ここ豊橋は太陽の笑顔を忘れてしまうような、天気が続いている。
露地みかんの摘果は遅れ気味、降り続く雨のせいで雑草たちは過繁茂状態。
時折の晴れ間に、植物も昆虫も何かしらの反応を見せる。
ブーンという翅音が耳にここちよく、きらびやかな色彩が舞う。
その体は直角二等辺三角形の底辺の角度を維持しながら飛び、
目にとまる翅の背景が空の色を震わせる。
手で打ち落とし、腹側の色濃い黄金色と
胴をもっての外翅の虹色は、私にとっては一つの眼福。
まだ生まれたばかりなのか傷一つない虫体を接写する。
見る角度、光りの方向によって美しさは変化し、
いにしえの頃から装飾に使われたことに納得する。
タオルミーナを訪れてから気になっていたのが、
リュック・ベンソン監督の「グラン・ブルー」。
添乗員のMさんや現地ガイドさんたちがしきりに口にしていた映画。
この地で撮影され世界的にヒットした映画だという。
見たことがなく、いまいち飲み込めない部分があったため、
ブルーレイを買って観ることにした。
百聞は一見に如かず、撮影場所がなんとか飲み込めた。
1988年のイタリアとフランスの合作映画が、
未だにタオルミーナの観光資源として大きく紺碧の海を映し出す。
海岸の岩の上のレストランでスパゲッティーを食べるシーン。
4月9日広場の噴水で水を汲んで、イルカを運ぶシーン。
とりあえず自分の撮った写真と照らし合わせてみる。
そして写真を見ていると、やはり気になるのはレモンの木。
イセリアカイガラムシが白さを強調し、枝に着いている。
この地にはベダリアテントウはいるのかと?
土産物屋の陶器のマグネットには、テントウムシの絵がある。
レモンと一緒に、食文化の一翼として書かれているのが、
昆虫少年としては嬉しかった。