そう、つまり百の仕事をこなす百姓仕事と同じなのだ。
体を使う現場での臨機応変な対応と頭を使う優先順位の段取り計算。
ここに私たち生業のむずかしい本質がある。
農の世界はすべて現場から始まるということを、私も毎日再確認する。
そうしないと安易な方向へぶれてしまいそうでとても怖いのだ。
とうとう待ちに待った「地産地消型みかんのオーナー制」の募集が始まった。
今年から運営は百儂人事務局となり、心機一転私も栽培に励む事となった。
河合果樹園と百儂人事務局が良いリズムで、収穫祭までオーナーさんをエスコートしたい。
背景には美味しいみかんができるこの地域での荒廃園地再生がある。
景観の維持は目に見える価値を生まないようにみえるけれど、
オーナーさんの心に刻まれる思い出としての景観で楽しんでもらえればと感じる。
今年で7回目になるこの制度、もう誰もファッズとは言わないだろう。
とにかく臆病さは横に置いて、いつまでも冒険心を持っていよう。
画像はオーナー園の片隅に咲いていたキュウリグサの可憐な花です。